エベレスト
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エベレスト通常ルート[注 6]4549641.41 %3380220.65 %7929861.08 %

登山ツアーの1つであるHimalayan Experienceの客の登頂成功率は、悪天候とシェルパの死[65]により誰も登らなかった2012年を除くと、客を毎年20名前後取るようになった2003 ? 2011年で60 ? 82 %[66](この数字はガイド・シェルパを含まず)である。

日本人専用の登山ツアーとしてアドベンチャーガイズがあり、2004 ? 2013年にガイドを除いて23名参加し、17名登頂成功、2名[62]死亡(死亡事例はいずれもガイド自身がエベレスト登頂未経験のケースに発生)。
制限
年齢

ネパール側の登山ルートは成人(16歳以上)のみ登山ができる年齢制限がかかっており、2010年9月より中国側登山ルートによる登山が18歳から60歳に年齢制限がかかる。制限導入の背景は、従来より若年層による登山にはより大きな危険がともなうと批判が出ていたこと、最年少記録更新のヒートアップが予想されたことなどがある[67]。ただし中国側の規制は強制ではなく[68]、2014年には13歳のマラバト・プルナが中国側から女性最年少登頂を果たしている。

最高齢登頂記録に関して、2013年に日本の三浦雄一郎が80歳で登頂して記録を更新した一方、2017年に記録更新を目指した85歳のネパール人の男性登山家がベースキャンプで心臓発作により死亡している[69]。この事例を受け、ネパール登山協会のシェルパ会長は、個人的な意見と断ったうえで「今こそ規制が必要」とコメントしている[70]
人数

2017年12月28日、ネパールは単独登山者の入山を法律で禁止した[71][72]
ゴミ問題

登山ルートには度重なる登山のゴミが廃棄されており、生態系に与える影響や水質汚染が懸念されている[73]。ネパール政府は、自分が出したゴミとは別に1人あたり8キログラムのゴミを持ち帰るよう義務づける、新しい規制を2014年から導入した[74]。ゴミを回収することを目的とした登山が行われることもある。

2017年には、ネパール側で25トン近いゴミと15トンの屎尿が持ち帰られたが、デポジット金没収のペナルティを受容して山にゴミを残す登山者も多く、ゴミの量は増え続けている[75]

2019年8月15日、ネパール政府はエベレスト周辺のゴミを減らすために、2020年より厚さ30 μm以下の使い捨てのプラスチック製品や飲料用プラスチック製ボトルなどの使用を禁止する措置を発表した[76]

登山者の排泄物による環境汚染も問題視されており、ネパールは2024年からエベレスト登山者に排泄物をベースキャンプまで持ち帰ることを義務付けた[77]
トレッキング

上記のようにエベレストの山頂へと登ることは熟練の登山家でも危険をともなうが、一方で南麓であるネパール側の6000 m以下のエベレストの山腹まではそれほどの難所もなく、高山病対策さえあれば一般の観光客でもトレッキングを楽しむことは可能であり、世界中から多くの観光客が訪れる。日本でもいくつかの旅行社がエベレスト・トレッキングツアーを催行しており、参加者も多い。また単独で、または登山ガイドをつけての個人トレッキングも可能である。

トレッキングを行う場合、まずネパールの首都カトマンズから飛行機でルクラ村へと向かう(テンジン・ヒラリー空港も参照)。ここから北のエベレスト山腹へと向かう道はエベレスト街道と呼ばれ、多くの登山客が行きかう。ルクラ村の手前にある路線バスの終点ジリ村から徒歩で数日かけルクラまで歩くことも出来る。

ルクラから北へ向かうと、この地方でもっとも大きく登山基地となっているナムチェ村を通り、やがて西のゴーキョ・ピークと東のカラ・パタールへ向かう2つの登山道が分岐する。ゴーキョ・ピークは標高5483 m、カラ・パタールは5545 mの地点にあり、どちらも眼前にエベレストを望むことができる。
周辺

エベレストの北には世界一高い
派出所である「チョモランマ派出所」が中国人民武装警察部隊のチベット国境警備隊によって2008年に建設されている[78]

脚注[脚注の使い方]
注釈^ チベット文字による表記。環境によっては「???????」と字化けして表示される。
^ 8225 m[21]、8228 m[20]、8230 m[22]と振れがある。
^ 両名とも日本山岳会エベレスト登山隊(総隊長・松方三郎、登攀隊長・大塚博美)の隊員である。
^ 1996年にもハンス・カマランダーが山頂からスキー滑降に成功したが、所々でスキーを脱いで下山した。三浦雄一郎は1970年に7980 mからスキー滑降し、「The Man Who Skied Down Everest」として映画化されたことで有名[38]
^ 標高6500 mのC2からヘリコプターで下山[41]
^ 北側、南側の2つの通常ルートの合計。

出典^ 人類初のエベレスト登頂 ウォルストリートジャーナル 「60年前のエベレスト初登頂」2013年5月28日 2020年2月1日閲覧
^GPS-Messung von 1999
^ “エベレスト 標高は8848m86cm 中国とネパール改めて測定”. NHK (日本放送協会). (2020年12月8日). https://web.archive.org/web/20201208124320/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201208/k10012753511000.html 2020年12月9日閲覧。 
^ https://www.afpbb.com/articles/-/3320281?cx_part=top_topstory&cx_position=2
^ 薬師義美 2006, p. 41
^ 薬師義美 2006, p. 71
^ 薬師義美 2006, p. 106
^ 薬師義美 2006, pp. 107?111
^ 薬師義美 2006, pp. 111?112
^ 薬師義美 2006, p. 113
^ 薬師義美 2006, p. 115
^ ウェイド・デイヴィス 2015a, p. 73
^ a b “Qomolangma Biosphere Reserve, China” (英語). UNESCO (2019年7月12日). 2023年2月3日閲覧。
^ “List of plants found on Mount Everest region the great Himalayan ranges” (英語). www.basecamptreknepal.com (2016年12月26日). 2023年2月3日閲覧。
^ a b c “ ⇒珠穆朗?峰自然保?区 - 西藏在?” (中国語). www.tibetol.cn. 西藏在?. 2023年2月3日閲覧。
^ a b “List of Animals found on Mount Everest area of the Himalayas” (英語). www.basecamptreknepal.com (2016年12月26日). 2023年2月3日閲覧。
^ “Birds of Everest Base Camp Trek” (英語). HoneyGuide (2020年6月8日). 2023年2月3日閲覧。
^ “Sacred Himalayan Landscape” (英語). www.wwfnepal.org. 2023年2月3日閲覧。
^ ウェイド・デイヴィス 2015a, p. 74
^ a b c 山と渓谷社 2022, エベレスト関連の登山史年表.


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