以下の母音は日本語にないため、注意が必要である。uは、英語のbookのooの音。唇を丸くして発音。aは、英語のcatのaの音。oは、ドイツ語のo。舌を/e/の形にして唇を丸めたもの。oは、日本語のうの音に近い。(ただし、同じではない。)uは、ドイツ語のu。舌を/i/の形にして唇を丸めたもの。
詳しい発音や、音声データはそれぞれの項目を参照。 母音の長短には短・長・超長母音の三段階の変化がある[4]。また、ウラル語族の特徴である母音調和は現在は消失している。 b, d, gと p, t, kはそれぞれ同じp, t, kの音をあらわす。例)paar
長短
子音
鼻mn[n?]
破裂短pt[t?]k
長子音[p?][t?][t??][k?]
摩擦無声短fs[s?]?[h]
有声短v
長子音[f?][s?][s??][??][h?]
接近l[l?]j
震えr
語頭のhは読まない話し手も多い。また、?と?はともに[??](無声後部歯茎摩擦音、英語のsh)をあらわし、?は「長く」、?は「短く」発音する(pとbの違いと同じ)[6]。
また、jはドイツ語などと同様に/j/をあらわす(ヤ行の音)[4]。 <促音>
例
lopetama
naitus (ナェイットゥス) 展示
paasuke (パェースッケ) 燕
<超長母音>
vaatama (ヴァーッタマ)見る
raakima (ラェーッキマ)話す
Euroopa(エウローッパ)ヨーロッパ
vaate(ヴァーッテ) ←vaade(ヴァーテ)の属格形
文法詳細は「エストニア語の文法(英語版)」を参照
名詞に性はないが、単数と複数の数をもち、また14の格変化を有する。形容詞は名詞同様に数および格変化を有する。対格を持たず、直接目的語は属格あるいは分格によって表す。直接目的語は否定文においてはつねに分格となる。肯定文におけるこの区別は動詞の相における完了相と不完了相の対立におおまかに対応しており一般に可算である個体に対しては属格、非可算な非個体に対しては分格を用いる。また動詞の不定詞は2つあり-ma不定詞と-taまたは-da不定詞が存在する。 エストニア語の名詞はさまざまな格変化をする。また、属格は必ず終わりが母音で、分格は終わりが母音、もしくは子音のt,dである[7]。
名詞
格変化
このうち、場所をあらわす格は六種類ある。詳細は以下の表を参照。
場所格の変化中上
?へ-sse(入格)-le(向格)
?で-s(内格)-l(接格)
?から-st(出格)-lt(奪格)
ただし、「中」、「上」というのはあくまで目安のようなものである。また、以上の語尾は全て単数属格形につける[10]。 人称代名詞[11]単数複数 カッコ内は強勢のない短形と呼ばれる形。反対に、入っていないものを長形という。また、3人称には英語やドイツ語のような男女の区別はない。 動詞の-maで終わる形を不定詞という。-maを取り除いた形を不定詞語幹という[11]。 エストニア語は主語の人称によって動詞が変化する。ここでは、動詞elama 動詞の活用(直接法現在)[12]単数複数 不定詞語幹に「-」以下の部分をつけると、文が成立する。また、エストニア語の現在形は非過去をあらわすため、未来のこともあらわす[13]。 エストニア語の英語で言うbe動詞に当たるもの(コピュラ)はエストニア語ではolema
人称代名詞
1人称mina(ma)meie(me)
2人称sina(sa)teie(te)
3人称tema(ta)nemad(nad)
動詞
1人称ela-nela-me
2人称ela-dela-te
3人称ela-bela-vad
olemaの活用(直接法現在)単数複数
1人称ole-nole-me
2人称ole-dole-te
3人称onon
また、否定形を作る際は否定の小詞「ei」を動詞の前に置く。例)Ma olen eestlane. → Ma ei ole eestlane.(私はエストニア人です→私はエストニア人ではありません[14]。)
ただし、ei oleに限っては、特殊な否定形poleを代わりに使用することもある[14]。
動詞の活用(直接法過去)[15]単数複数
1人称ela-si-nela-si-me
2人称ela-si-dela-si-te
3人称ela-sela-si-d
以上のように、elamaという動詞は人称語尾の直前に-si-をつけている。これはエストニア語の動詞の多くが持つ特徴である[15]。(ただし、olemaはsiの代わりにiを使う。)
脚注[脚注の使い方]^ a b 松村、宮野(2012)p.12
^ a b 松村、宮野(2012)p.13
^ a b 松村(1999)p.i
^ a b 松村(1999)p.iv