エミール・ゾラ
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このため罪に問われ、イギリスに亡命するが、翌年帰国。ドレフュスの再審が決定した(1906年に無罪確定)。

帰国後、最後の作品群となる『四福音書』の第1巻『豊穣』(1899)を出版する。1902年9月29日、メダンからパリの自宅に戻ってきた翌日に、一酸化炭素中毒によって亡くなる。当時は事故として処理されたが、煙突が反ドレフュス派によって故意に塞がれていたという可能性も有力である[1]。遺骸はパンテオンに眠る。

ゾラがメダンに造った別荘には多くの文学者が集まった。モーパッサンユイスマンスもゾラの別荘に出入りするうちに才能を認められた作家である。

特に画家のポール・セザンヌとは、少年時代からの親友で印象派絵画の運動を支援する芸術論も著した。『制作』(1886)の中で、セザンヌをモデルの一人とした主人公クロードの悲惨な生涯を描いたことで、セザンヌから絶交されたと一般に考えられてきたが、より後年の交友を示す手紙(新著『大地』へのお礼と「君がパリに返ってきたら会いに行くよ」との内容)が2014年に発見され、再考が求められている。『セザンヌ=ゾラ往復書簡』がある(訳書は下記)。

発言

画家の
クロード・モネ1877年に発表した『サン・ラザール駅』を鑑賞し、「我らが時代の画家は駅のポエジー(詩情)を発見しなければならない」と述べて論評としている[2]

著作
ルーゴン=マッカール叢書「ルーゴン=マッカール叢書」を参照

『ルーゴン家の繁栄』から『パスカル博士』まで全20巻の構成。第二帝政時代の「ルーゴン・マッカール家」の運命を描く。[3] [4]

『ルーゴン家の誕生』"La Fortune des Rougon", 1870年南仏の架空の町プラッサンを舞台に、ナポレオン派と共和派の争いを、少年シルヴェールの悲恋を絡めて描く。ルーゴン・マッカール家第三世代までの顔見せ興行的な面がある[5]

獲物の分け前』"La Curee", 1871年パリ再開発をめぐる不動産投機の駆け引きを、赤裸々に描く[6]

『パリの胃袋』"Le Ventre de Paris", 1873年パリの市場を舞台に、ギニアから脱走してきた青年フロランは監督官として働き者との評判を取るが、やがて周囲に疑われるようになり、フロランの義妹リザ・クニュ(マッカールの娘)の密告で共和主義者として逮捕される[7]

『プラッサンの征服』"La Conquete de Plassans", 1874年プラッサンに赴任してきた謎めいたフォージャ神父がムーレ家に下宿を始める。家主の妻、召使いを味方につけた神父は、子供達、そして最後には家主であるフランソワ・ムーレ自身をも家から追い出す。神父は宗教的影響力を行使しプラッサンの世論を政権支持へと操作していく[8]

『ムーレ神父のあやまち』"La Faute de l'Abbe Mouret", 1875年神父セルジュ・ムーレは記憶を失い、エデンの園を思わせるパラドゥーの森で野性的な少女アルビーヌの看病を受け、愛し合うようになる。記憶が戻ったセルジュは彼女を捨て、教会に戻る。アルビーヌは失意のうちに死んでゆく[9]

『ウージェーヌ・ルーゴン閣下』"Son Excellence Eugene Rougon ", 1876年政治家ウージェーヌの活動を通し、第二帝政の内幕とボナパルティスムの実態を露にした政治小説[10]

居酒屋』"L'Assommoir", 1876年出世作で代表作。パリに出てきた洗濯女ジェルヴェーズ・マッカールが死にものぐるいで働き、自分の店を持つまでになるが、やがて酒におぼれ、破滅してゆくさまを描き、当時のフランス社会に大反響をもたらした[11]

『愛の一ページ(フランス語版)』"Une page d'amour", 1878年エレーヌ・ムーレは医師と恋に落ちるが、娘のジャンヌはそのために嫉妬に駆られて死んでゆく。パリの情景[12]

ナナ』"Nana", 1879年ジェルヴェーズの娘アンナが、舞台女優から高級娼婦ナナ(クルチザンヌ)になり、周囲のブルジョワ・貴族たちを次々と破滅させてゆく[13]

『ごった煮(フランス語版) 』"Pot-Bouille", 1882年プラッサンから出てきたオクターヴ・ムーレが、その周囲のブルジョワ婦人と次々に情交を重ねてゆく。当時のブルジョワの風俗を戯画的に描く[14]

ボヌール・デ・ダム百貨店』"Au Bonheur des Dames", 1883年前作の主人公オクターヴが経営する近代的百貨店ボヌール・デ・ダームが周囲の小規模な商店を破滅させながら発展してゆく。


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