ウルヴァリン
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カナダアルバータ州が故郷である[13]
X-メン参加前

バックストーリーと後付けの設定が込み入った時期が数年続き、2001年のミニシリーズ「Origin」で遂にウルヴァリンの若き日の物語が語られた。

19世紀のカナダ・アルバータ州を舞台にしたこのシリーズは、ウルヴァリンの出自をジョン・ハウレットとエリザベス・ハウレットの息子・ジェームズ・ハウレットとして描いている。急速な治癒力を持つ現在のウルヴァリンと対照的に、ジェームズは24時間の治療を必要とする病気がちな青年だった。彼の両親はジェームズを監視し元気づけるためにローズという名の若い女性を雇った。

珍しくジェームズが外出を許された日に、彼とローズはハウレットの邸宅の管理人トーマス・ローガンの息子のドッグ・ローガンと一緒に遊んで過ごした。トーマスとドッグは貧民街にある小さな小屋に一緒に住んでおり、トーマスは口汚い酒飲みで、ハウレット家、とりわけジョン・ハウレットにひどく腹を立てていた。最初、彼の憤りはジョン・ハウレットは何でも持っているのに対し、彼と彼の息子が何も持っていないことに起因していたが、後になって、ジェームズが生まれる前からエリザベスと不倫関係を継続していたことも関係していることが明らかになった。

ドッグがローズを強姦し、ジェームズのペットの犬を殺そうとしたため、ジョン・ハウレットはトーマスを解雇、資産を放棄させた。このことがトーマスの憎悪を更に募らせ、酔ったトーマスとドッグはライフルを持って夜中にハウレット邸に侵入した。寝室でエリザベスを見つけたトーマスは一緒に逃亡するよう説得していたところ、ジョン・ハウレットが立ちはだかり、トーマスとジョンは殴り合った。

物音で眼を覚まし、両親の寝室に入っていたジェームズは、トーマスがジョンを射殺する瞬間を目撃した。激高すると共にショックを受けたジェームズの手の甲から、爪が初めて姿を現した。彼はトーマスを殺し、ドッグの顔を裂いた末、寝室を出て行った。夫と愛人の死、そしてジェームズの爪の出現を目の当たりにしたエリザベスはまもなく自殺。恐怖で視力を失い混乱したローズは、ジェームズを連れ夜の闇の中を逃げ去った。呼び出された警察官がドッグに質問すると、彼は殺人を全面的にローズのせいにした。

ハウレット夫妻殺害容疑をかけられたローズと、無情な祖父に追放されたジェームズは、二人の友人には知られていない所、採鉱植民地へ一緒に旅立った。トラウマによって両親や少年期、本名等の記憶を失ってしまったジェームズはローガンと名乗り、厳しい採鉱植民地の環境と格闘した。その間に彼のミュータントの能力は発展し、強くなったジェームズは彼の採掘仲間から「ウルヴァリン」というあだ名をつけられた。採鉱植民地で過ごす間、ジェームズはローズに過去を話すことが次第に少なくなり、狩猟や植民地での日々の生活に必要な力仕事に没頭していった。

ジェームズとローズに気づかれることなく、ドッグはブリティッシュコロンビア州まで彼らを追ってきた。死の間際にジェームズの祖父は心を入れ替え、ドッグに「最後に一目会うために自分の孫を見つけてくれ」と頼んだが、彼の父を殺し、彼の顔に傷をつけたジェームズとローズに対し、未だに深い恨みを抱いていたドッグはその頼みをはねつける。ドッグは採鉱植民地でローズとジェームズを見つけ、ジェームズを大観衆の前で痛めつけ殺そうとする。大勢が見守る中、ジェームズが爪を出してドッグを殺そうとした時、ローズは偶然にも群衆によって2人の近くに押し出され、ジェームズの爪に刺されてしまった。ローズはジェームズの腕の中で息絶え、悲嘆と共に狂気に駆られたジェームズは、オオカミと共に森の中で暮らすようになった。
初期

明かされていない長い時間の後、ローガンは文明に戻り、第一次世界大戦中はカナダ陸軍の兵士として働いた。戦争終結後は、世界中で一連の冒険を実行した。

彼は第二次世界大戦ノルマンディの戦いマーケット・ガーデン作戦にも参加した。ローガンはソビボール集中キャンプで時を過ごした。キャプテン・アメリカは、第二次世界大戦中に「若き日のブラックウィドウを助けるために、ローガンと共に働いていた」と言及している。

ローガンはシルバーフォックスという名のネイティブアメリカンの女性を愛し、政府の極秘任務チーム「チームX」に異動するまで1つのキャビンで暮らしていたことを鮮明に覚えている。セイバー・トゥースは、彼の誕生日にシルバーフォックスを強姦した末に殺害している[14]

また「ウェポンX」計画に参加する前には、諜報員のキャロル・ダンバースニック・フューリー、兵士時代のベン・グリム、スパイのリチャードとメアリ・パーカー(ピーター・パーカーの両親)と会っている。
ウェポンX

[15] で始まったシリーズ「ウェポンX」の中で、バリー・ウィンザースミスはウルヴァリンについての新たなバックストーリーを作り出した。

ローガンは狩猟場で他の兵士を射って軍を除隊させられた放浪者であるとされた。

過去を知らず、長期間にわたる記憶の喪失に苦しめられていたローガンは、酒場で薬を盛られ、謎の人物「プロフェッサー」とDr.エイブラハム・コーネリアス、その秘書キャロル・ハインズによって運営されるカナダ政府の秘密施設「ウェポンX」へ連れて行かれた。

彼らは被験者であるローガンの髪や体毛を総てそり落としたが、彼の体毛は自己治癒能力によって急速に再生し、投与した薬物も抜けていく。ローガンがミュータントであることを確信したプロフェッサーの命令で、研究グループはローガンの全骨格にアダマンチウムを注入して強化し(爪はこの時現われた)、また彼を洗脳して殺戮機械に変えた。しかし、程なくしてローガンの洗脳は解け、彼はプロフェッサーやコーネリアス、ハインズら施設の人間のほとんどを殺害して施設を脱走した。野生に逃げたローガンは、そこでカナダ政府の役人であったジェームズとヘザーのハドソン夫妻に遭遇したのをきっかけに、カナダ政府の超人部隊デパートメントHに入隊した。


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