エルジェ
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エルジェ(Herge、1907年5月22日 - 1983年3月3日[1])は、ベルギー漫画家。代表作『タンタンの冒険』(Les Aventures de Tintin)の作者として知られる。他にも『クックとプッケ』(Quick et Flupke)シリーズなどの作品を描いている。
略歴

エテルベークの中流家庭に生まれた。父はワロン人、母はフラマン人である。

中学生のときに、学校のボーイスカウト雑誌でイラストを描き始め、その後1923年より『ベルギーのボーイスカウト』誌(Le Boy-Scout Belge)に描くようになる。エルジェのペンネームを使用しだしたのはこの翌年からである。

1925年に『20世紀新聞』(Le Vingtieme Siecle)の定期購読部に就職。同紙の責任者だったワレ神父(ヒトラーやムソリーニを支持していた人物)の影響をうけ、のちに神父の助手だった女性と結婚した。

翌年の7月より、『コガネムシ隊長トトールの奇妙な冒険』(Les extraordinaires aventures de Totor, C.P. des Hannetons)を『ベルギーのボーイスカウト』誌に連載。このトトールがタンタンの前身となった。1929年、『20世紀新聞』の子供向け付録誌『20世紀子ども新聞』(Le Petit Vingtieme)でタンタンとスノーウィの物語が生まれた[2]

タンタンとスノーウィの物語はエルジェの名を一躍知らしめることとなるが、それと同時に彼を悩ます原因にも度々なった。第二次大戦中、ベルギーに留まっていたエルジェは、『20世紀子ども新聞』からベルギーの新聞『ル・ソワール』(Le Soir)に掲載紙を変えてタンタンの連載を続けていたが、この事が原因で終戦後一時職を失った上、一部から批判を受けることとなる[3] など、風当たりが強い時期を過ごすこととなる。

元レジスタンスのレイモン・ルブランの協力により、1946年に週刊誌『タンタン』(1988年に廃刊)が創刊され、2年ぶりに連載を再開する事となるが、これ以降も執筆の際の過労による神経衰弱が原因で度々連載が中断されることが多々あった。こうした事をきっかけとして1950年にスタジオ・エルジェが設立され、以後ボブ・ドゥムーアやロジェ・ルルーといったスタッフの協力を得てタンタンの連載を続けていくこととなった。

晩年エルジェはモダンアートに情熱を傾けるようになる。彼の遺作となった『タンタンとアルファ・アート』(Tintin et l'Alph-Art)が、モダンアートを題材にした作品となっていることもその一つの表れと言える。

1983年3月3日白血病により死去。75歳没。没後24年が経過した2007年5月22日、エルジェ伝を準備しているフィリップ・ゴダンの調査による説が『ル・ソワール』紙に公表され[4]、晩年に先天性疾患の治療のための輸血によりHIVに感染、肺炎で死亡した可能性があるとされた。
人物

エルジェというペンネームは本名のイニシャルGRを逆さにしたRGを
フランス語読みした音「エルジェ」に「Herge」の文字を当てたもの。


エルジェにはポールという弟がおり、第二次大戦後ベルギー占領軍の司令官を務めたこともある職業軍人でもある。『タンタンの冒険』シリーズにおいて、主人公であるタンタン、そしてスポンツ大佐の風貌は彼がモデルとなっているとされる。


彼にちなんだ小惑星エルジェがある。


2009年に ⇒ミュゼ・エルジェ(Musee Herge)がベルギーのオッティニールーヴァンラヌーヴに開館した。


2012年に、エルジェの生涯を描くドキュメンタリー映画『タンタンと私』が公開された。

脚注^ Herge Belgian cartoonist Encyclopadia Britannica
^ 谷克二『ブリュッセル歴史散歩 中世から続くヨーロッパの十字路』日経BP企画、2009年、95頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-86130-422-4。 
^ 『ル・ソワール』紙は第二次大戦中占領軍に接収されていたため「対独協力者である」との批判を招いた。
^Herge dans l'ombre de Tintin? - ⇒LE SOIR en ligne 仏語










タンタンの冒険
シリーズ作品

タンタン ソビエトへ

タンタンのコンゴ探険

タンタン アメリカへ

ファラオの葉巻

青い蓮

かけた耳

黒い島のひみつ

オトカル王の杖

金のはさみのカニ

ふしぎな流れ星

なぞのユニコーン号

レッド・ラッカムの宝

ななつの水晶球

太陽の神殿

燃える水の国

めざすは月

月世界探険

ビーカー教授事件

紅海のサメ

タンタンチベットをゆく

カスタフィオーレ夫人の宝石

シドニー行き714便

タンタンとピカロたち

タンタンとアルファアート

キャラクター

タンタン

スノーウィ

ハドック船長(英語版)

ビーカー教授(英語版)

デュポンとデュボン(英語版)

ラスタポプロス(英語版)

カスタフィオーレ夫人(英語版)

アルカサル将軍(フランス語版)

チャン(英語版)

ネストル(英語版)

ムスカル12世(フランス語版)

エザブ首長(フランス語版)

アブダラー(フランス語版)

ランピョン(英語版、フランス語版)

アルンバヤ族(フランス語版)

登場舞台

シルダビア

ボルドリア(英語版)

サン・テオドロス(フランス語版)

ヌエボ・リコ(フランス語版)

ケメド(フランス語版)

ムーランサール城(英語版、フランス語版)

ユニコーン号(英語版、フランス語版)

掲載誌

20世紀子ども新聞(英語版、フランス語版)(20世紀新聞(英語版、フランス語版))

ル・ソワール・ジュネス(フランス語版)

ル・ソワール(英語版、フランス語版)

タンタン・マガジン(英語版、フランス語版)

製作者

エルジェ(作者)

ノルベール・ヴァレーズ(英語版、フランス語版)

ボブ・ド・ムーア(英語版、フランス語版)

エドガー・P・ジャコブ(英語版、フランス語版)

ジャック・マルタン(英語版、フランス語版)

ミシェル・グレッグ(英語版、フランス語版)

ロジャー・ルルー(英語版、フランス語版)

ジョゼット・ボージョ(英語版)

ジャック・ヴァン・メルケベケ(英語版)

張充仁(英語版、フランス語版、中国語版) (チャン)

映像化作品

テレビアニメーション

チンチンの冒険 (1958?62年)

タンタンの冒険(英語版、フランス語版) (1991?92年)

長編アニメーション映画

金のはさみのカニ(英語版、オランダ語版) (1947年)

タンタンの冒険: 太陽の神殿 (1969年)


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