ウルトラマンタロウ
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港を襲った超獣オイルドリンカーを撃退した勇気と行動力を見込まれ、光太郎は宇宙科学警備隊ZAT(ザット)に入隊[注釈 1]。光太郎は、自分が埋めたチグリスフラワーの球根を媒体に出現した怪獣アストロモンスに対し、小型戦闘機スーパースワローに搭乗して立ち向かうが、アストロモンスの攻撃を受けて爆発の炎に包まれてしまった。

光太郎は死線をさまようが[注釈 2]、ウルトラ5兄弟によってウルトラの国に運び込まれ、彼らとウルトラの母に導かれてウルトラマンタロウと合体[注釈 3]。こうして、ウルトラ6番目の弟が誕生した。

地球に帰還した光太郎は、左腕に装着したウルトラバッジを掲げてタロウに変身し、怪獣や宇宙人と戦う。
作品概要

ウルトラマンシリーズ」第5作目[注釈 4]にして、『帰ってきたウルトラマン(以下、帰マン)』や『ウルトラマンA』に続く第2期ウルトラシリーズ第3作目。『ファイヤーマン』(日本テレビ)や『ジャンボーグA』(毎日放送)同様、「円谷プロ創立10周年記念番組」として制作された。

本作品の大きな特徴として、それまでは神秘的存在として描かれていたウルトラマンに、親しみやすい印象を付加している点が挙げられる。その最たる例が、主人公の「タロウ」という名称である(詳細は後述)。それまでのウルトラマンシリーズに比べ、同じ円谷作品の『快獣ブースカ』(1966年・日本テレビ)で見られたようなおとぎ話[注釈 5]や寓話などを題材としたエンターテインメント性を重視したストーリーが多く見られる[13]

本作品ではウルトラの母の存在が初めて明らかにされ、「ウルトラ兄弟」の概念に加えて文字通り「ウルトラファミリー」の構想を付加した結果、ホームドラマ的な作風が濃くなっている[注釈 6]

主題歌がそのまま特撮場面の挿入歌となっており、2クール以降はエレクトーン演奏を用いた主題歌のインストゥルメンタル版も使用されている[注釈 7]

前作の『ウルトラマンA』同様、本編撮影は主に東京映画撮影所で撮影され、特撮は東宝撮影所のNo.3・5ステージや東京美術センターのオープンスペースで撮影されていたが、第3クールから最終話までは仙川スタジオで撮影された[13][14]

特撮作品としての本分もおざなりにされていない。躍動感のある戦闘アクション、当時としては精巧に制作された秘密基地や戦闘機などの各種プロップやミニチュアセット、光線技に見られる光学合成などは、円熟された特撮の妙味を醸し出している。

それまでのウルトラマンシリーズは、オープニング映像にキャラクターのシルエット映像が使用されていた。しかし、本作品はZATのメカニック紹介映像(主にそれぞれが格納庫から現れて基地から発進する様子)となっている[注釈 8]

放送話数が全53話と昭和ウルトラシリーズの中では最多となっている[注釈 9]。また、第2期ウルトラシリーズの中で本作品のみが4月に放送を終了したが、この理由には「次作『ウルトラマンレオ』の企画難航によって本作品を1話分追加撮影した」[15]「4月から放送開始する他の特撮ヒーロー番組と競合する編成を避けるためだった」[16]という2説が存在する。
企画意図

本作品の企画は、『ウルトラマンA』放送中の1972年10月ごろからスタートしている[17][14]。TBS側からは『ウルトラマンA』が息切れしたため、ウルトラシリーズは1年間休止する案や『ウルトラマンA』で終了させようとの声もあった[出典 4]

「ウルトラマン・シリーズ第5弾!! ウルトラマンスター」「特撮空想科学シリーズ ウルトラジャック」「特撮空想怪獣シリーズ ウルトラマンジャック」の3冊の企画書が作成され(内容は同一[注釈 10])、タイトルは「ウルトラマンジャック」が選ばれた。


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