1980年代にはアメリカで記憶論争が相次いだ。両親に性的被害を受けた記憶があるという患者がいたのだが、抑圧された記憶の中にそのような記憶があったといった訴えが中心であったため、フロイトの無意識の理論に忠実に従ったセラピストの誘導によるもので、実際の記憶ではないのではないかと批判された。この際問題になったのは初期の「誘惑理論」なのだが、フロイトが家族主義的だからということが批判の温床になった側面もあり、実際の事件では家族に精神の不調の原因を求める考え方は危険視されたこともある。
脚注[脚注の使い方]^ 『インセスト幻想?人類最後のタブー』（原田武、2001年） 149・150ページ ISBN 4-409-24065-X

参考文献

ジークムント・フロイト 中山元訳 『エロス論集』ちくま学芸文庫

関連項目

精神分析

コンプレックス

エレクトラコンプレックス

イオカステーコンプレックス

阿闍世コンプレックス

アグリッピーナコンプレックス

白雪姫コンプレックス

ファミリー・ロマンス

インセスト・タブー

情緒的近親姦

男根期