ウルヴァリン
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それはピーター・デイビッドの一時の冗談に触発されたものだった[9]

ウルヴァリンシリーズと色々なX-メンシリーズでの登場に加えて、キャラクターの過去を取り上げた2つのストーリーライン、つまりマーベル・コミック プレゼンツ #72-84 (1991)でシリーズ化されたバリー・ウィンザー・スミスの「ウェポンX」とジョー・カザーダ、ポール・ジェンキンス、ビル・ジェーマスの共作でアンディ・クーバートが作画した6冊のミニシリーズ「オリジン(Origin)」(2001年11月から2002年7月)がある。第二期ソロシリーズであるスティーブ・ディロン画・ダニエル・ウェイ作の『ウルヴァリン: オリジン』は現在共に進行している第二期ウルヴァリンソロシリーズを副産物として産み出した。
ウルヴァリンの素性の成り立ち

共著者のレン・ウェインは当初、ローガンはクズリの突然変異体であり、超種族ハイ・エボリューショナリー(High Evolutionary)によって人間の形態に進化したとしていた[10]。X-メン#98にあるウルヴァリンの生物学的な分析は、彼が一人前のミュータントではないことを示唆しており、X-メン#103でウルヴァリンは「レプラコーンを信じていない」といい、レプラコーンはしゃべるクズリを信じられないと答えている[11](これは『鏡の国のアリス』での、ライオンとユニコーンの会話のパロディ)。

超人ハルク対ウルヴァリン(超人ハルク#180-181の復刻版)に掲載されたクックラムのインタヴューは、「ウルヴァリンがクズリの突然変異体である」という主張を補強するものである。そこでクックラムは、ウルヴァリンを人間にするのにはハイ・エボリューショナリーが重大な役目を担ったと考えていると話した。

当初クックラムは、ウルヴァリンをスパイダーマンのように十代後半の年齢にし、超人的な強さと能力を持つようにしたかった。しかしこのクックラムのもくろみは、ジョン・ロミータSr.が覆面なしのウルヴァリンを毛深い40歳代のオヤジキャラとして描いたのを見て、大きく変わった。

レン・ウェインは、ウルヴァリンのツメは元々格納が可能なもので、グローブの部品と爪の両方がアダマンチウムでできていることを想定していた[12]。このアイディアは、グローブを付ければ誰でもウルヴァリンになれる方が良いと考えたクレアモントによって拒否されたが、X-メン #98において、この爪はウルヴァリンの身体の一部であることが初めて公式に明かされた。
ウルヴァリンの素性の成り立ち 2

デイブ・クックラムが去り、ジョン・バーンが画家になった後、バーンはインタヴューや彼のウェブサイト上でウルヴァリンにふさわしい顔を描いていると言っていた。しかし、ジョン・ロミータSr. が既に彼の顔を描いていたことを知った。その後、バーンはその絵をセイバー・トゥースの顔として使った。バーンはその時、セイバー・トゥースがウルヴァリンの父親であるというアイディアを思いついた(結果、彼らは似たような治癒能力とキレやすい性格を持っている)。

バーンとクレアモントは、ウルヴァリンが60歳前後であり、青年期にセイバー・トゥースによって施された何十年もにわたる虐待から逃れた後、第二次世界大戦に従軍していたと設定した。その計画はウルヴァリンにとってほとんど偶然に引き起こされたものだった。つまり、回復した直後、ベッドから降りようとした彼の足はすぐに折れ、彼の治癒能力は自身の骨格には働かないことがわかった。彼は病院のベッドで十年以上過ごし、もう少しで気が狂いそうだった(これが彼のバーサーカー的激情の理由である)。その頃、カナダ政府は彼に、全身の骨格を固体のアダマンチウムで置き換える(注入ではなく)と言うアイディアを持ちかけた。爪は予期せぬものだった。

だがこの起源はやり過ぎだったようで、その後一度も使われていない。
人物

普段は温厚であるが稀に容赦なく他人に牙を向けると言う一面もある。しかしながら、野菜が嫌い。

マーベル・コミックの公式ホームページでは元バーテンダーなど様々な職歴が紹介されている。カナダアルバータ州が故郷である[13]
X-メン参加前

バックストーリーと後付けの設定が込み入った時期が数年続き、2001年のミニシリーズ「Origin」で遂にウルヴァリンの若き日の物語が語られた。

19世紀のカナダ・アルバータ州を舞台にしたこのシリーズは、ウルヴァリンの出自をジョン・ハウレットとエリザベス・ハウレットの息子・ジェームズ・ハウレットとして描いている。急速な治癒力を持つ現在のウルヴァリンと対照的に、ジェームズは24時間の治療を必要とする病気がちな青年だった。彼の両親はジェームズを監視し元気づけるためにローズという名の若い女性を雇った。

珍しくジェームズが外出を許された日に、彼とローズはハウレットの邸宅の管理人トーマス・ローガンの息子のドッグ・ローガンと一緒に遊んで過ごした。トーマスとドッグは貧民街にある小さな小屋に一緒に住んでおり、トーマスは口汚い酒飲みで、ハウレット家、とりわけジョン・ハウレットにひどく腹を立てていた。最初、彼の憤りはジョン・ハウレットは何でも持っているのに対し、彼と彼の息子が何も持っていないことに起因していたが、後になって、ジェームズが生まれる前からエリザベスと不倫関係を継続していたことも関係していることが明らかになった。

ドッグがローズを強姦し、ジェームズのペットの犬を殺そうとしたため、ジョン・ハウレットはトーマスを解雇、資産を放棄させた。このことがトーマスの憎悪を更に募らせ、酔ったトーマスとドッグはライフルを持って夜中にハウレット邸に侵入した。寝室でエリザベスを見つけたトーマスは一緒に逃亡するよう説得していたところ、ジョン・ハウレットが立ちはだかり、トーマスとジョンは殴り合った。

物音で眼を覚まし、両親の寝室に入っていたジェームズは、トーマスがジョンを射殺する瞬間を目撃した。激高すると共にショックを受けたジェームズの手の甲から、爪が初めて姿を現した。彼はトーマスを殺し、ドッグの顔を裂いた末、寝室を出て行った。夫と愛人の死、そしてジェームズの爪の出現を目の当たりにしたエリザベスはまもなく自殺。恐怖で視力を失い混乱したローズは、ジェームズを連れ夜の闇の中を逃げ去った。呼び出された警察官がドッグに質問すると、彼は殺人を全面的にローズのせいにした。

ハウレット夫妻殺害容疑をかけられたローズと、無情な祖父に追放されたジェームズは、二人の友人には知られていない所、採鉱植民地へ一緒に旅立った。トラウマによって両親や少年期、本名等の記憶を失ってしまったジェームズはローガンと名乗り、厳しい採鉱植民地の環境と格闘した。その間に彼のミュータントの能力は発展し、強くなったジェームズは彼の採掘仲間から「ウルヴァリン」というあだ名をつけられた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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