エミール・クストリッツァ
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2009年の第2回にはジム・ジャームッシュオリバー・ストーンらが参加し、2010年の第3回にはジョニー・デップがオープニング・セレモニーに登場するなど、盛り上がりを見せている。

2005年にはカンヌ国際映画祭の審査委員長に選ばれ、2007年には『ウェディング・ベルを鳴らせ!』で同映画祭のコンペティション部門に自身5度目の選出。しかしキャリア初の映画祭無冠に終わり、クストリッツァは「これからも映画は撮り続けるけど、コンペに出すかは分からない」とコメントした。また、同年には89年に監督した『ジプシーのとき』をオペラとしてセルフ・リメイクし、パリ公演を成功させている。近年になってもノー・スモーキング・オーケストラのツアーの傍ら、複数の新作映画のプロジェクトを常に掛け持つなど、衰えを知らず精力的に活動を続けている。
私生活

クステンドルフの設立

2004年の『ライフ・イズ・ミラクル』の撮影をきっかけに、撮影場所となったモクラ・ゴラのドゥルヴェングラード地域を丸ごと買い取り"クステンドルフ"(ドイツ語で「クストリッツァの村」)と名付けた村を設立している。この村では、2008年以降毎年セルビア政府とクストリッツァによって「クステンドルフ国際映画・音楽祭」が開催されている[4]

セルビア正教への改宗

2005年のジョルジェヴダン(聖ゲオルギウスの日)に、モンテネグロヘルツェグ・ノヴィ近郊のサヴィナ修道院で、ネマニャ・クストリッツァ(Нема?а Кустурица)としてセルビア正教会の洗礼を受けた。これをボスニアのムスリムとしてのルーツに対する最終的な裏切りだと考える批評家たちに対して、彼は「私の父は無神論者で、自分のことをいつもセルビア人だと言っていた。私たちは250年間ムスリムだったかもしれないが、それ以前は正教徒だったし、心の奥底ではずっとセルビア人だった。宗教がそれを変えることはできない。私たちは、トルコ人から生き残るためにムスリムになっただけだ」と反論している[5]

プーチン政権との関わり

ロシアプーチン政権を公に支持している[6]

2022年にロシア陸軍学術劇場の監督に就任したと一部メディアで報道された。ロシアによるウクライナ侵攻が始まる3日前には「偉大な歴史と伝統を持つこの劇場を率いることを、大変光栄に思います」とのコメントがセルビア紙『ブリック』に取り上げられている[7]

2024年4月、クレムリンでプーチン大統領と会談し、映画製作の資金援助を依頼したことが報道された。会談の中でクストリッツァは、「今ウクライナで起きていることは、我々にとっての闘いだ。23万人のセルビア人が追放されたとき、クロアチアでバンデラ主義者が何を起こしたのかを見てきた私たちにとって......。この例えは、誰にとっても非常に重要だと思う」と語った。その後、プーチン大統領は、クストリッツァ監督のウクライナに対する評価は自身の状況認識と一致すると述べ、クストリッツァを支援することを明らかにした[8]
主な作品
監督作品

ドリー・ベルを覚えているかい?
Sjecas li se Dolly Bell? (1981)

パパは、出張中! Otac na sluzbenom putu (1985)

ジプシーのとき Dom za vesanje (1989)

アリゾナ・ドリーム Arizona Dream (1992)

アンダーグラウンド Underground (1995)

黒猫・白猫 Crna macka, beli macor (1998)

SUPER 8 Super 8 Stories (2001)

ライフ・イズ・ミラクル Zivot je cudo (2004)

ブルー・ジプシー Blue Gypsy (2005) ※オムニバス映画『それでも生きる子供たちへ』の中に収録

ウェディング・ベルを鳴らせ! Zavet (2007)

マラドーナ Maradona by Kusturica (2008)

Words with Gods (2014)

オン・ザ・ミルキー・ロード On the Milky Road (2016)

世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ El Pepe, Una Vida Suprema (2018)

出演作品

サン・ピエールの未亡人
La Veuve de Saint-Pierre (1999)

ギャンブル・プレイ The Good Thief (2002)

フェアウェル さらば、哀しみのスパイ L'Affaire Farewell (2009)

セブン・デイズ・イン・ハバナ 7 Dias en la Habana/7 Days in Havana (2012)

天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント (2018)

脚注[脚注の使い方]^ a b c 「〔プロフィール〕Emir Kusturica エミール・クストリッツァ」『Music Film Zine』第2巻、VALERIA、2023年10月、18頁。 
^ a b c d “エミール・クストリッツァ - 人物情報・関連映画”. キネマ旬報WEB. 株式会社キネマ旬報社. 2023年11月2日閲覧。


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