ウルヴァリン
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また、この頃、ウルヴァリンは常にツメを露出するように描かれている(レン・ウェインは爪は格納可能であると述べたにもかかわらず。)[5]。ウルヴァリンの登場エピソードは、「超人ハルク」#182でいったん区切りがつく。

ウルヴァリンの次の登場は1975年のウェイン作とデイブ・クックラム画による「Giant-Size X-メン」#1で、ウルヴァリンは新たなチームに勧誘された。コミックの表紙を描いたジル・ケーンはうっかりしてウルヴァリンの覆面に大きなヘッドピース(飾り)を付けて描いたが、デイブ・クックラムはケーンの変更を(バットマンの覆面に似ていると思って)気に入り、彼の作品にも組み入れることを決めた[6]。クックラムはウルヴァリンを覆面なしの姿で描いた最初の画家でもあり、その特徴的な髪型はウルヴァリンのトレードマークになった。

1975年8月、クリス・クレアモント作、クックラム画による「アンキャニィ・X-メン」#94以降のシリーズにも登場。ウルヴァリンは、サイクロップスのガールフレンドであるジーン・グレイと衝突した際にチームに緊張感を作り出すものの、他のキャラクターよりも影が薄かった。シリーズが進行するにつれて、クレアモントとクックラム(ナイトクローラーを好んでいた[7]。)はシリーズからウルヴァリンを脱落させようと考えた[7] がクックラムの後任者となったジョン・バーン(英語版)はウルヴァリンを擁護した。後の説明によると、同じカナダ人のキャラクターが脱落するのを見たくなかったのだと言う[8]。バーンは物語作りにも関わり、カナダ政府がウルヴァリンの逮捕のために結成したスーパーヒーローチーム「アルファ・フライト」を創造した。続く物語で、ウルヴァリンは自身の理解しがたい過去を抑制するために戦っているという不安定な性格設定を徐々に施していった。バーンはウルヴァリンの新しい茶色と黄褐色のコスチュームのデザインもしたが、クックラムのデザインした独特なヘッドピースはそのままにした。

バーンがシリーズを去ってからも、ウルヴァリンはX-メンに留まっていた。キャラクターの人気は、主演タイトルとして、クレアモントとフランク・ミラーによる4冊のリミテッドシリーズ『ウルヴァリン』(1982年9月 - 12月)、クレアモントとアル・ミルグラム による6冊のミニシリーズ『キティ・プライド&ウルヴァリン』(1984年11月から1985年4月)が刊行されたことでますます高まった。1988年11月には、クレアモント作、ジョン・ビュッセマ画によるオンゴーイングのシリーズ『ウルヴァリン』が始まった。ラリー・ハマがのちにシリーズを引き継いだ。さらに、ピーター・デイビッドやアーチー・グッドウィンエリック・ラーセンフランク・ティエリ、グレッグ・ルッカ、マーク・ミラーなど多くのライターが参加している。アーティストも、マーク・シルヴェストリ、マーク・テシェアラ、アダム・クーバート、レイニ・フランシス・ユ、ロブ・ライフェルド、ショーン・チェン、ダリク・ロバートソン、ジョン・ロミータ・ジュニア、ウンベルト・ラモスがらが参加した。

1990年代、ウルヴァリンがマグニートーによって骨格のアダマンチウムを引き抜かれた後、骨質の爪を生来持っていたことが明らかとなった。それはピーター・デイビッドの一時の冗談に触発されたものだった[9]

ウルヴァリンシリーズと色々なX-メンシリーズでの登場に加えて、キャラクターの過去を取り上げた2つのストーリーライン、つまりマーベル・コミック プレゼンツ #72-84 (1991)でシリーズ化されたバリー・ウィンザー・スミスの「ウェポンX」とジョー・カザーダ、ポール・ジェンキンス、ビル・ジェーマスの共作でアンディ・クーバートが作画した6冊のミニシリーズ「オリジン(Origin)」(2001年11月から2002年7月)がある。第二期ソロシリーズであるスティーブ・ディロン画・ダニエル・ウェイ作の『ウルヴァリン: オリジン』は現在共に進行している第二期ウルヴァリンソロシリーズを副産物として産み出した。
ウルヴァリンの素性の成り立ち

共著者のレン・ウェインは当初、ローガンはクズリの突然変異体であり、超種族ハイ・エボリューショナリー(High Evolutionary)によって人間の形態に進化したとしていた[10]。X-メン#98にあるウルヴァリンの生物学的な分析は、彼が一人前のミュータントではないことを示唆しており、X-メン#103でウルヴァリンは「レプラコーンを信じていない」といい、レプラコーンはしゃべるクズリを信じられないと答えている[11](これは『鏡の国のアリス』での、ライオンとユニコーンの会話のパロディ)。

超人ハルク対ウルヴァリン(超人ハルク#180-181の復刻版)に掲載されたクックラムのインタヴューは、「ウルヴァリンがクズリの突然変異体である」という主張を補強するものである。そこでクックラムは、ウルヴァリンを人間にするのにはハイ・エボリューショナリーが重大な役目を担ったと考えていると話した。

当初クックラムは、ウルヴァリンをスパイダーマンのように十代後半の年齢にし、超人的な強さと能力を持つようにしたかった。しかしこのクックラムのもくろみは、ジョン・ロミータSr.が覆面なしのウルヴァリンを毛深い40歳代のオヤジキャラとして描いたのを見て、大きく変わった。

レン・ウェインは、ウルヴァリンのツメは元々格納が可能なもので、グローブの部品と爪の両方がアダマンチウムでできていることを想定していた[12]。このアイディアは、グローブを付ければ誰でもウルヴァリンになれる方が良いと考えたクレアモントによって拒否されたが、X-メン #98において、この爪はウルヴァリンの身体の一部であることが初めて公式に明かされた。
ウルヴァリンの素性の成り立ち 2


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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