ウルトラマンガイア
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ストーリーは、当時の時事であった京都議定書から連想し、環境問題を取り込み[10]、環境を破壊し、野生生物を絶滅させ、地球自身を破滅に追いやるかもしれない現代の人類が描かれている。同時に、怪獣も地球の生物であり、根源的破滅招来体に覚醒させられたという設定で、物語の前半ではガイアも戦闘により、怪獣を倒していたが後半は怪獣も地球の生物だという自覚のもとに無闇に倒すとの展開はなくなる。また、当初から明るい未来を子供たちに対し、示唆して終わりたいということは考えられていたため、終末論などには引っ張られないようにしており、ポジティブさを保全するために正しい科学の進歩が未来を切り開くものとしてアルケミー・スターズが設定された[10]。また、SF的な展開には科学的な裏付けが必須として、量子物理学を活かすことが参加する脚本家たちに求められた[5]

『ガイア』を代表する演出に、着地時などに周囲の土煙がハネ上がるというものがある。特技監督佐川和夫が『ウルトラマンタロウ』のころから温めていたアクションで、『ウルトラマンダイナ』第38話で試験的に取り入れ、『ガイア』においては第1話から継続的に用いられている[11][12]。技術的には操演を担当する亀甲船が参加した特撮映画『ガメラ2 レギオン襲来』で用いられた手法を応用している[13]。ガイアを印象付ける演出として、その後の『大決戦!超ウルトラ8兄弟』においても使用されており、のちに可動フィギュアUltraActシリーズでもウルトラマンガイアの初回限定特典として、巻き上がる土煙を再現したエフェクトパーツが付属している。

音楽は『ウルトラマンパワード』で劇伴音楽を担当した佐橋俊彦が担当している[14]。佐橋は本作品の作風から『キャプテン・スカーレット』を連想し、同作品の音楽を手がけたバリー・グレイの曲調を意識したという[14]

ウルトラマンガイアとウルトラマンアグルは、従来のウルトラマンのように「宇宙人であるがゆえに地球での活動時間に制限がある」という設定ではなく、「地球が遣わした存在であるがゆえに活動時間に制限はない」という設定となった。そのため、彼らのライフゲージ(従来のカラータイマーに相当する)の点滅は、活動時間ではなく活動エネルギーの限界が近付いたことを知らせるためのものである[15]

バンダイのインターネット動画配信サイトのバンダイチャンネルで、2011年2月から動画配信されている。

次作『ウルトラマンコスモス』ではドラマパートがビデオ撮影に移行したため、本作品は全編フィルム撮影で制作された最後のウルトラシリーズとなった[注釈 1]
制作

シリーズ構成を中心に脚本家が全員が集まり、シナリオ会議を行うことが初めて試みられた。会議では、ウルトラマンと戦う「根源破滅招来体」については、脚本家のイメージに各々委ねる方針が採られたため、一人の脚本家が、同族の招来体が登場する話を複数回にわたって書くケースが見られた。また企画当初の時点では、最終回の展望についてはシリーズ構成担当の小中千昭の意向もあり、明確に決まっていなかった[16]

上記のように、シリーズ構成は2クールまで小中千昭が務め、3クール目はプロデューサーの笈田雅人が務めた。3クール目は「バラエティ編」として、各話ごとにオムニバス感を強調した脚本が採用され、アグル復活も笈田と小中の話し合いで3クール目終盤に復活させることが決定し、そこから最終章である4クール目に移行する流れが組まれた[17]
登場人物
ウルトラマン
高山 我夢(たかやま がむ) /
ウルトラマンガイア
本作品の主人公。千葉県出身の20歳。アルケミー・スターズ日本代表にして、1980年代に世界中で誕生した天才児の1人。17歳で量子物理学の博士号を取得した[18]。当初は城南大学の量子物理研究室に在籍していたが、粒子加速機を使い、意識を粒子加速領域に近づける実験中に厄災を倒す地球の意思である赤き巨人(ヴィジョンのウルトラマン[19])のイメージを視認し、コッヴ襲来時に地球から赤き光の巨人が一体化したことでウルトラマンガイアとして実体化したことを機に根源的破滅招来体と戦うためにXIGにアナライザー(異常現象や怪生物の分析担当)として入隊[19][18]


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