登山ルートには度重なる登山のゴミが廃棄されており、生態系に与える影響や水質汚染が懸念されている[73]。ネパール政府は、自分が出したゴミとは別に1人あたり8キログラムのゴミを持ち帰るよう義務づける、新しい規制を2014年から導入した[74]。ゴミを回収することを目的とした登山が行われることもある。
2017年には、ネパール側で25トン近いゴミと15トンの屎尿が持ち帰られたが、デポジット金没収のペナルティを受容して山にゴミを残す登山者も多く、ゴミの量は増え続けている[75]。
2019年8月15日、ネパール政府はエベレスト周辺のゴミを減らすために、2020年より厚さ30 μm以下の使い捨てのプラスチック製品や飲料用プラスチック製ボトルなどの使用を禁止する措置を発表した[76]。
登山者の排泄物による環境汚染も問題視されており、ネパールは2024年からエベレスト登山者に排泄物をベースキャンプまで持ち帰ることを義務付けた[77]。 上記のようにエベレストの山頂へと登ることは熟練の登山家でも危険をともなうが、一方で南麓であるネパール側の6000 m以下のエベレストの山腹まではそれほどの難所もなく、高山病対策さえあれば一般の観光客でもトレッキングを楽しむことは可能であり、世界中から多くの観光客が訪れる。日本でもいくつかの旅行社がエベレスト・トレッキングツアーを催行しており、参加者も多い。また単独で、または登山ガイドをつけての個人トレッキングも可能である。 トレッキングを行う場合、まずネパールの首都カトマンズから飛行機でルクラ村へと向かう(テンジン・ヒラリー空港も参照)。ここから北のエベレスト山腹へと向かう道はエベレスト街道と呼ばれ、多くの登山客が行きかう。ルクラ村の手前にある路線バスの終点ジリ村から徒歩で数日かけルクラまで歩くことも出来る。 ルクラから北へ向かうと、この地方でもっとも大きく登山基地となっているナムチェ村を通り、やがて西のゴーキョ・ピークと東のカラ・パタールへ向かう2つの登山道が分岐する。ゴーキョ・ピークは標高5483 m、カラ・パタールは5545 mの地点にあり、どちらも眼前にエベレストを望むことができる。
トレッキング
周辺
エベレストの北には世界一高い派出所である「チョモランマ派出所」が中国人民武装警察部隊のチベット国境警備隊によって2008年に建設されている[78]。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ チベット文字による表記。環境によっては「???????」と字化けして表示される。
^ 8225 m[21]、8228 m[20]、8230 m[22]と振れがある。
^ 両名とも日本山岳会エベレスト登山隊(総隊長・松方三郎、登攀隊長・大塚博美)の隊員である。
^ 1996年にもハンス・カマランダーが山頂からスキー滑降に成功したが、所々でスキーを脱いで下山した。三浦雄一郎は1970年に7980 mからスキー滑降し、「The Man Who Skied Down Everest」として映画化されたことで有名[38]。
^ 北側、南側の2つの通常ルートの合計。
出典^ 人類初のエベレスト登頂
^ ⇒GPS-Messung von 1999
^ “エベレスト 標高は8848m86cm 中国とネパール改めて測定”