本作に対する批評家の評価は芳しくない。映画批評集積サイトRotten Tomatoesには169件のレビューがあり、批評家支持率は28%、平均点は10点満点で4.8点となっている。サイト側による批評家の意見の要約は「ところどころ面白いシーンがあり、叙事詩的映画としても相応の物だが、『エクソダス:神と王』は古典的題材を十分に生かし切れていない。」となっている[17]。また、Metacriticには41件のレビューがあり、加重平均値は51/100となっている[18]。
ハリウッド・リポーターのステファン・ファーバー
は本作に好意的な評価を下し、「リドリー・スコットは2000年に公開されてアカデミー賞を受賞した『グラディエーター』でローマの叙事詩を見事によみがえらせた。このエジプトの物語は『グラディエーター』と同じ水準であるとは言い難い。しかし、ワイドスクリーンの映像を見て監督の才能が確かなものであることはわかる。3Dという技術の力を借り、目を見張るようなセットがあるので、アドベンチャー映画のファンを楽しませるには十分な映画だといえる。」と述べている[19]。いくつかの団体及び人物が、白人ではないモーセやヨシュアを白人の俳優が演じることに対して抗議している。シドニー・モーニング・ヘラルド上において、運動家のターリク・ナッシュウィード
は「本作は古代オリエントを舞台としている。それにもかかわらず、古代オリエントの神々や王を演じている全員が白人の俳優で、盗賊や奴隷のような低い身分のエジプト人を演じている全員が黒人の俳優なのはおかしい」と抗議した[20]。また、Twitter上で、本作でセットとして用いられているギザの大スフィンクスの復元像の鼻がヨーロッパ的であると指摘されている[20]。クリスチャントゥデイは、本作に隠された人種差別に抗議する人々が、ネット上で、本作の鑑賞をボイコットする運動を起こしていると報じている[21]。また、「ピラミッドやスフィンクスの建設はユダヤ教の祖とされるアブラハムが現れる時代よりも500年以上前であるのに、それらをユダヤ人奴隷が建設したことになっている」「ユダヤ人がエジプトを脱出する際に海が真っ二つに割れるのが、モーゼの奇跡ではなく地震によるものとされている」といった点が歴史的に誤っているとして、エジプトとモロッコでは本作の公開が禁止となった[22]。
出典^ a b c “Exodus: Gods and Kings” (英語). Box Office Mojo. 2015年1月29日閲覧。
^ 「キネマ旬報」2016年3月下旬号 45頁
^ “エクソダス:神と王”. ふきカエル大作戦!! (2015年1月29日). 2015年1月30日閲覧。
^ a b c d “ ⇒映画『エクソダス:神と王』日本語版で杏がモーゼの妻役に”. ぴあ映画生活. 2014年12月17日閲覧。
^ アラビア語ではガッサーン・マスウードだがGhassan Massoudのファーストネーム部分読み間違いによる「ハッサン・マスード」表記が多い。
^ “ ⇒Christian Bale Eyeing Moses?”. 2014年8月2日閲覧。
^ “ ⇒‘Exodus’ Confirms Christian Bale as Moses, Casting Joel Edgerton as Ramses”. 2014年8月2日閲覧。