エフェドリンは、脊髄くも膜下麻酔・硬膜外麻酔の低血圧に対処するために使われ続けている[5]。同様に、他の低血圧状態でも使われ、抗アドレナリン作用薬、またはその他の低血圧時の治療に使われる[6]。また、ナルコレプシーと夜尿症にも適用される。
熱発生を起こす燃焼性の減量薬ECAスタック
(英語版)は、エフェドリン (Ephedrine)、カフェイン (Caffeine)、アスピリン (Aspirin) からなり、食物エネルギーを素早く燃焼させる働きをする。ECAスタック(市販薬には、大部分にアスピリンが含まれていない)は、エネルギーの燃焼効率と機敏さを上げるために、ボディビルダーによって使用されてきたが、心臓発作や脳卒中、さらには死亡が問題となり、現在では北米で規制対象となっている[7][8]。この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
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エフェドリンは、「エフェドラ」に代表されるダイエット薬にも含まれていた。(絶大的なダイエット効果のデータを誇り、「ハリウッド女優に人気」と謳われていた頃のエフェドラは「エフェドリン含有」の輸入合法ドラッグであったが、現在のドラッグストア販売品は「エフェドラフリー」、つまりエフェドラを含まない安全バージョンである。心臓トラブルや薬物症状の危険性はゼロになったが、効果も普通のサプリメント程度になってしまった)
エフェドラを含め、いくつかの痩身補助薬(ダイエット補助薬)は、厚生労働省やアメリカ食品医薬品局 (FDA) などの勧告により、いくつかの国家で販売が禁止された。エフェドリンとその他の薬を併用した場合の重大な副作用には、高血圧・脳卒中・心筋梗塞を引き起こす危険性がある。
2003年2月にアメリカのMLBの現役投手だったスティーブ・ベックラーが(チームドクターのアドバイスを無視して)ダイエットサプリメントとしてエフェドラを服用した結果、熱射病で死去した。この当時IOCやアメリカのスポーツ団体であるNFLやNCAAではエフェドラが禁止薬物に指定されていたがMLBでは指定されていなかった。
このベックラーの一件でMLBはエフェドリンを禁止薬物に指定した。更に現役のアスリートによる死亡事故を受けて合衆国議会はエフェドラの販売の禁止に消極的だったアメリカ食品医薬品局に対してエフェドラの米国内での販売の禁止を勧告し、同年12月に販売が禁止された。
しかし、エフェドリンはOTC薬の成分の一つでもある。しかし実際にはそれらの多くは、エフェドリンまたは塩酸エフェドリンそのままではなくて、薬効がよりマイルドで、かつ覚醒剤の密造に転換されにくい成分に変えた誘導体(dl-塩酸メチルエフェドリン)を配合している。 逸話的な話として、エフェドリンはカフェインよりも勉強の効率を高めるということが示唆された。一部の大学生とホワイトカラーは、この効果を期待し、また一部のプロスポーツ選手や重量挙げ選手と同様に、エフェドリン(または麻黄を含むハーブ補助食品)を使った。 ドーピング検査が大会前に実施されることからも分かるとおり、スポーツ選手が練習中に薬物を使用することがしばしば見られる。そういった用途へのエフェドリンの薬物乱用は、精神依存や、選手の熱中症による死亡、繰り返し報告される重量挙げ選手の大動脈瘤による死亡と共に問題となっている。 アメリカ合衆国の水泳選手・リック・デモントは、1972年のミュンヘンオリンピック400メートル自由形で金メダルを獲得したが、ドーピング検査でエフェドリンが検出され、メダルを剥奪された。デモントのチームドクターらは「デモントは幼少期から喘息を患っており、その対処にエフェドリンは必須」と訴えたが、IOCは例外を認めなかった。
娯楽的使用とドーピング