エイリアン2
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終盤の大気製造工場から脱出するシーンで爆発間際に青いプラズマが走る様子は、『ターミネーター』でタイムスリップした際に見られた描写と酷似しているが、これは『ターミネーター』で使用した電極を本作で再使用したためである[7]

エンドロールが全て流れ終わった後、フェイスハガーが歩きまわるような音が流れ、ここで物語が終わりではないことを示唆している。

クライマックスの格闘シーンで、リプリーがパワーローダーの溶接トーチを使った際にクイーンが激しく吼えるが、この際内部の骨組みが見えてしまっている。また、エアロックに落ちてパワーローダーの下敷きになったクイーンの尻尾の先がなくなっている。

終盤のエイリアン・クイーンの巣から助け出したニュートをリプリーが抱えて歩くシーンでは、顔がアップになるカットを除いて軽量のダミー人形を使用している。これはリプリー役のシガニー・ウィーバーが本作以前に出演していた別の映画の撮影中に背中を負傷し、その怪我が治らないまま本作に出演していたため、常に腰と背中に激痛を覚えながら演じていた事へ配慮したためである。なおこの人形の型は、後に『エイリアン3』で死亡したニュートの解剖シーンの屍体ダミー製作に再利用された。

バスクエスがダクト内でエイリアンの頭をハンドガンで撃ち抜くシーンを演じたのは、プロデューサーのゲイル・アン・ハードである。これは実弾を使っての撮影だったが、肝心のバスクエス役のジェニット・ゴールドスタインが一度も実銃を使用した事が無かった[注 28]為に急遽代役を使う事になり、スタッフと監督が話し合いを行った結果、実銃を使った経験を持つハードに白羽の矢を立て、彼女も渋々承諾し撮影を行った。また、現場では常にスーツ姿だったハードが髪を切ってバスクエスの姿でやってきた際は、あまりの変わり様にスタッフや出演者を大変驚かせたという[8]

APCの車内と車外のシーンは別々に撮られており、車体は空港旅客機牽引車として使用されている「ハンスレット・ATT77」の廃車予定のものを調達し、外装を改造して使用した。しかし廃車寸前ということもあって、撮影中に暴走して定点カメラを破壊したり、スタッフを轢きそうになった他、降下艇の降下シーンにおける車内の撮影中には、天井の鉄板が抜け落ちてゴーマン役のホープを直撃したり[注 29]、火災シーンでは、燃えた塗料から発生した有毒ガスで出演者たちが窒息しかけるなど、アクシデントが絶えなかった。

降下艇は、実物大として作られた部品は全てイギリス空軍で解体処理された爆撃機と、廃車になったキャンピングトレーラーの部品を組み合わせて作られたことを、当時製作に携わったスタッフが語っている[8]

作品冒頭に登場する脱出艇ナルキッソスは前作で使用したものを流用しようとしたが、プロップ・設計図共に行方不明となっており、いくら探しても見つからなかったため、機内のセットも含めて一から作り直している。また、ナルキッソスが登場するのは冒頭のシーンであるが、撮影は最後に行われた。

ビショップがクイーンに攻撃を受けた際に吐き出す白い血液は牛乳を使用しているが、既に消費期限の過ぎた古いものだったため、演じたランス・ヘンリクセンは腹を壊してしまい憤慨したという。

エイリアンの巣のシーンは、ロンドン近郊にあった廃発電所を使用した。撮影終了後セットを撤去しないまま引き上げたため、後年『バットマン』の撮影で同地を使用した際もそのままであり、中に入った同作スタッフを仰天させたという[9]

ディレクターズ・カット版に登場するアマンダの晩年の顔写真は、ウィーバーの母であるエリザベス・イングリスのものを使用している。

クイーンが船外に放出された後、切断されたビショップがニュートを助けるシーンで、下半身を入れる穴が見えてしまっているが、ブルーレイ版でデジタル修整された。

ニュート役のキャリー・ヘンは、本作が唯一の映画出演作である。ヘンは現在小学校教師を勤めており、2016年に行われた公開30周年イベントでは、今でもファンがサインを求めに来ることがあると語っている[10]。また、完全版で兄ティモシー役を演じたクリストファー・ヘンは彼女の実兄である。

本作でLV-426に送られた植民地海兵隊は新米将校で実績が浅いゴーマン中尉を始めとして、隊員たちも個々の戦闘能力は高いがゴーマン中尉の命令に従順でないなど、重大事件への対処を目的としている割には大きな問題がある。その理由について、続編の『エイリアン3』でリプリーは、バークがエイリアンを生物兵器として持ち帰るために護衛として送ったもので、生死は問わない捨て駒同然であったと推測している。また、隊員たちはリプリーからエイリアンの血が強酸であることを事前に聞いているにも関わらず、防護服などの対策を全く行っておらず返り血での犠牲者が多発していたが、これも次作では兵士が全身を覆う防護服を着るように改善されている。

関連作品

本作と関連するコミックとノベルで『Aliens: Earth Hive』とその続編『Aliens: Nightmare Asylum』と『Aliens: The Female War』がある。両方の作品に登場する植民地海兵隊のウィルクス伍長とコロニー唯一の生き残りの少女ビリーは元々本作のヒックス伍長とニュートを意図し、アンドロイドのブレーラーはビショップを意識している。その為、『Aliens: Nightmare Asylum』と『Aliens: The Female War』ではリプリーが再び惑星LV-426に行き、ウィルクスとビリーと出会って一緒に地球で活躍するなど、エイリアン2の続編的な内容にもなっている。エイリアン3が制作される前に書かれたこの作品は当初ウィルクスとビリーはヒックスとニュートの設定であった。しかし、エイリアン3ではヒックスとニュートは最初から死亡しており、舞台も惑星LV-426と地球とは関係ない流刑惑星と言う設定にされた為、この混乱を避ける為に、ヒックスとニュートとビショップはウィルクスとビリーとブレーラーの名前に取り替えるなど変更がなされた。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 未公開シーンではあるが、後にエイリアンの繭にされた状態で再登場する事から、この段階では殺害されていなかった設定である。
^ ビショップ曰く欠陥品であったらしい。
^ 吹き替え版によっては「ヒューマノイド」や「アンドロイド」と自称している。
^ 大きく広げた手の指の間を高速で突き立てていくもの。
^ 脱出の際、ヒックスが放ったショットガンに撃たれ死亡したエイリアンの返り血を左腕に浴びて負傷している。
^ ノベライズ版では直後にヒックスが「繭にされるよりマシだ」とハドソンが引きずり込まれたダクトに向かってパルスライフルを乱射して介錯しようとしていたが成功したのかは不明。
^ a b 特別編では車に無理矢理入ろうとしたエイリアンにショットガンで発砲するシーンの「これでも食らえ!!」というセリフでハドソンと間違えられて牛山茂に吹き替えられた。
^ a b マガジンを取り上げられるシーンで「何だって?正気かよ!!」と異議を唱える台詞をヒックスと間違われ、森川智之に吹き替えられている。


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