ウルトラマン
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本作品は、ほぼ同時期に放映された『マグマ大使』とともにカラー放送による[注釈 1]連続テレビ映画の草分けだったうえ、巨大な宇宙人を主人公とする大がかりな特撮中心のドラマは世界にも類例が存在しないため、番組制作は苦難の連続だった。

『ウルトラQ』では、円谷英二の「16mmのクォリティでは特撮はできない」との主張で劇場映画用と同じ35mmフィルムで撮影し、放映用フィルムとして16mmに縮小するという手法が採られた。この手法によりテレビ作品としては異例のクオリティを得られたが、フィルム代で予算が圧迫される問題が発生した[注釈 105]。本作品では高価なカラーフィルムを使用することから、合成カットのみ35mm、それ以外は本編・特撮とも16mmとすることで、合成映像の不自然さを低減させつつコストダウンを図った。しかしカラー撮影のノウハウが少ないため、調整や取り直しなどで時間やフィルムを浪費することとなり、3月中旬まで飯島敏宏組の本編クランクインはずれ込んでしまう[59]

撮影では飯島敏宏監督によるAブロック(放映第2話、第5話、第3話)は本編・特撮を同一スタッフが手がける一斑編成で開始したが、カラーフィルムの入念なテスト(色彩設計や照明の光量など)やウルトラマンの着ぐるみの度重なる塗り直し(初期は、ラテックス製のマスクと未塗装の黒いウェットスーツを使用していた)などカラー撮影にまつわる細々とした対応の他、操演中のジェットビートルをホリゾントにぶつけて大破させるなどの事故も重なり撮影は遅々として進まず、野長瀬三摩地監督のBブロック(放映第7話、第4話、第6話、第9話)からは制作費的にも合理的な別班編成に変更された[159][59]。Bブロックは円谷一監督によるCブロック(放映第1話と第8話)の本編シーンの撮影を優先したため、完成済みの第7話を除いて後回しにされた。第1話に先駆けて放映されたテレビ番組『ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生』のおかげで、なんとか無事に放映が始まったものの、スケジュールは次第に切迫し、特撮を2班編成にしてもその遅れは間に合わなくなってきた。円谷英二のダメ出しによる撮り直しだけでなく、スタジオと撮影機材のレンタル費、脚本費、俳優費、スタッフ費も大きな負担になっており、1本平均の直接制作費が450万?470万円になるなど予算・時間共に余裕の無い状況となっていた。ソフビ人形などのマーチャンダイジングの収益が、版権所有各社で莫大な版権使用料として分配されることで、円谷特技プロの運営はようやく安定していた[159]

そのため、番組の続行を望むTBS側とこれ以上の続行は不可能とする円谷特技プロとの間で協議が重ねられ、「赤字はともかく、週1回の放送に間に合わないのが確実になった」[163]ために、1967年初頭に高視聴率を維持していながらも第4クール目の発注が断念され、3クール39話の放送で一旦終了することが決定した[出典 37][注釈 106]
時代設定

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2017年7月)

テレビシリーズの本放送当時は厳密な時代設定の統一は行われておらず、その当時の現実と未来とが混在している。

本放送当時にTBS番宣課が発行した「ウルトラマンあらすじ集」第一集[165]と、『週刊少年マガジン』1966年31号(8月7日号)でのグラビアページの時代設定は、「1975年ごろ」という記載がある。スタッフの認識は近未来という程度で明確な合意はなく、第23話でジャミラの墓標に没年が1993年と記されていたり、第39話で「1930年代から40年以上」とのセリフがあるなど一定していない。

唯一の前後編である第26話・第27話は、作中で子供たちが怪獣の存在を否定していたり、子供のごっこ遊びでウルトラマンの変身方法が知られていたりと、現実世界寄りの演出がされている。また、第35話では延長工事途中の首都高速道路や日本で唯一の超高層ビル[注釈 107]など、放送当時の東京の景観がそのままミニチュアセットで再現されている。
シリーズとしての「ウルトラマン」

『ウルトラマン』に続いて一連のシリーズ作品が制作・放映された。毎回、巨大ヒーローと怪事件処理専門チームが連携し、宇宙や異次元、地球のどこからか現れる怪獣や宇宙人たちと戦うというコンセプトの特撮番組で、子供たちから人気を博す。これらの作品は、「ウルトラシリーズ」や「ウルトラマンシリーズ」と呼ばれる。詳細は「ウルトラシリーズ」を参照
放送日程

各怪獣の詳細は「
ウルトラマンの登場怪獣」を参照。

各話オープニングの最後にその回に登場する怪獣や宇宙人の名前や肩書が表示されるが、実際には登場していても表示されていないものがある[注釈 108]。また複数の怪獣名を表記した回[注釈 109]とダダ以外の宇宙人の表記[注釈 110]、ならびにネロンガとグリーンモンス[注釈 111]は名前のみで肩書き表示がなかった。

シナリオの表紙に記載された制作No.は、実際の撮影順とは異なっている。ここでの制作順は「キヌタ・ラボラトリーの作業日誌[166]」、「高山良策の怪獣造型日誌[167]」、「テレビマガジンヒーローグラフィックライブラリー1 ウルトラマン」(講談社)を参考にした。

視聴率はビデオリサーチ調べ(関東地区)

放送回放送日制作順サブタイトル登場怪獣・宇宙人脚本特技監督監督視聴率
-1966年07月10日-ウルトラマン前夜祭-金城哲夫-

実相寺昭雄

樋口祐三
30.6%
17月17日5ウルトラ作戦第一号ベムラー

関沢新一[注釈 93]


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