エイリアン_(映画)
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現場ではアントン・ファーストがレーザーを使った演出を担当した[33][注 15]
スペースジョッキー
冒頭に登場する化石化した異星人「スペースジョッキー」はロンドンのシェパートン・スタジオで撮影した。全長8メートルあるこの異星人は、映画の冒頭でいきなり得体の知れない恐怖感を煽る重要な役割を果たしたが、その後のプロットに直接的には関係がないうえに製作費がかかりすぎることから、20世紀フォックス側はスコットに登場シーンをカットするべきだと進言したが、彼は断固拒否し、最終的には製作が決定した。スコットのほか、ギーガーを異常だと評したキャロルもこの時には彼の腕を認めるようになっており、賛成に廻っている[78]。製作には50万ドルが費やされた。スペースジョッキーは石膏で造った原型を透明ポリエステルで型取りし、表面はラテックスで仕上げられている。望遠鏡や砲台のような部分は発泡スチロールと発泡プラスチックで造られた[56]。また、ギーガーがすべての塗装を直接エアブラシで手掛けるほどこだわっていた。この場面ではプロップを大きく見せるために、宇宙服姿のノストロモ乗員は子供が演じている。因みに演じた子供の内2人はスコット監督の実の子供(ジェイクとルーク)で、それぞれがダラスとケインを演じている。ランバートはカメラマンの子供が演じた[79][41]
エッグ
エッグは当初オーソドックスな鶏卵の形でデザインされ、卵を保持する台座はスイスの卵パックの形状をそのまま流用していた[80][81][注 16]。次に改められたデザインは完成稿に近かったが、卵の開口部は女性器を模しており、陰核陰唇にいたるまで作りこまれており、その露骨な形状にスタッフからは苦笑が起こったほどであった。結局開口部は十字型に変更され、花のように開く仕組みとなり、そのキリスト教的な暗示が含まれたようなデザインはスタッフの好評を得た。エッグは当初6個のみ製作される予定だったが、ギーガーの主張もあり最終的には130個が製作された。フェイスハガーが収まる「主役」のエッグは石膏の原型を元に、開口部はラテックス、本体は透明ポリエステルで作られた。開口部は油圧で動作し、内部には新鮮なの内臓が、フェイスハガーが飛び出すシーンには長さ12mのの腸が使用されている[82]。背景となるその他のエッグは石膏もしくはポリエステルで製作されている[83]。一部のシーンはカメラを置く関係から、逆さまにして撮影された。ケインにフェイスハガーが襲い掛かるシーンの直前で、エッグから滴る水が上へ登るのはこのため。エッグの中で蠢くフェイスハガーのシルエットは、スコット自身が手にゴム手袋をはめて再現している[84][33]
フェイスハガー
最初の構想では卵から尾をバネのように使って飛び出す機能を持っており、ギーガーは「邪悪なビックリ箱」と名づけていた。当初のサイズは人間の上半身ほどもあったが、何度かの改稿を経て人の頭を覆う程度の大きさに落ち着いた[85]。美術スタッフのロジャー・ディッケンは気難しい性格でギーガーのデザインを受け入れず、「不快なほどに発育不全」と評した[86]。この評価に憤慨したギーガーはフェイスハガーの造形を自ら買って出作業に取り掛かったが、上からエイリアン本体の製作に取り掛かるよう命じられたため、結局フェイスハガーとチェストバスターの造形はディッケンの担当となった[87]。フェイスハガーの作業にはシャセットも携わった。彼はギーガーのデザインを元に立体化作業を開始したが、本体と指の繋がり方に悩み行き詰まった。助けを求められたコッブは短時間でフェイスハガーの仮想の骨格を書き上げ、造形作業を助けた[33]。着色の段階になり「人間の肌の色をした異星生物は斬新ではないか」と考えたシャセットの提案により、そのままの色で完成となった[33]。死んだフェイスハガーの内側を観察するシーンでは、プラスチックで作った外殻に新鮮なカキハマグリの身を敷き詰めて生々しさを表現している[33]
チェストバスター
デザインにあたり、スコットはギーガーにフランシス・ベーコンの『キリスト磔刑図のための3つの習作』を参考にするよう要請したが、これを受けて上がってきたデザインは「退化した丸裸の七面鳥」と形容されるものであった[88][89]
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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