エイリアン2
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1986年のアカデミー賞では視覚効果賞、音響効果編集賞を受賞。2009年イギリスの雑誌『エンパイア』が発表した「史上最高の続編映画」で1位に、2014年に情報誌『タイム・アウト(英語版)』ロンドン版にて映画監督、作家、科学者や評論家150名が選定した「SF映画ベスト100」にて第5位にランクインした[3]

キャッチコピーは「This time it's war.(今度は戦争だ)」。
ストーリー(完全版のみ収録の場面も含む)
序盤 - 惑星LV-426へ向かうまで
前作でノストロモ号の惨劇から唯一生存した航海士、
エレン・リプリーの乗った脱出艇は、地球周回軌道付近の宙域で偶然発見、救助される。宇宙ステーション内の病院で長期間のハイパースリープから目覚めたリプリーは、ウェイランド・ユタニ社の社員バークから、57年間も宇宙を漂っていたこと、そして当時11歳になろうとしていた娘アマンダが2年前に自分より先に他界したことを告げられる。会社の査問会でノストロモ号を爆破した責任を問われたリプリーは、任務中にエイリアンと遭遇したことを主張するが、証拠不足のため誰からも信用してもらえないばかりか、長期間に及ぶハイパースリープの影響で精神異常を起こしていると疑われ、結果航海士資格を無期限停止にされてしまう。実は、ノストロモ号が着陸したレチクル座ゼータ第2星系の小惑星「LV-426」は、20年前からテラフォーミングが行われており、すでに多くの入植者たちが居住していた。リプリーは倉庫で作業員として働くことになったが、毎晩チェストバスターが自分の胸を突き破る悪夢にうなされる。やがてLV-426からの連絡が途絶え、入植民157人が消息不明となった。調査のため植民地海兵隊が派遣されることとなり、リプリーは航海士としての復帰と引き換えに、戦略アドバイザーとしてバークと共に同行して欲しいと持ちかけられる。当初は断ったリプリーだったが、毎晩繰り返される悪夢と己のトラウマに決着を付けるべく「エイリアンの研究や持ち帰りはせず、殲滅させるのみ」という条件付きで同行を決意する。
LV-426へ出発 - エイリアンとの初戦闘まで
海兵隊の宇宙戦艦スラコ号に同乗し、隊員達と共にLV-426に向かうリプリー。航行中、乗組員のビショップがアンドロイドだと知り、かつてノストロモ号で自分達を殺そうとしたアッシュのことを思い出して露骨な不快感を示す。海兵隊員との作戦会議の際、リプリーはエイリアンの危険性を必死に訴えるが、ほとんどの隊員は危機感もなく、冗談混じりに茶化すばかりであった。一同はスラコ号から発進した降下艇でLV-426に降着。地表に降り立ち、装甲兵員輸送車(APC)でコロニーの施設へと潜入する。そこには奇妙な状態で破壊された廃墟と、入植者たちの残した抵抗の跡があった。医務室の実験用カプセルには生きたフェイスハガーも保存されており、入植者達がエイリアンと接触していた事が判明するが、人影はどこにもなかった。捜索のさなか、一行はニュートと名乗る少女を保護する。ニュートは通風管の中を逃げ回り、ただ1人生き延びていたのであった。環境システム施設内からの多数の生命反応の受信に成功した海兵隊は、APCで現場に急行する。しかしそこは、既にエイリアンの巣窟と化していた。しかも、惑星大気改造用の大気製造プラントの誘爆を避けるため、隊員はパルスライフルの発砲を禁じられてしまう。すでに繭にされた入居者が多数おり、中にはまだ生存している者もいたが、その腹から飛び出したチェストバスターを倒した直後、現れたエイリアンの大群の奇襲を受け、隊員は次々に犠牲となっていき、部隊を率いていたエイポーンもエイリアンの餌食となってしまう。現場は大混乱に陥り、APC内から指揮を執っていたゴーマン中尉はパニックで硬直、見かねたリプリーが強引にAPCを運転して救助に向かう。辛うじて現場からの撤退に成功した隊員はヒックス、ハドソン、バスクエスの3名だけであった。その後リプリーは、スラコ号への撤退と核攻撃で惑星ごとエイリアンの殲滅を行うべきだと主張。バークは反対するが、撤退の際に頭部を強打し気絶したゴーマン中尉に変わり、指揮権を引き継いだヒックスはリプリーの提案を受け入れる。しかし、一同の回収に向かった降下艇内にもすでにエイリアンが潜入しており、それに気づかず離陸したパイロットたちが襲われると、降下艇は墜落しAPCを巻き込んで爆散してしまう。
LV-426基地内での籠城 - バークの企み
リプリー達は残った武器を集めてコロニーの司令室内にバリケードを築き、通路にセントリーガンを設置して救助が来るまでの篭城を試みる。しかし、墜落した降下艇の爆発により環境システム施設の電気系統と核融合炉の冷却システムが停止したため、4時間後に大爆発することが判明する。スラコ号から予備の降下艇を遠隔操作で誘導するべく、唯一その操作ができるビショップが単身パイプ内を移動して通信施設へと向かう。その間、セントリーガンでエイリアンの大群の撃退に成功した一同はひと時の休息を得て、リプリーはニュートに寄り添い仮眠を取るが、実験用カプセルから出てきたフェイスハガーの襲撃を受けてしまう。枕元に置いたはずの銃が隣の部屋に移動されている事から、リプリーはこれが人為的な状況だと悟ると、火災報知機を作動させて助けを呼び、駆け付けたハドソンらが間一髪でフェイスハガーを撃退する。2人が襲われたのは、密かにエイリアンを持ち帰ろうとするバークの企てであり、エイリアンの扱いで意見が対立したリプリーをニュートもろともフェイスハガーに襲わせ、エイリアンを寄生させようとしたのだった。
コロニー内での戦闘 - スラコ号への脱出
バークの卑劣な企みに一同は激怒し、ヒックスはバークを処刑しようとまでするが、その時突然電源が切られ、天井裏から忍び込んできたエイリアンたちが大挙して襲撃して来た。まずハドソンが犠牲となり、どうにか医務室に退避しようとする一同だが、バークが1人で先に立て篭り鍵を閉めてしまう。しかし、バークが逃げ込んだ先にもエイリアンが入り込んでおり、餌食になる[注 1]。行き場を失ったリプリーたちは、ニュートの案内で通風管の中を伝って必死に逃げる。後衛のバスクエスが銃で迎撃するが、近距離でエイリアンを撃ったために足に強酸の返り血を浴びて動けなくなる。救出に戻って来たゴーマン中尉の拳銃も弾が尽き、狭い通風管の中で前後をエイリアンに挟まれると、追い詰められた2人は手榴弾で自爆する。その爆風でニュートがダストシュートに落ちてしまい、あらかじめ彼女に渡していた発信器を頼りに救出に向かうリプリーとヒックスだが、わずかに間に合わず、ニュートはエイリアンに拉致されてしまう。さらにヒックスもエイリアンの返り血で負傷、なんとかビショップと合流し、遠隔操作で誘導した降下艇にヒックスを乗せると、リプリーは自分が戻るまで脱出しないようビショップに言付け、自らは武器を取りニュートの救出にエイリアンの巣へと単身引き返す。そして、ニュートが繭にされる直前に救出する事に成功するが、帰還途中にエイリアンの卵を産み続けるエイリアン・クイーンの巣に入り込んでしまうと、リプリーは火炎放射器やありったけの弾丸で巣を火の海にする。これに激怒し、産卵管を切り離して追撃してくるクイーンの手を逃れ、辛くも降下艇に逃げ込んだリプリーたちはLV-426から脱出、軌道上のスラコ号への帰還に成功する。
クイーンとの対決 - エンディング
スラコ号のデッキに降り立ったリプリーは、ビショップに感謝を伝える。しかし、降下艇の格納脚にしがみついていたエイリアン・クイーンがビショップを尻尾で串刺しにし、真っ二つに引き裂く。クイーンはニュートに襲いかかろうとするが、リプリーはパワーローダーに乗り込んで肉弾戦を展開し、辛うじてエアロックからクイーンを宇宙空間に放逐する事に成功する。あわや船外へ吸い出されそうになり、上半身だけのビショップに支えられていたニュートは、リプリーを「ママ」と呼び抱き合う。その後、生存者一同はハイパースリープに入るのであった。
登場人物・キャスト
民間人
エレン・リプリー
演 - シガニー・ウィーバーノストロモ号唯一の生存者。ハイパースリープ中に地球を通り過ぎてしまったことが原因で長期に及ぶ漂流を強いられ、娘のアマンダ・リプリー(英語版)とは再会することなく死別、2等航海士の資格を無期限停止にされた後はパワーローダーの2級免許を取得し、倉庫での荷役作業で生計を立てていた。LV-426の植民地との連絡が付かなくなったことを知り、一度は調査への同行を拒否するものの、前作の悲劇によって刻み込まれたトラウマと向き合うため、再びエイリアンとの戦いに身を投じることになる。リプリーがノストロモ号から連れてきた猫のジョーンズも共に生還し、彼女とアパートで暮らしていたが、LV-426に向かう際に別れて以降は登場しない。
ニュート(Newt)
演 - キャリー・ヘン開拓団唯一の生き残りの少女。本名はレベッカ・ジョーダン(Rebecca Jorden)。ニュートとはイモリを意味するあだ名で、本名は兄のティモシーしか使わない。最初はエイリアンに襲われた恐怖から心を閉ざし、諦めていたが、リプリーとは交流を通じて親子のような情で結ばれ、リプリーをママと呼んで慕うほどとなる。年齢の割に大人びたところがあり、海兵隊が守ってくれると言われても「どうせみんな殺される」と発言したり、「ケイシー(人形)はただのプラスチックだから夢を見ない」と言っている。
ビショップ(英語版)(Bishop)
演 - ランス・ヘンリクセン医務担当アンドロイド。APCの運転も担当し、また降下艇の操縦資格も持つ。当初は前作で同じくアンドロイドのアッシュが事件の一端を担っていたことからリプリーに嫌悪されるが、アッシュの凶行は古い型の不具合[注 2]によるものであり、最新型である自分は行動抑制装置により人間を攻撃する事は出来ないので、何ら問題ないと説明する。人間ではないが恐怖心は持ち合わせている模様。「ロボット」と呼ばれることを好まず、「シンセティック(合成人間)」と自称している[注 3]。ナイフを使った曲芸[注 4]が得意で、劇中でハドソンの手に自分の手を重ねて人間離れした速さで行っていた。この時に珍しく手を傷付け、白い血液をリプリーに見られアンドロイドだと発覚する。エイリアンクイーンとの死闘を終えた後、リプリーに対し「人間にしては上出来だ」と賛辞を送る。
ラス・ジョーダン(Russ Jorden)
演 - ジェイ・ベネディクトニュートの父。完全版のみ登場。一家で入植地の遠くにある異星人の遺棄船を探索中に、フェイスハガーに寄生されてしまい、娘のニュートを除く同惑星の住民が全滅する引き金を作る。
アン・ジョーダン(Anne Jorden)
演 - ホリー・デ・ジョンニュートの母。完全版のみ登場。夫と共に遺棄船を捜索し、夫がエイリアンに寄生されたため救援を求める。その後直接の描写はないが、エイリアンにより死亡したと思われる。
ティモシー・ジョーダン(Timothy Jorden)
演 - クリストファー・ヘンニュートの兄。完全版のみ登場。両親共々エイリアンにより死亡したと思われる。
植民地海兵隊
ドウェイン・ヒックス
(英語版)(Dwayne Hicks)
演 - マイケル・ビーン伍長。小隊では第二分隊の分隊長(メンバーはドレイクとフロストとディートリック)。危険な戦地に赴く降下艇の中で眠りこけたり、(この時代から見れば)時代錯誤なモデルのショットガンに愛着を持っているなど、一見稚拙な性格に見えるが仲間からの信頼は厚く、部隊の指揮を委任された後は強いリーダーシップを見せ、リプリーら生存者達に頼られる存在になる。彼女とは絆が芽生えたようで、パルスライフルの操作方法を教えたり、互いにファーストネームで呼び合ったりするようになる。エイリアンを撃ち倒した際に強酸の血液を浴びて負傷するが、海兵隊の中で唯一生還する。
ウィリアム・ハドソン(英語版)(William Hudson)
演 - ビル・パクストン上等兵特技兵。隊のムードメーカーだがお調子者で、ゴーマン中尉に対しても皮肉を言うトラブルメーカー。出撃前はエイリアンの存在を信じておらず常に余裕で威勢もよかったが、エイリアンの大群に襲われて[注 5]からは勝てるわけがないと弱気になり、リプリーに叱咤される。


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