1984年にはウェットンが復帰した。しかし彼とハウとの仲はうまくいかず、サード・アルバムのリハーサル中にハウが脱退。10か月以上の月日を後任のギタリストのオーディションを費やした後[5]、ウェットン主導の人事でマンディ・メイヤー
を迎えた。彼等は25曲録音して10曲を厳選し、1985年にサード・アルバム『アストラ』を発表した。このアルバムは日本ではオリコン15位を記録するが、全米では67位、シングル「Go」は全米ロックチャート7位、全米ポップチャート46位にとどまり、前作までの巨大な成功とは程遠いものとなった。ウェットンは「なぜ急に売れなくなったのかわからない、あれだけの作品で売れなければ今後何を作ればいいんだ」と語り、失意の元、レーンから解雇された。さらにバンドの活動は凍結され、事実上の解散状態に陥った。1989年、ゲフィン・レコードのA&Rであったジョン・カロドナーが再結成を提案したが、当時ABWHに参加していたハウは参加できず、ウェットン、ダウンズ、パーマーの3人でA面5曲が過去のヒット曲、B面4曲が未発表曲という変則アルバム『ゼン・アンド・ナウ』を発表した。ギター・パートはスティーヴ・ルカサー(TOTO)やスコット・ゴーハム(元シン・リジィ)らが演奏した。またドラム・パートにも、後日ジョン・ペイン(英語版)、ジェフ・ダウンズ主導のエイジアに参加するマイケル・スタージスが演奏したものがある。ツアーのギタリストにはゲイリー・ムーア、グレン・ヒューズの推薦を得たパット・スロールを迎えた。日本公演は成功に終わり[注釈 10]、モスクワ公演からはライブ・アルバム『ライヴ・モスクワ09-X1-90』が発表された。しかしアメリカ・ツアーの日程が組めなかったことから、ウェットンは自分達にはもはや懐メロバンドとしての需要しかないと感じて、南米ツアーの後に脱退した[注釈 11]。同時期にスロールも脱退した。
ダウンズはジョン・ペインを加入させて活動を続けたが、もはやエイジアの活動というよりもダウンズのソロ・プロジェクトの色彩が強まって行った。ダウンズとペイン以外はゲスト・アーティストが多くなり、ツアーのメンバーの顔ぶれは非常に流動的になった[注釈 12]。ハウはアルバム『アクア』には参加したが、その後のツアーにはゲストとして参加するに留まり、再びエイジアから離れてイエスに戻った。ペインとダウンズの双頭体制の下で制作されたアルバム『サイレント・ネイション』(2004年)では、それまでジャケットのアートワークを手がけていたディーンを起用せず、最初と最後のアルファベットがAである単語[注釈 13]をアルバムのタイトルにする方式を放棄した。 2000年代中ごろ、ウェットンとダウンズが偶然再会して共作アルバムのレコーディングをはじめ、2005年4月には"ウェットン/ダウンズ(Wetton/Downes
オリジナル・ラインナップでの再結成?ウェットンの死去(2005年 - 2017年)
一方、ペイン体制下で制作が予定されていたニュー・アルバム『ARCHITECT OF TIME』は中止になり、その楽曲は最終的に離脱したペインらが主導した別プロジェクトに使用された。(#エイジア・フィーチャリング・ジョン・ペインも参照)スティーヴ・ハウ(左)とカール・パーマー(2006年9月10日)
ウェットン/ダウンズはその後も2006年にライブ・アルバム『アイコン・ライブ(iCon Live~Never In A million years)』、『ルビコン(iConII)』(2006年10月)をリリースした。2人はスティーヴ・クリスティ、ジョン・ミッチェルを加えたアイコン・バンドでのツアーと前述の再結成エイジアでのツアーを平行して行っており、アイコン・バンドが先に来日を果たしたが、再結成エイジアも2006年中に全英及び全米ツアーを終え、翌年3月にはオリジナル・メンバーでは初の日本公演を果たしている。2008年4月にオリジナル・メンバーによるスタジオ・アルバム『フェニックス』を発表。ジャケットのアートワークは再びディーンが担当した。2010年には同じ顔ぶれで『オメガ』を発表した。同時期に、ハウの参加しているイエスとジョイント・ツアーを行い、ハウが第一部のエイジアと第二部のイエスのどちらでも演奏した。
2010年7月にはロンドンで行われたイベント「ハイ・ヴォルテージ・フェスティヴァル」に出演。
2011年、バグルスのマテリアルでもある当時の新作『フライ・フロム・ヒア』を収録していたイエスは、キーボードを担当していたオリヴァー・ウェイクマンを@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}解雇し[要出典]て、ダウンズを参加させた。その後のイエスのツアーと次回作にダウンズが参加し、エイジアとイエスの双方に籍を置くこととなる。
2012年には結成30周年記念アルバム『XXX?ロマンへの回帰』をリリース。同年9月には30周年記念ジャパンツアーが開催された。
2013年1月、再度のハウの脱退、後任にサム・クールソンが参加することが発表され、メンバー・チェンジ後の初ライブが同年6月5日にイギリスのミルトン・キーンズに行なわれた。この編成にて録音されたアルバム『グラヴィタス?荘厳なる刻(そうごんなるとき)』 [6] が2014年3月にリリースされている。
2016年12月、レイク死去。
2017年1月、ウェットン死去[7]。オリジナル・メンバーの再結集は不可能になった。 ビリー・シャーウッドがウェットンの代役を務め、2017年3月から6月までジャーニーと、7月からはフォリナーとツアーを行った。ハウが復帰してのウェットン追悼公演が企画されて日程も決まったが、その後キャンセルされた。 2019年4月、イエスの「ザ・ロイヤル・アフェアー・ツアー」が発表され、同年6月と7月に行なわれるツアーにはエイジア他が参加することが明らかになった。メンバーはダウンズ、パーマー、シャーウッド、新メンバーのロン・“バンブルフット”・サール(ボーカル、ギター)。ハウがゲスト参加する。 2024年4月、ジェフ・ダウンズ(キーボード)、ハリー・ウィットリー(ボーカル、ベース)、ジョン・ミッチェル(ギター、イット・バイツ)、ヴァージル・ドナティ(ドラムス、プラネットX)による新ラインナップで新生エイジアとして再始動し、7月から北米ツアー『The Heat Of The Moment Tour』を行うことを発表した[8]。 [8]
現在(2017年以降)
メンバー(エイジア)
オリジナル・メンバー
ジョン・ウェットン(John Wetton) - ボーカル、ベース(キング・クリムゾン、U.K.)
ジェフ・ダウンズ(Geoffrey Downes) - キーボード(バグルス、イエス)
スティーヴ・ハウ(Steve Howe) - ギター、ボーカル(イエス)
カール・パーマー(Carl Palmer) - ドラムス(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)
現メンバー(2024年4月時点)
ジェフ・ダウンズ(Geoffrey Downes) - キーボード(1981年 - 1986年、1990年 - )
ハリー・ウィットリー(Harry Whitley) - ボーカル、ベース(2023年、2024年 - )
ジョン・ミッチェル(John Mitchell) - ギター、ボーカル(2023年、2024年 - )
ヴァージル・ドナティ(Virgil Donati) - ドラムス(2024年 - )