果期は6月[6]。果実は直径1 cmほどの球形で、熟すと紫黒色になる[6]。鳥が良く食するが、人間にとっては小さく目立たないため食用にはされていない[16]。
冬芽は互生し、卵形や長卵形の栗褐色をした鱗芽で、8 - 10枚の芽鱗に包まれていて粘る[10]。枝先に頂芽がつき、側芽は枝に互生する[10]。花芽は葉芽よりも大きく、短枝につく[10]。葉痕は半円形や三日月形で、維管束痕が3個つく[10]。@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important} 比較的寒さに強いため、日本では北海道や東北地方を中心として鑑賞(花見)用や街路樹として積極的に植樹されている。サクラの中では紅葉が見事で、枝が傘状より横に広がらない広卵上であることから、関東以北では「山桜」を植樹する際にヤマザクラよりも好まれる傾向がある[11]。また日本国外でも同様に利用されており、アメリカや英国には1908年に移入された[17][18]。気象庁の桜の開花予想の標本木に全国的に使われているのはソメイヨシノであるが、気候による生育問題から例外的に札幌から南西側を除く北海道ではオオヤマザクラ、沖縄県及び奄美地方はでカンヒザクラが使用されている[11]。 オオヤマザクラには、葉・花柄・葉柄に毛が多いケオオヤマザクラ
花柄は無毛。葉柄の上部に蜜腺がある。
利用
樺細工に使われる[10]。 松前を除く北海道のサクラといえば本種を指すほど有名で、サクラの花見も二十四間道路の桜並木(新ひだか町)、北海道神宮(札幌市)、国泰寺(厚岸町)、有珠善光寺(伊達市)、五稜郭(函館市)、登別温泉など古くから知られた名所がある[20]。
オオヤマザクラの名所・名桜
二十間道路桜並木(北海道日高郡新ひだか町)旧御料牧場の中央を走る道路に沿って植えられたもので、幅が二十間(約36メートル)あることから二十間道路と呼ばれる通りに、約3000本の桜が直線約7キロメートルに及んで咲き渡り、見渡す限り一直線に続く桜並木となっている[20][21]。「日本のさくら名所100選」「日本の道百選」「新・日本街路樹100景」「北海道遺産」に選定され、毎年多くの花見客で賑わう[21]。
国泰寺の老桜樹・子野日(ねのひ)公園(北海道厚岸町)国泰寺境内には、厚岸町の天然記念物である樹齢170年を越える老桜樹(オオヤマザクラ)を見所に、チシマザクラなど約120本の桜が花開く[22]。近くの子野日公園では、厚岸湖を望み約1200本のオオヤマザクラが開花する[22]。
世界一の桜並木(青森県弘前市)「どうせ作るなら世界一の桜並木にしたい」という地元草案者のもと、1985年(昭和60年)から始まった桜並木づくり[23]。総延長20キロメートルにも渡る長い道を、オオヤマザクラを中心とした6500本もの桜が植樹され、どこまでも続く桜並木となっている[23]。
亀ヶ森牧場の一本桜(岩手県宮古市、亀ヶ森牧場内)標高800メートルの高台に広がる亀ヶ森牧場では、樹高約6メートル、幹囲約3.5メートル、枝張り約15メートルとなるオオヤマザクラが、支柱もなく枝を大きく広げた姿を見られる[24]。
西蔵王のオオヤマザクラ(山形県山形市、西蔵王放牧場内)標高600メートルの西蔵王高原に開かれた放牧場では、広い敷地内にオオヤマザクラが自生し、点在する野生のオオヤマザクラ郡を見ることができる[25]。
針山の天王ザクラ推定樹齢300年、樹高10メートル、幹回り5.2メートル、枝幅17メートルの見事な枝ぶりの巨木である[26]。群馬県の天然記念物に指定されている[26]。
極楽寺の野中ザクラ(新潟県東蒲原郡阿賀町)境内にある野中ザクラは、オオヤマザクラが天然変形したものである[27]。花は径約6センチメートル、花序ごとに2個から3個の濃紅大輪の美しい花を咲かせる。植物学上でも貴重な品種のため、国の天然記念物に指定されている[27]。
地蔵久保(じぞうくぼ)のオオヤマザクラ(長野県飯綱町地蔵久保)推定樹齢130年、樹高約20メートル、幹周り5.1メートルにもなる巨木で、花は色濃い紅紫色の鮮やかな桜を咲かせる[28]。