エホバの証人
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全てのものは創造者()によって造られた(インテリジェント・デザイン論を支持している)。神は唯一神エホバ(ヤハウェ)である。キリストは神性を備えた神の子であるが全能の神そのものではなく[7]、天使長ミカエルと同一である[証人 6]。当初、神はアダムエバに地上で永遠に生きられる命を与えた[証人 7]。二人が神に反逆し、天使サタン(「サタン」は「反逆者」という意味)に従ったため、二人とその子孫である人類は永遠の命の権利を失った[証人 8]。それ以来、世界と人類はサタンの支配下にあるが[証人 9]、聖書予言は今が世界の終わりの時であることを示しており[証人 10]、間もなくキリスト率いる神の軍団が大戦争(ハルマゲドン)によりサタンによる支配を終わらせ、地球にパラダイスと神の名誉を回復させる。その時、神に従う人間はイエス・キリストが地上に来て捧げた贖いの犠牲により、アダムから受け継いだ罪が許され、死んだ人たちも復活させられて神の教育を受け、神に従うことを選ぶなら永遠に生きる機会を得る[証人 11][証人 12]
神の名「ヤハウェ」も参照

聖書にみられる唯一神エホバヤハウェ)を信仰の対象としているが、この名称は原文に近い聖書写本において神の固有の名としてテトラグラマトンの四文字語????と記述されているものであり、YHWHもしくはJHVHに相当、神の名を敬意を込めて用いている。
神の概念

三位一体を否定する立場をとっている[証人 13][8]

の名はヤハウェ、エホバである。

イエス・キリストは神の子であるが全能の神ではなく、エホバに最初に創造された者である[9]

天使長ミカエルがキリストであるとする[9][証人 6]

キリストは処刑後、人間としてではなく霊体として復活し昇天した。終わりの日に神の王国の王として再臨し、将来全人類を裁く。

聖霊は神ではない。「非人格的」な「神の活動力」である[9]

神の王国「神の王国」および「ハルマゲドン」も参照

神の王国は、イエス・キリストの宣教における中心的な概念で、『新約聖書』所収の4つの『福音書』に合計50回以上現れる用語である。エホバの証人のいう神の王国は主に千年王国説(至福千年説)に依っている。千年王国説は、旧約聖書終末論に由来し、新約聖書の『ヨハネ黙示録』第20章「千年間の支配」「サタンの敗北」「最後の裁き」[10]がその主な根拠になっている[11]

エホバの証人は神の王国について次のように説明している。ダニエル4章の預言に基づく年代計算から、神の王国は1914年に、天でイエス・キリストを王として設立された[証人 14] 。そのキリストの再臨は「しるし」であり目には見えないが、予告された社会現象により識別できる(マタイによる福音書24章3節から25章46節およびルカによる福音書21章5節から36節参照)[証人 15]。新しい社会を実現する政府である[証人 16]ハルマゲドン後、地上は千年の時を経てかつて創世記に記述されているような楽園に回復される[証人 17][証人 18]。楽園を回復する作業を行うのは、ハルマゲドンの生存者と復活者たちである。
活動各国の信者らが集まる国際大会の様子韓国大成里駅の前に伝道のため置かれたエホバの証人のパンフレット据置台。世界各地の駅前でパンフレットを掲げるスタイルの伝道を行っている。
年間行事

毎年
ユダヤ暦のニサン14日(3月または4月)にキリストの死の記念式を行う。(主の晩餐に相当)

週に2回、集会を行う。(週末:公開聖書講演会・「ものみの塔」研究、週中:クリスチャンとしての生活と奉仕の集会)

上記以外に地区大会(年1回)、巡回大会(年2回)が催される。

毎回の大会において、認められた人に対しバプテスマが行われる。

聖書教育活動

刑務所に収監されている受刑者、及び出所者への社会復帰支援活動を行っており、アメリカ合衆国をはじめとする欧米を中心に刑務所内での講演や聖書教育活動が行われている[12]。またイタリアのボラーテ刑務所では、政府の認可により、敷地内に教団施設(王国会館)が誘致されている[13]
災害救援

長年にわたり、災害時の救援活動を「神聖な奉仕」と位置づけており、地震や台風などの大規模な自然災害が発生すると、医療従事者や建設技術者等の信者を中心に組織された災害救援委員会(DRC)が編成され被災した信者の救援を行う。時に信者が含まれていない災害時にも救援活動を行う[14][15][16][17]。これには、家屋の修復や、行方不明者の捜索、医療専門家による臨時診療所の開設、食料や物資の配布などが含まれ、これらは原則無償で行われる。
主な行動様式

特筆すべき点として、教団としての細かな規則や細則というのは存在せず、聖書中に具体的に明記されているもの(偶像崇拝や淫行や殺人等)以外については、聖書の原則を元に、組織のガイドライン(提案)を参考にしつつ、信者各自、または各家庭において、それぞれの良心に基づき慎重に決定すべきであり、且つ他人の決定を尊重すべきとされている[18][19]。主な行動様式を下記に掲げる。

信者同士は互いに愛し合うべきであり、本物のクリスチャンはによって見分けられる。もっとも最大の愛の表明は「友のために自分の命をなげうつこと」である。信者でない人にも進んで愛を表すべきである。

人種国籍や受けた教育、社会的な立場等による差別をせず、信者同士は互いに絆を強めることに尽力し、また、組織として一致すべきであり、信者各自は世界的な兄弟関係の一員であるという認識を持つべきである。

毎日聖書を読む。

毎度の食事の前にはもちろん、その他にも頻繁に祈りをする。

金銭に対してはバランスの取れた見方をし、金銭を愛するのではなく、今あるもので満足する。

キリスト教徒が重視する十字架や正教会が重視するイコンなども偶像とみなし崇拝の対象としない。

政治への参加(選挙への立候補および投票など)は行わず、政治的に中立である。

「敵を愛せよ」「人を殺してはならない」という聖書の教えに従い戦争に参加せず兵役につかない(良心的兵役拒否)。人を傷つける格闘技を行わない。

国旗敬礼、国歌斉唱に加わらない。国旗への敬礼、国歌斉唱は、国家崇拝に該当すると判断している。また国旗国歌は偶像であり、これへの敬礼は偶像崇拝であるとする。ただ、国旗に対する毀損行為、国旗掲揚や国歌斉唱への妨害行為は行わない。

信者間を称号で呼ぶことはなく、互いを兄弟または姉妹と呼ぶ。


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