エイリアン_(映画)
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1978年2月[18]、ライバーソンの仲介でラッドと面接したスコットは正式に監督として契約を結んだ。当初組まれた予算は420万ドルに過ぎなかったが、スコットは自ら絵コンテを描いて会社と交渉し、850万ドルの予算を勝ち取った[28]。またパラマウントに対しては『トリスタンとイゾルデ』の企画から手を引くことを告げた[29]
配役

キャスティングの選考はアメリカで行われ、スコットとキャロルが面接した。通常このようなSF映画にはB級俳優を配するのが普通であったが、スコットは個性的な役者を集めることで一段高い演出を目指した[30]。SF映画に出ることを懐疑的に思った俳優を引き止めるようなことはせず、ウィリアム・ハートジョン・ハードサム・エリオットデビッド・ワーナーロディ・マクドウォールブライアン・デネヒーは出演を見合わせた。シャセットの意向で、多国籍的な雰囲気を出すため配役のうち2人(ハートとホルム)はイギリス人となった[31]
リプリー
彼女の役の選考は難航した。キャスティングディレクターのマリー・ゴールドバーグは候補として二人を挙げていた。一人目がメリル・ストリープである。しかし彼女は婚約者のジョン・カザールを亡くしたばかりであり、キャロルは出演依頼を断念した。もう一人の候補がシガニー・ウィーバーである。彼女は『アニー・ホール』やイスラエルのドラマ『Madman』に端役で出演した程度で、当時ほぼ無名であった。シェイクスピアを目標にブロードウェイで活動し、マイク・ニコルズウディ・アレンとの仕事を望んでいた彼女にとって、SF映画への出演は興味をそそられる物ではなかった。彼女は面接当日に建物を間違え、遅刻するという失敗も犯している[32]。脚本を読んだ彼女の感想は一言「地味な感じ」であり、その素っ気無い態度に「役が欲しくないのか」とスタッフを不思議がらせたほどであった[33]。シェパートン・スタジオで行われたスクリーンテストはおおむね満足のいくものであったが、不安だったラッドはフォックス社内から秘書や管理職など5 - 6人ほどの女性を呼び集めて映像を批評させた。彼女たちはジェーン・フォンダフェイ・ダナウェイの名を挙げてウィーバーの演技を賞賛し、手ごたえを感じたラッドは彼女をリプリー役に抜擢した[34][33]。ギャラは3万ドルであった[34]
ダラス
トム・スケリットはダラス役として読み合わせが行われており、出演もスムーズに決定した[31]。当初の案ではリプリーと恋人同士であったが、「怪物がうろついている状況でラブロマンスを展開するなどありえない」と考えたスコットにより変更された[35]
ケイン
役には当初からジョン・ハートが考えられていたが、別の映画に出演したため、ジョン・フィンチが抜擢された。しかし、フィンチは糖尿病を患っており、撮影初日に体調を崩したため降板した[31]。一方、ハートは撮影先である南アフリカ共和国に入国を拒否され、映画そのものが中止となっていた。これは当局が反アパルトヘイト活動をしていたハードとハートの名を取り違えたのが原因とされている[33]。スコットより説得を受けたハートは予定通りケイン役を演じることになった。後にハートは『スペースボール』に同じ役でカメオ出演し、宇宙のファーストフード店で、食事中に体内に寄生していたエイリアンに腹を食い破られた男という設定でセルフパロディを演じている。この時は「またか」と嘆いている上に、「Himself(本人)」とクレジットされた。
アッシュ
イアン・ホルムはシャセットの意向によって加えられたイギリス人の一人となった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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