エチオピア
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

標高2,400メートル以上は冷涼な気候となり、平均気温は16℃である[58]

エチオピア高原は降水量が多く、年間降雨量は1,200ミリメートルを超す。この豊富な降雨量がエチオピア高原に豊かな植生をもたらし、また農耕も行なわれ、アフリカ第2位の人口を支えている。エチオピア高原の豊富な雨量は、高原北部のタナ湖を水源とし西部へ流れるアバイ川(青ナイル川)、高原中央部から南へ流れトゥルカナ湖へと流れ込むオモ川、同じく高原中央部から東部へと流れ下り、ジブチ国境近くのダナキル砂漠へと流れこむアワッシュ川、高原南部から南東部へと流れ、やがてソマリアへと流れ込むジュバ川シェベリ川など、多くの河川となって四方へと流れ下り、周囲の乾燥地域を潤している。

通常、雨季は6月半ばから9月半ばまでである。アフリカ大地溝帯によって隔てられた東部高原は乾燥しており、その東に広がりソマリアへ続くオガデン地方はさらに暑く乾燥している。
地方行政区分詳細は「エチオピアの行政区画」を参照エチオピアの地方行政区分

多民族国家のエチオピアは、民族ごとに構成される12つの州と2つの自治区からなる連邦制をとっている。この州区分は1995年に導入され、2020年6月と2021年11月と2023年8月に新たな州が追加された。
アディスアベバ(自治区)

アファール州

アムハラ州

ベニシャングル・グムズ州

中部エチオピア州(2023年8月創設)

ディレ・ダワ(自治区)

ガンベラ州

ハラリ州

オロミア州

シダマ州(2020年6月創設)

ソマリ州

南エチオピア州(2023年8月創設)

南西エチオピア諸民族州(2021年11月創設)

ティグレ州

主要都市詳細は「エチオピアの都市の一覧」を参照

主要な都市はアディスアベバ(首都)、ディレ・ダワがある。大半の都市が高原に位置している。
経済色と面積で示したエチオピアの輸出品目(2009年

この節は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方
出典検索?: "エチオピア" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2022年12月)
詳細は「エチオピアの経済」を参照

国際通貨基金(IMF)の統計によると、2013年のエチオピアのGDPは460億ドルである。一人当たりのGDPは518ドルであり、世界平均の5%にも届かない世界最貧国の一つである。1970年代1980年代エチオピア大飢饉以来、一時食糧自給を達成した時期を除いて厳しい経済状態が続く。近年は2004年から2011年にかけて8年連続で二桁の経済成長を続け、2014年には世界最高の経済成長率を記録[59]するなど、アフリカ諸国の中でも高い成長率を維持し続けているが、依然として最貧国から脱出できない状態にある。主要産業である農業はGDPの41%で、輸出と労働力の80%を占めるが、機械化が進まず生産性が低い。

1991年のエリトリア独立に伴って内陸国となったため、北東の隣国ジブチのジブチ港およびジブチ鉄道を有料で利用。ソマリランドのベルベラ港の利用も増えている。かつてはエリトリアの南部にあるアッサブ港が主な貿易港として利用されていたが、エリトリア独立後、1998年に両国間で勃発したエチオピア・エリトリア国境紛争によってこのルートは完全に断たれた。

主要産業は農業はコーヒー穀物の栽培、畜産業。アディスアベバで若干の工業繊維産業、食品加工など)がある。
農業および畜産業「エチオピアの農業(英語版)」および「エチオピアにおけるコーヒー生産」を参照

国土の10.7%が農地として使われており、農業に従事する国民の割合は30%に達する。首都アディスアベバの年降水量は1179.1ミリメートルであり、乾燥に弱い作物の栽培も可能である。東アフリカの水貯蔵庫と言われるほどに河川が存在するが、灌漑には1.5%のみ、発電には1%しか使われていない。また、農業の構造が輸出商品作物の栽培と畜産業(世界10位)に特化しており、2005年時点でナイジェリア、エジプトに次ぐアフリカで3番目の人口を支えるには主食の栽培量が不足している。商品作物の輸出が最大の外貨獲得源となっている一方、輸入品のうち最大の品目は食料である。

主食インジェラを作るためのテフが最も重要な穀物だが、粒が小さく収量が低く生産性が悪いうえ、灌漑に頼らず天水農耕で栽培されることが多いため旱魃に弱い。

主要穀物では、トウモロコシ(274万トン、以下、2002年時点の統計)の栽培が盛ん。モロコシ(17万トン)の生産量は世界シェア10位に達している。根菜では、ヤムイモ(31万トン、世界シェア8位)が目立つ。畜産業ではウシ(3810万頭、7位)、ウマ(145万頭、9位)、ラクダ(47万頭、9位)。

商品作物では、コーヒー豆(26万トン、7位)、ゴマ(6.1万トン、8位)が際立つ。この2商品だけで総輸出額の50%弱に達する。コーヒーは南部のシダモ地方、カファ地方などで主に栽培されている。コーヒーはスターバックスと契約した。

と植物の世界有数の輸出国になりつつある。
鉱工業詳細は「エチオピアの鉱業(英語版)」を参照

エチオピアの鉱業は、(2018年時点で約4トン)、(1トン)、(6万1,000 トン)に限定されている。金の産出量は 1990年時点で0.8トンであり、開発が急速に進んでいる。埋蔵が確認されている資源として、水銀タングステンタンタル鉄鉱石ニオブニッケルがある。

オガデン地方では石油産出が期待されているが、2007年に中国企業の作業員が反政府組織、オガデン民族解放戦線(ONLF)に拉致、殺害される事件が発生した。

工業ではバッグなど皮革製品の生産・輸出が盛んでTaytuブランドが育っている。これに加えて近年、衣料品工場を外国資本(中国、台湾、韓国、インドなど)が相次ぎ建設している。これはアジア諸国や隣国ケニアに比べて人件費が安いうえ、ジブチ・エチオピア鉄道の再整備で輸出用の物流インフラストラクチャーが改善されたためである。軽工業だけでなく、外資による医療機器やプリンター、自動車の生産計画もある。

アディスアベバ近郊のボレレミ、南部のハワサなどに工業団地がある。エチオピア政府は「2025年までの工業化と中進国化」を目標としている[60]。「エチオピアでの製造業(英語版)」も参照
情報通信詳細は「エチオピアの通信(英語版)」を参照

通信は国営のエチオテレコム(英語版)1社が独占しているが、2006年からZTEファーウェイといった中国企業がエチオピア全土の通信網整備を担ってきた[61]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:161 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef