ウルトラマン
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テレビシリーズ初放映から半世紀以上が経過した今日も世代を問わず高い認知度を誇り、『決定! これが日本のベスト100』(テレビ朝日系列)の2002年9月8日放送分「特撮&アニメ ヒーロー&ヒロインベスト100」の第2位にランクインしている[7]。固有名詞としての「ウルトラマン」は、『広辞苑』の見出しにも記載されている[8]。また、第39話(最終回)でウルトラマンがゼットンに倒されたシーンは、初放映当時の子供たちに少なからぬ衝撃を与え、影響を受けたと語る著名人も多い。前田日明は「ウルトラマンの敵(かたき)を討ってやる!」と、格闘技を始めたきっかけになったことを語っている[9]

商業的にも成功を収め、本作品やそのキャラクターに関連する商品は玩具だけでなく、生活用品などあらゆる分野で発売されている。商業的側面から本作品で特筆すべき点は、日本のテレビ番組で初めて商品化権の入札制度を導入したことである[注釈 6]。本作品が制作される以前は、テレビ局の担当者とコネがある業者が商品化権を取得していたが、本作品で前述の制度が導入されて以降は金のあるものから優先的に商品化権取得の機会が与えられるようになった。もっとも、実際のところは『ウルトラQ』を商品化したマルサン商店などの業者が優遇されており、本格的に入札制度が機能するのは『キャプテンウルトラ』以降である。
物語の骨子

科学特捜隊のハヤタ隊員は小型ビートルで青い球体と赤い球体を追跡するが、赤い球体と衝突したうえに墜落死してしまう。

赤い球体の正体はウルトラマンだった。M78星雲人の彼は、宇宙の墓場への護送中に逃亡した宇宙怪獣ベムラー(青い球体の正体)を追って地球までやって来た。そして、自分の不注意でハヤタを死なせたことに対する罪の意識からウルトラマンは、ハヤタに自分の命を分け与えて地球の平和を守るために戦うことを決意。こうして、ウルトラマンとハヤタは一心同体となった。

以後、ハヤタはベーターカプセルを点火させてウルトラマンに変身し、怪獣や宇宙人と戦う。
ウルトラマンウルトラマンアーチ(東京都世田谷区祖師谷通り上)

諸元ウルトラマン
身長40 m[出典 1][注釈 7][注釈 8]
体重3万5千 t[出典 1]
キック力320の威力がある
腕力10万 tタンカーを持ち上げる
ジャンプ力800 m[12]
走行速度時速450 km[12]
飛行速度マッハ5[12]
水中速度200 kt[12]
地中速度マッハ3[15]
年齢約2万歳[16][12]

ドラマのクライマックスで登場し、怪獣や宇宙人と戦う巨人。その正体はM78星雲光の国出身の宇宙人である。宇宙警備隊員として、怪獣墓場に護送中に逃走した宇宙怪獣ベムラーを追跡して地球を訪れ、誤って死なせてしまった科学特捜隊のハヤタ隊員に自分の命を共有して一心同体となり[12]、地球の平和を守るために戦うことを決意する。

普段はハヤタの姿で行動するが、有事の際にはベーターカプセルを点火させてウルトラマンに変身し、怪獣や宇宙人と戦う。

ごく一部の例外を除き、原則として地球人とは会話せず、感情などは動きだけで表現し、「シュワッチ」あるいは「シュワッ」などと表記される数種の掛け声のみを発することがほとんどである。

腰を屈めた前傾姿勢のファイティングスタイルは、怪獣と対峙した際に相手の力量を見極めるための構えで、映画『理由なき反抗』でジェームズ・ディーンが身構えたポーズを真似している[17][18]。美センのホリゾントが見切れるため、話数を経るごとに猫背が低くなっていったという[18]。また、構えの手も空手の流れでグーではなく、パーになっている[18]にせウルトラマンにチョップした際に痛がっていたのは、古谷が実際に痛がっていたものであるという[17]


ウルトラマンのファイティング・ポーズ

プロフィール

ウルトラマンのプロフィールは、作中では語られていないが、雑誌記事などでは詳細に紹介されている[要文献特定詳細情報]。

職業:宇宙大学教授、宇宙警備隊銀河系局長(後に支部長)

趣味:読書[19]

家族構成

父:宇宙保安庁長官

母:ウルトラ学校教師


ベーターカプセル

ハヤタがウルトラマンに変身する際に使用するアイテム[注釈 9]。第1話でハヤタがウルトラマンと一体化する際に、ウルトラマンから託される。

カプセル内部には超小型プラズマスパーク核融合装置とベーターコントローラーが内蔵されている。これがないと、ハヤタはウルトラマンには変身できず、常に隊員服の内ポケットに携帯しているが、何度かカプセルを落とすシーンもある。ウルトラマンでいる時もどこかに携帯しているらしく[注釈 10]、第26話ではゴモラとの格闘中に落としたのを現場にいた子供に拾われる。

第39話ではウルトラマンを迎えに来たゾフィーが、自ら持ってきたベーターカプセルを使ってハヤタに命を与えると同時に、ハヤタとウルトラマンを分離させる。

映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では別次元のハヤタが、自身をウルトラマンと気が付いた際にハヤタの右手に実体化する。

『帰ってきたウルトラマン』の原型となる『続ウルトラマン』では、ウルトラマンと一体化したバン・ヒデキの変身アイテムとして登場予定だった[21]

近年は玩具などで「ベータカプセル」とする記述が増えている。

第2話の脚本では「ガンマー発光器」という仮称であった[22]

変身方法

ハヤタがベーターカプセルの赤いスイッチを押すと、閃光と共に光のエネルギー、ベーター線[注釈 11]が発光部から放射し、ハヤタの周りを渦巻き状に包み込んで[注釈 12]ウルトラマンに変身する。変身・巨大化時のポーズは「右手を宙空に突き上げ、左手は顔の隣に置く」という独特の形であり、ウルトラマンを特徴づけるポーズとして以降の作品でもほぼ踏襲されている[注釈 13]

書籍設定[要文献特定詳細情報]では、フラッシュビームにM78星雲人の生命の源である人工太陽プラズマスパークと同じエネルギーが含まれ、この光によって元の姿を一定時間取り戻すことができるとされている。
ウルトラマンの能力

ウルトラマンは様々な特殊能力や格闘術を持っている。作中で名称が明言されたのは「スペシウム光線」と「テレポーテーション」のみで、その他の名称は書籍や年代によってばらつきがあったが、後年には円谷プロにより統一されている。技の一部は後のウルトラマンたちにも継承されている。
スペシウム光線[26][27]
ウルトラマンが使う代表的な必殺技で、左右の手刀を十字型に交差させて体内のスペシウムエネルギーをスパーク[28]させ、右手から発射する破壊光線である。右腕にマイナス、左腕にプラスのエネルギー(磁場[24])が蓄えられ、それをスパークさせて発射すると設定されている[10][29]。そのエネルギーはすさまじく、相手を爆破または炎上させる効果がある。決まり手として多用される一方、通用しない敵も数体いる[注釈 14]


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