2020年から2021年にかけては、ティグレ州紛争でエチオピア政府を支持して参戦した。両国政府は当初、派兵の事実を否定していたが国際社会の圧力を受けて2021年に認め、「TPLFがエリトリアの首都アスマラを砲撃したため」と説明した。4月3日にエチオピア外務省はエリトリア軍が撤兵を開始したと発表した[13]。
政治・立法・司法の一致詳細は「エリトリアの政治(英語版)」を参照アスマラの政庁首都アスマラ中心部
エリトリアは1993年の独立以来、旧エリトリア人民解放戦線 (EPLF) が改組した民主正義人民戦線 (PFDJ) 率いる暫定政府が、書記長のイサイアス・アフェウェルキによって選出された国会議員150人による事実上の一党独裁制の下で統治している。恒久政府樹立に向けての憲法が1997年、制憲議会により制定されたが、未だに施行されておらず、三権分立がなされていない[4]。 国家元首は大統領。独立以来、初代大統領でPFDJ書記長のイサイアス・アフェウェルキが一貫して就任している。憲法規定によれば、大統領は5年の任期を持ち、国民議会により選出されることとなっているが、憲法が未施行のため、選挙は無期延期となっている[17]。 首相職は設置されていない。内閣は大統領が任命する閣僚で構成されるが、実際の行政権は大統領が行使し、内閣はその執行機関に過ぎない。よってその権力は極めて小さく、大統領の補佐機関であるといえる。 議会は一院制の国民議会。104議席で、PFDJ中央委員会の委員40名と、任命制の議員64名で構成される。だが列国議会同盟 (IPU) によれば、エリトリアの国民議会はPFDJ中央委員会の委員75名、旧制憲議会議員60名、在外エリトリア人代表15名で構成される150議席の議会とされている。いずれにせよ、国民による選挙は行なわれておらず、PFDJの政策を追認する役割しか持たない。また、憲法が未施行であるため暫定的な権能しか有しておらず、任期も定められていない。 政党設立には国家による許可が必要であり、PFDJが唯一、政党としての活動を認められている。だが反政府勢力としてエリトリア解放戦線 (ELF) やエリトリア国民同盟 最高司法機関は高等裁判所で、その下に地方裁判所などが存在。行政裁判などを担う特別法廷も設置されている。 独立以来、エチオピア、ジブチ、イエメンとは国境問題を抱え、緊張状態にあった。エチオピアとは2018年に関係正常化で合意し、陸上国境での往来と航空路の再開、内陸国となったエチオピアに対する港湾の開放を取り決めた。
元首
行政詳細は「エリトリアの行政機関」を参照
立法
政党詳細は「エリトリアの政党」を参照
司法
国際関係詳細は「エリトリアの国際関係(英語版
対エチオピア関係詳細は「エリトリアとエチオピアの関係(英語版
1998年からはバドメの帰属をめぐるエチオピア・エリトリア国境紛争が武力衝突に発展。2000年に和平合意成立、国際連合エチオピア・エリトリア派遣団(UNMEE)が展開した。国境案が提案されたものの、両国間の合意が進まなかった。2008年にUNMEEは撤退、エチオピア・エリトリア間の緊張状態が続いた。2010年、エチオピア・エリトリア国境で軍事衝突。エリトリア側23名とエチオピア側3名が死亡。
2018年7月9日、エリトリアの首都アスマラにおいて、エチオピアのアビィ首相とエリトリアのイサイアス大統領が20年ぶりの首脳会談を行い、長年にわたる戦争状態を終結することで合意。戦争状態の終焉や経済・外交関係の再開、国境に係る決定の履行を内容とする共同宣言に署名した[29][30]。
2020年にエチオピアのティグレ州で起きたティグレ紛争では、エリトリアがエチオピア政府軍を支援しているとして、ティグレ人民解放戦線がエリトリアの首都アスマラの空港を攻撃した[31][32]。人権団体などはティグレ州でのエリトリア軍の虐殺行為を非難し、国連やG7もティグレ州からのエリトリア軍の撤退を要求した。エリトリア・エチオピア両国はティグレ州にエリトリア軍が展開している事実を否定していたが[33][34]、2021年3月23日にアビィ首相はこれを認めて翌4月にエチオピア政府はエリトリア軍の撤収を発表した[13][35][36]。
対ジブチ関係詳細は「ジブチとエリトリアの関係(英語版)」を参照
国境を巡って隣国ジブチと対立しており、1990年には二度の軍事衝突が起きている。停戦が成立したが、国境線を巡る緊張は続いた。2008年6月10日から13日、ジブチ・エリトリア国境紛争(英語版)で再び両軍の間で戦闘が起きた。ジブチ政府はエリトリアが再び国境線に軍を増強しているとして非難し、国際社会の介入を求めた。
対イエメン関係詳細は「エリトリアとイエメンの関係(英語版)」を参照
天然ガス田をめぐってハニーシュ群島紛争(1993年 - 1998年)が勃発した。 2015年にアラブ首長国連邦(UAE)は初の海外基地[37] としてアッサブに軍事拠点を設置する契約をエリトリアと締結[38]、これによりアッサブではUAEの保有するフランス製のミラージュ2000戦闘機や中国製の翼竜U無人攻撃機[39] などが展開された。前述のエチオピアとの歴史的和解にはUAEの関与もあったとされ[40]、2018年7月24日にイサイアス大統領はエチオピアのアビィ首相とともにUAE最高勲章のザイード勲章
対アラブ首長国連邦関係
対アメリカ合衆国関係詳細は「エリトリアとアメリカ合衆国の関係(英語版)」を参照
アメリカはエリトリア独立時に国家承認を行わず1993年に国交を樹立したが、両国関係は良好ではなく、アル・シャバブなどの支持・一党独裁下でのメディアを規制・野党勢力の弾圧・正式な憲法が施行されていないことなどから両者の関係は緊張状態である。また、2021年11月12日、エチオピアの北部の地域での紛争を巡って、エチオピアに派兵しているエリトリアの軍やエリトリアの与党などに制裁を科すと発表した。アントニー・ブリンケン国務長官は声明で「エチオピアにおけるエリトリアの混乱を招く存在が紛争を長期化させている」とし、エリトリア軍の兵士による「深刻な人権侵害」についても批判し、エチオピアから即時に撤退するよう求めた[42]。
対日本関係「日本とエリトリアの関係」も参照
在留日本人数 - 1人(2020年10月時点)[3]
在日エリトリア人数 - 47人(2020年12月時点)[3]
国家安全保障詳細は「エリトリア国防軍」を参照
陸軍、海軍、空軍の三軍を保有しており、2005年時点の国防支出は6,500万ドルである[43]。