エゾヤマザクラ
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若葉は赤く、開花期はまだ小さい[9][6]。また開花のころは、新葉・萼・花柄・苞・鱗片がべたつくのが特徴とされる[9]。葉の大きさは8 cmから15 cm程度の長卵型、基部は円形から心臓形で[6]ヤマザクラよりも大きい[9]。成木では裏面が白色を帯び互生している。若いものは赤い色をしているが夏には暗い緑色に変化する。葉縁は鋸状で、ヤマザクラのものよりもやや幅が広い[9]。秋になると葉は紅葉し、赤、黄色、橙色と様々に色を変える。葉には毛が少ないかなく、成木で裏面に白色を帯びることでカスミザクラと区別できる[11][14][15]

果期は6月[6]。果実は直径1 cmほどの球形で、熟すと紫黒色になる[6]。鳥が良く食するが、人間にとっては小さく目立たないため食用にはされていない[16]

冬芽は互生し、卵形や長卵形の栗褐色をした鱗芽で、8 - 10枚の芽鱗に包まれていて粘る[10]。枝先に頂芽がつき、側芽は枝に互生する[10]花芽葉芽よりも大きく、短枝につく[10]。葉痕は半円形や三日月形で、維管束痕が3個つく[10]。@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important}

花柄は無毛。葉柄の上部に蜜腺がある。

利用

比較的寒さに強いため、日本では北海道や東北地方を中心として鑑賞(花見)用や街路樹として積極的に植樹されている。サクラの中では紅葉が見事で、枝が傘状より横に広がらない広卵上であることから、関東以北では「山桜」を植樹する際にヤマザクラよりも好まれる傾向がある[11]。また日本国外でも同様に利用されており、アメリカ英国には1908年に移入された[17][18]気象庁の桜の開花予想の標本木に全国的に使われているのはソメイヨシノであるが、気候による生育問題から例外的に札幌から南西側を除く北海道ではオオヤマザクラ、沖縄県及び奄美地方はでカンヒザクラが使用されている[11]

オオヤマザクラには、葉・花柄・葉柄に毛が多いケオオヤマザクラ、花色が白いアカツキザクラ(アケボノザクラ、学名: Cerasus × compta)、枝垂れのシダレオオヤマザクラ(Cerasus sargentii f. pendula)、シダレオオヤマザクラとの中間種とされるヒダカヤマザクラ、ならびにこれらから作出された栽培品種がいくつかある[19]。ただし、サトザクラ(里桜)に比べるとこれらは栽培されることは少ない[19]

樺細工に使われる[10]
オオヤマザクラの名所・名桜

松前を除く北海道のサクラといえば本種を指すほど有名で、サクラの花見も二十四間道路の桜並木(新ひだか町)、北海道神宮(札幌市)、国泰寺(厚岸町)、有珠善光寺(伊達市)、五稜郭(函館市)、登別温泉など古くから知られた名所がある[20]

二十間道路桜並木(北海道日高郡新ひだか町)旧御料牧場の中央を走る道路に沿って植えられたもので、幅が二十間(約36メートル)あることから二十間道路と呼ばれる通りに、約3000本の桜が直線約7キロメートルに及んで咲き渡り、見渡す限り一直線に続く桜並木となっている[20][21]


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