ウルヴァリン
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この項目では、マーベル・コミックの架空のスーパーヒーローについて説明しています。他の用法については「ウルヴァリン (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ウルヴァリン
出版の情報
出版者マーベル・コミック
初登場The Incredible Hulk #180-181 (1974年10月から11月)
クリエイターレン・ウェイン、ジョン・ロミータ・シニア、ハーブ・トリンプ
作中の情報
本名James Howlett
種族人間のミュータント
所属チームX-メン
ニューアベンジャーズ
S.H.I.E.L.D.
アポカリプスのホースメン
アルファフライト
ウェポンX
ウェポンプラス
デパートメントH
HYDRA
ファンタスティック・フォー
著名な別名Logan, Death, Patch, Weapon X, Agent Ten, Hand of God, Mai'Keth, Emilio Garra
能力再生能力
老化の遅延
超人的怪力,スタミナ,俊敏性,反射神経,感覚能力
アダマンチウムと同化した骨格
格納可能なアダマンチウムと同化した骨の爪
テレパシーへの抵抗力

ウルヴァリン(Wolverine)は、マーベル・コミックの架空のスーパーヒーローであり、X-メンニューアベンジャーズを含む複数のチームの一員である。作家のレン・ウェインと画家のジョン・ロミータ・シニア(John Romita, Sr.)によって創造された。

初出は『超人ハルク』#180-181(1974年8月)。主に『X-メンシリーズ』や『ウルヴァリン (コミック作品)』に登場。

本名はジェームズ・ハウレット(James Howlett)であるが、記憶喪失時には「ローガン(Logan)」の通称があり、一般的にはこちらの方が知られており、コミックや映画のタイトルにもなっている。
概要

ミュータントであるウルヴァリンは動物的な鋭い感覚と反射能力、そして実質的にどんな怪我からも回復することができる治癒能力(ヒーリング・ファクター)を持っている。この治癒能力はスーパーソルジャー製造計画「ウェポンX」において、骨格(出し入れが可能なカミソリのように鋭い爪を含む)に世界最硬の金属であるアダマンチウム合金を組み入れることを可能にした。近接戦闘の達人でもある。コードネームの「ウルヴァリン」とは、クズリというイタチ科の、小さいが獰猛な動物を意味する。また、「ウェポンX」(ウェポンエックス)の「X」はローマ数字の「10」のダブルミーニングであり「兵器第10号」を意味する。ちなみに、実在するアメリカ陸軍兵器・駆逐戦車ウルヴァリンの型番も「M10」(Model10:10型)である。

性格は粗暴で礼儀を知らないように見えるが、義侠心があり友人や親しい人間に敵対する者には容赦がなく、悪人に対しては殺すことも厭わない。その「時に残虐になれる精神性」をアダム・ウォーロックに買われ、大クロスオーバー『インフィニティウォーズ』でハルクと並び、他のヒーロー(高貴であるが故に相手に慈悲をかける)ではできない仕事を依頼される。しかし、子供には限りなく優しい。また女性にも手が早く、常に伴侶を求めている描写があり、知り合った女性には気軽に「ダーリン」と呼ぶ癖がある。愛煙家であり葉巻を愛用。喫煙者が差別されている未来から来たケーブルにそれをたしなめられた時には「お前なんか大嫌いだ」と発言している。日本通で、設定上は日本語に堪能。日本人女性「マリコ・ヤシダ[1]」と結婚までした。

「Giant-Size X-メン」#1(1975年5月)においてウルヴァリンはX-メンの"All New, All Different" rosterに参加している。ウルヴァリンはベトナム戦争以後のアメリカのポップカルチャーに出現する多くの反権力のアンチヒーロー[2] を象徴しており、命に関わるほどの力を快く行使し、1980年代末まで漫画のアンチヒーロー達の標準的な特徴を持っていた[3]。結果として、ウルヴァリンは増々有名になるX-メンフランチャイズの中でも特に人気のある人物となった[4]。1988年から単独名義でのコミックが創刊、TVアニメシリーズやTVゲーム、20世紀フォックス製作(ウルヴァリン役はヒュー・ジャックマン)の実写映画シリーズを含むあらゆるX-メンの翻案物で中心的なキャラクターになった。
歴史

ウルヴァリンがコミックに初めて登場したのは、レン・ウェイン作、ハーブ・トリンプ画による「超人ハルク」#180(カバーの日付では1974年10月)で、最後コマに予告編的に姿を表している。実質的に活躍するのは、続く「超人ハルク」#181になるが、その間、さまざまな7月初旬発行のマーベルコミックの出版物(カバーの日付では11月)の宣伝広告の中に現れた。ジョン・ロミータSr.がウルヴァリンの黄色と青のコスチュームをデザインした。この時点で、キャラクターの設定は曖昧で、カナダ政府に所属する超人的なエージェントであることを除いて何も明かされなかった。また、この頃、ウルヴァリンは常にツメを露出するように描かれている(レン・ウェインは爪は格納可能であると述べたにもかかわらず。)[5]。ウルヴァリンの登場エピソードは、「超人ハルク」#182でいったん区切りがつく。

ウルヴァリンの次の登場は1975年のウェイン作とデイブ・クックラム画による「Giant-Size X-メン」#1で、ウルヴァリンは新たなチームに勧誘された。コミックの表紙を描いたジル・ケーンはうっかりしてウルヴァリンの覆面に大きなヘッドピース(飾り)を付けて描いたが、デイブ・クックラムはケーンの変更を(バットマンの覆面に似ていると思って)気に入り、彼の作品にも組み入れることを決めた[6]。クックラムはウルヴァリンを覆面なしの姿で描いた最初の画家でもあり、その特徴的な髪型はウルヴァリンのトレードマークになった。

1975年8月、クリス・クレアモント作、クックラム画による「アンキャニィ・X-メン」#94以降のシリーズにも登場。ウルヴァリンは、サイクロップスのガールフレンドであるジーン・グレイと衝突した際にチームに緊張感を作り出すものの、他のキャラクターよりも影が薄かった。シリーズが進行するにつれて、クレアモントとクックラム(ナイトクローラーを好んでいた[7]。)はシリーズからウルヴァリンを脱落させようと考えた[7] がクックラムの後任者となったジョン・バーン(英語版)はウルヴァリンを擁護した。後の説明によると、同じカナダ人のキャラクターが脱落するのを見たくなかったのだと言う[8]。バーンは物語作りにも関わり、カナダ政府がウルヴァリンの逮捕のために結成したスーパーヒーローチーム「アルファ・フライト」を創造した。続く物語で、ウルヴァリンは自身の理解しがたい過去を抑制するために戦っているという不安定な性格設定を徐々に施していった。バーンはウルヴァリンの新しい茶色と黄褐色のコスチュームのデザインもしたが、クックラムのデザインした独特なヘッドピースはそのままにした。

バーンがシリーズを去ってからも、ウルヴァリンはX-メンに留まっていた。キャラクターの人気は、主演タイトルとして、クレアモントとフランク・ミラーによる4冊のリミテッドシリーズ『ウルヴァリン』(1982年9月 - 12月)、クレアモントとアル・ミルグラム による6冊のミニシリーズ『キティ・プライド&ウルヴァリン』(1984年11月から1985年4月)が刊行されたことでますます高まった。1988年11月には、クレアモント作、ジョン・ビュッセマ画によるオンゴーイングのシリーズ『ウルヴァリン』が始まった。ラリー・ハマがのちにシリーズを引き継いだ。さらに、ピーター・デイビッドやアーチー・グッドウィンエリック・ラーセンフランク・ティエリ、グレッグ・ルッカ、マーク・ミラーなど多くのライターが参加している。アーティストも、マーク・シルヴェストリ、マーク・テシェアラ、アダム・クーバート、レイニ・フランシス・ユ、ロブ・ライフェルド、ショーン・チェン、ダリク・ロバートソン、ジョン・ロミータ・ジュニア、ウンベルト・ラモスがらが参加した。

1990年代、ウルヴァリンがマグニートーによって骨格のアダマンチウムを引き抜かれた後、骨質の爪を生来持っていたことが明らかとなった。それはピーター・デイビッドの一時の冗談に触発されたものだった[9]

ウルヴァリンシリーズと色々なX-メンシリーズでの登場に加えて、キャラクターの過去を取り上げた2つのストーリーライン、つまりマーベル・コミック プレゼンツ #72-84 (1991)でシリーズ化されたバリー・ウィンザー・スミスの「ウェポンX」とジョー・カザーダ、ポール・ジェンキンス、ビル・ジェーマスの共作でアンディ・クーバートが作画した6冊のミニシリーズ「オリジン(Origin)」(2001年11月から2002年7月)がある。第二期ソロシリーズであるスティーブ・ディロン画・ダニエル・ウェイ作の『ウルヴァリン: オリジン』は現在共に進行している第二期ウルヴァリンソロシリーズを副産物として産み出した。
ウルヴァリンの素性の成り立ち

共著者のレン・ウェインは当初、ローガンはクズリの突然変異体であり、超種族ハイ・エボリューショナリー(High Evolutionary)によって人間の形態に進化したとしていた[10]。X-メン#98にあるウルヴァリンの生物学的な分析は、彼が一人前のミュータントではないことを示唆しており、X-メン#103でウルヴァリンは「レプラコーンを信じていない」といい、レプラコーンはしゃべるクズリを信じられないと答えている[11](これは『鏡の国のアリス』での、ライオンとユニコーンの会話のパロディ)。

超人ハルク対ウルヴァリン(超人ハルク#180-181の復刻版)に掲載されたクックラムのインタヴューは、「ウルヴァリンがクズリの突然変異体である」という主張を補強するものである。そこでクックラムは、ウルヴァリンを人間にするのにはハイ・エボリューショナリーが重大な役目を担ったと考えていると話した。

当初クックラムは、ウルヴァリンをスパイダーマンのように十代後半の年齢にし、超人的な強さと能力を持つようにしたかった。しかしこのクックラムのもくろみは、ジョン・ロミータSr.が覆面なしのウルヴァリンを毛深い40歳代のオヤジキャラとして描いたのを見て、大きく変わった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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