エイリアン_(映画)
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恐るべき事態が発生したことを認識した乗組員達は船内を捜索するが、その間に脱皮し、より大型に成長したエイリアンは機関士のブレットを襲い、通気口へ身を潜める。乗組員達はアッシュのアドバイスに従い、エイリアンをエアロックへ追い込み、宇宙空間へ放出する事に決定。追い立てるためにダラスが単身通気口に進入するが、エイリアンの能力は彼らの想像を遥かに上回っており、返り討ちに遭う。

船長を失った一同は団結力を失う。リプリーと機関長のパーカーはダラスの立てた作戦を続行しようと主張するが、ランバートは船を棄てて脱出艇で逃げることを提案する。しかし、脱出艇に4人全員が乗ることはできなかった。そんな中、リプリーは議論に参加しないアッシュの態度に疑念を抱き、直接マザーに詳細を問いかけるが、科学主任のみ閲覧可能と拒否される。悪い予感に苛まれながら秘密解除の操作を行って命令を確認すると、会社が秘密裏に「生きているエイリアンの捕獲と回収」を最優先事項としていたこと、さらに「乗組員の命が犠牲となってもやむを得ない」とプログラムされていることを知り、アッシュに怒りをぶつける。

真相を知ったリプリーにアッシュが襲いかかり殺害しようとするが、駆けつけたパーカーとランバートが阻止し、アッシュは「破壊」された。彼の正体は、会社が乗組員たちを監視するために送り込んだアンドロイドであった。リプリー達はアッシュを応急修理して尋問したところ、会社は最初からエイリアンの捕獲と回収を目的として乗組員を雇っており、その為にはいかなる犠牲も顧みないつもりであること、エイリアンは「完璧な生命体」であり、生き延びられる可能性はないと告げた。

もはや会社との契約を守る意義のなくなったリプリー、ランバート、パーカーの3人は本船を切り離して自爆装置で爆破し、脱出艇で逃れて救助を待つ計画を立てる。しかし、彼らが二手に分かれて脱出の準備をしている間に、エイリアンは通気口から這い出ており、ランバートとパーカーに襲いかかる。悲鳴を聞いたリプリーが駆けつけるが、そこには2人が無惨な姿で残されていた。

たった1人残されたリプリーは、深い悲しみと恐怖に襲われながらもノストロモ号の自爆装置を起動し、猫のジョーンズを連れて脱出艇に乗り込もうとするが、その入口を目前にして通路上にエイリアンがいることに気づく。大慌てで脱出を中断し、自爆装置の解除を試みるが僅差で間に合わず、カウントダウンは止まらなかった。決死の覚悟でリプリーは脱出艇の入口に戻るが、そこには誰もいなかった。エイリアンが通路から立ち去っていることを何度も確認し、ジョーンズと共に脱出艇へ搭乗、ただちに発進させる。直後にノストロモ号は大爆発し、全ては終わったかに思われたが…。
登場人物
アーサー・ダラス(Arthur Dallas)
役:
トム・スケリットノストロモ号船長。リーダーシップはあるものの、雇用主である会社の命令には良くも悪くも忠実で、そのことが原因でリプリーやパーカーと口論になることもあった。エイリアンを退治する為に自らダクトに潜入する役を買って出るが、狭いダクトの中で身動きに苦心する中、エイリアンに襲われ行方不明となる。ディレクターズ・カット版では自爆直前にはまだ生きており、船の下層でブレットと共ににされていた。殺してくれとリプリーに懇願し、火炎放射器で焼かれ死亡。
エレン・リプリー
役:シガニー・ウィーバー二等航海士[注 3]・通信士。ダラスとケインが船外にいる場合や彼らが死亡した後は、彼女がノストロモ号の指揮を代行する。ジョーンズという名の船乗り猫)を船内に連れ込んでいる。責任感が強く行動力もあり、乗組員の中で唯一生き残る。シリーズを通じての主人公であるが、本作では最後の生き残りとなって船から脱出する終盤までは主人公らしい描写は少なく、出番も含めてやや控えめに描かれている。
ジョーン・ランバート(Joan Lambert)
役:ヴェロニカ・カートライト二等航海士・操舵手。脱出艇で地球圏へ逃れて救助を待つ計画を提案する。アッシュに襲われたリプリーを介抱し、彼にとどめを刺した。脱出艇の発進準備中にエイリアンに遭遇し、恐怖で身動きが取れなくなったところをパーカーと共に殺された。ディレクターズ・カット版では、リプリーが自分達を入船させようとしなかったことに怒り、彼女に掴みかかって平手打ちをするシーンがある。
サミュエル・ブレット(Samuel Brett)
役:ハリー・ディーン・スタントン機関士。パーカーの相棒で、何に対しても「そのとおり(right)」と返すのが口癖で、話し合いの際にもパーカーの意見にこの口癖で追従するか相槌を打つ事しかしない為、リプリーに「まるでオウムね」と呆れられていた。ジョーンズを捜している最中にエイリアンの抜け殻を発見する。その直後に成体となったエイリアンに襲われ連れ去られる[注 4]。ディレクターズ・カット版ではダラスと同様に繭にされた姿で発見されるが、もはや原形をとどめておらず、既にエイリアン・エッグになり始めていた。最期はダラスと共に火炎放射器で焼かれた。
ギルバート・ケイン(Gilbert Kane)
役:ジョン・ハート副長、一等航海士。船外活動でエイリアン・エッグに近づき、フェイスハガーに寄生される。最期はチェストバスターにより胸部を食い破られ、エイリアンの最初の犠牲者となる。遺体は宇宙葬にされた。
アッシュ(英語版)(Ash)
役:イアン・ホルム科学主任、地球への復路に出発する2日前に急遽前任者と交替した。フェイスハガーの分析を行ったほか、エイリアンを発見するための動体探知機(モーション・トラッカー)を作製したが、エイリアンへの対応は常に後手に回り、乗組員たちが命を落とす結果となる。物語終盤でウェイランド・ユタニ社の意を受けたアンドロイドである事が判明、会社の真の目的を知ったリプリーを殺害しようとするも駆けつけたパーカーによって破壊される。修復後に受けた尋問でエイリアンを「生存のため、良心や後悔に影響されることのない完璧な有機体」と称え、最期にリプリー達へ(生存の可能性がない事への)同情の言葉を放つと共に不気味な嘲笑を浮かべて完全に機能停止し、パーカーによって火炎放射器で焼却された。『2』によれば型式は「ハイパーダインシステムズ・120-A/2」。


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