ウルトラマンダイナ
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劇場版 『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』(1998年公開)

OV 『ウルトラマンダイナ 帰ってきたハネジロー』(2001年リリース)

概要

前作『ウルトラマンティガ』の最終回から7年後を舞台とした続編。ウルトラシリーズでは1979年以来初めて、テレビシリーズにおいての継続が決定し、世界観は継承しつつも登場キャラクターをほぼ完全に一新し、近未来に起こるであろう汎地球的な諸問題を解決した『ティガ』に対して、その次となる本作品では宇宙を舞台とすることとなり、新たな未来に希望を持って宇宙へと飛躍する人類の姿を描いた[出典 1]。また、シリーズを通して登場する敵、謎の生命体スフィアを設定している。

前作のSF要素の強いシリアスなドラマ作りに代わって本作品はポジティブな精神を意識して明るく楽しい娯楽性を徹底、怪獣の魅力とウルトラマンのパワフルさ、防衛チーム隊員同士の衝突と友情の人間ドラマを強調している。そのため、監督の小中も『ティガ』の延長線上ではなく、違うものを作りたいとしており、スーパーGUTSも隊長のワイルドな男臭い男性のヒビキを筆頭とした冒険野郎の集合体にしたいという[5][6][4]。作劇観も『ティガ』が志のA級であったことに対し、本作品は心意気のB級という意識であるとしている[4][7]

スタッフによると本作品は、初代『ウルトラマン』のような作風を目指した、あるいは第2期ウルトラの破天荒な魅力を導入したものとされている。また、野球に例えたセリフやエピソードがシリーズ各所にちりばめられていることも一つの特色である。

当初の設定は、主人公が3人存在して、そのうちの知性派キャラと武闘派キャラの意識が変身道具に宿り、助言や喧嘩をするというものだったが、ティガとの差別化を図る意味で主人公を1人に絞り、3人の主役設定はタイプチェンジとして作品に盛り込まれた[8]。主人公は特捜チームの一員として設定せず、風来坊がウルトラマンに変身して、旅の中で遭遇した事件を特捜チームとともに解決していくというロードムービーのようなストーリーだったが、視聴率や玩具の売り上げで高い数字を残し、ウルトラマン人気の復活を印象づけた前作『ティガ』の評価は高く、スポンサーであるバンダイ、講談社を交えた会議では、次回作が「ティガの延長でもいい」という意見も出された[4]。『ティガ』は1年間の流れをもって3年の物語世界を完成させているため、それ自体で完成している『ティガ』の世界を壊さずに同様の世界観で新たなウルトラマンの物語を構築するには、タイムラグを置く必要があった[5][4]。そこで、本作品の時代設定は、『ティガ』の物語終了から7年後の「2017年」に決定[5][4]。物語のエッセンスやキャラクターの一部が引き継がれることになり、作品の最終的な方向性は固まった[9]

放映中には劇場版『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』が公開され、以後のテレビシリーズでも劇場版が製作されるのが恒例となった。さらに2001年には『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンガイア』と共にOV作品『ウルトラマンダイナ 帰ってきたハネジロー』が製作された。

音楽は前作に引き続き矢野立美が担当[10]。楽曲は前作との差別化から主人公の性格に合わせ、明るい曲調となった[10]。前作でオリジナル曲が少なかったため流用曲に頼らざるを得なかったことへの反省から、本作品では汎用音楽の他に必要に応じて各話ごとに楽曲が追加されることになった[11]。そのため、楽曲の総数はシリーズ中トップクラスの多さとなり、テレビ作品ではシリーズ最多となる4枚ものサウンドトラックアルバム[注釈 1]が発売された。ティガ関連のエピソードやティガに出演した俳優が本作品にゲスト出演した時には、ティガの音楽(または、そのアレンジ版)が使用されている。
備考

当初はティガの続編というコンセプトはなく、複数の脚本家がコンペ形式で提出したストーリー案のうち、
長谷川圭一の案が採用されて、正式な続編となるよう設定が固められた[8]

第1話や最終話3部作を監督した小中和哉は、アーサー・C・クラークのような世界観と、人類の進化の果てがウルトラマンであるというテーマを使いたいと考え、その提案に沿ったストーリー作りが行われた[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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