アカデミー賞4部門にノミネートされた『第9地区』(2009年)のニール・ブロムカンプが脚本、監督を務めている。前作では出身地の南アフリカ共和国に残る人種差別問題をSFエンターテインメント作品に仕立て上げたが、本作でも現代の格差社会を地上と宇宙、ディストピアとユートピアに二極化した近未来世界に投影している。
2011年1月、インディペンデントスタジオのメディア・ライツ・キャピタルは『エリジウム』を提供してもらうために大手スタジオと会談し、ブロムカンプは美術デザインを見せた。最終的にソニー・ピクチャーズがより良い条件を出したために参加が決まった[8]。
2011年7月よりブリティッシュコロンビア州バンクーバーで撮影が開始された[9]。2012年10月時点では再撮影が進行中であると報じられた[10]。
メインキャストにはマット・デイモン、ジョディ・フォスターというハリウッドスターを起用。『第9地区』の主演シャールト・コプリーが前作から一転して冷酷な悪役を演じた。
ニュージーランドのWETAワークショップ
が強化外骨格「エクソスーツ」などの小道具を制作。宇宙コロニーのコンセプトデザインには、『ブレードランナー』などの未来的デザインで知られるシド・ミードが協力。他にもヴェルサーチ、ブガッティ、ジョルジオ・アルマーニなどの企業がメカニックやコスチュームのデザインを提供した。ソニー・ピクチャーズによる最初の発表では2012年後半公開の予定であった[8]。その後2013年3月1日に変更されたが、『オズ はじまりの戦い』との競合を避けるために1週間遅れの3月8日に再変更された[11][12]。2012年10月、ソニーは2013年8月9日に再度変更した[13]。
全米3,284スクリーンで公開され、3,050万ドル(約29億4,200万円/1ドル=96円換算)の成績を収め、全米ボックスチャートの週末成績1位を獲得[14]。マット・デイモン主演作では「ボーン」シリーズ以来の好スタートとなった[14]。ただし、オープニングの興行収入は前作『第9地区』の約3700万ドルを下回った[15]。 2013年9月15日現在、映画レビューサイトRotten Tomatoesには、228件のレビューがあり、批評家支持率は68%となっている。一般観客の支持率は65%である。エリジウムへの評価を総括すると、「『第9地区』という素晴らしいSF映画の後では、『エリジウム』は少し物足りなく感じる。しかし、十分満足できるレベルだ。」となる。[16]。
評価
脚注^ “ ⇒ELYSIUM (15)”. British Board of Film Classification (2013年7月15日). 2013年7月15日閲覧。
^ a b “Elysium
^ 「キネマ旬報」2014年2月下旬決算特別号 207頁
^ Staff (2011年7月20日). ⇒“SDCC: 'Elysium' Viral Launches”. ComingSoon.net (CraveOnline Media, LLC). ⇒http://www.comingsoon.net/news/movienews.php?id=80039 2011年7月21日閲覧。