ウルトラマンガイア
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劇場版『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』(1999年3月公開)

OV『ウルトラマンガイア ガイアよ再び』(2001年3月リリース)

概要

ウルトラマンティガ』や『ウルトラマンダイナ』に続く、平成に入ってから制作されたウルトラマンのテレビシリーズ第3作目。また、20世紀に制作されたテレビシリーズとしては最後の作品でもあり、世界観の繋がっていた前2作から設定を一新し、身近なテーマに対応できるように時代設定を放映年代とほぼ同じ20世紀末とし、緻密な科学考証や人間関係などのリアリティが重視された他、地球出自のウルトラマンである「人間ウルトラマン」の決定版を意図して押し進められ、ウルトラマンの在り様を主人公の意識が決定づけ、ライバル的存在のウルトラマンアグルが登場するなどライバル関係にある2人のウルトラマンの意思の対比によって緊張感が生まれ、クオリティの高いハイブロウな世界が展開された[出典 1]

本作品の主人公・高山我夢は科学者集団に属し、「ワームホール」「反物質」などの専門用語や造語が頻繁に使われ、ウルトラシリーズの中でもSF要素の強い内容となった。また、それまでの怪獣攻撃隊とはその組織構図が異なり、航空部隊や地上部隊、レスキュー部隊、海洋探査部隊、の陸海空で編成された各3名ずつのエキスパートがチームに分かれて任務を遂行する特捜チームという設定となっている[4]。この他、テレビクルーや天才科学者集団、上位防衛組織の諜報・特捜活動部隊なども準レギュラーとして登場している。主演の吉岡毅志は放送当時でのシリーズ史上最年少、19歳での主役抜擢となった。

本作品はそれまでのウルトラシリーズとは異なり、シリーズを通しての敵の設定や大河ドラマ性が強化され[3][4]、中盤の第23話?第26話(アグルとの決戦やガイアのヴァージョンアップ編)、終盤の第47話?最終話(第51話)といった長編エピソードも多く採り入れられた。第26話で一旦最終回のような展開を見せたあと、第27話以降は初回に戻ったような形で再びストーリーを進めるという試みも見られる。また、脚本の小中による提案で、チーム分けのリアリティの強化、これまでにない災厄に近いニュアンスで解釈された敵の在り方や、若い主人公にすることなどが挙げられた[2][4][5]。プロデューサーの笈田雅人は、前2作品で自分たちの持つウルトラマン感をやり尽くしたため、東映作品などウルトラシリーズ以外の日本の特撮作品の要素を取り入れたとしている[6]。当初はベテランの3人の脚本家に企画案をオーダーしたが、2人のウルトラマンが兄弟であるなど、いずれも今ひとつの結果であったため、小山信行と笈田雅人が企画をまとめることとなった[2]

星雲賞を受賞した『ウルトラマンティガ』に続き、本作品も同賞の候補作に挙げられたが「ウルトラマンが連続で2年以内に受賞するのが規定違反になるので、次点にさせる」という審査理由から受賞には至らなかった[7]

また、オリバー・ストーンが本作品に注目し「是非ともハリウッドで映画化させてほしい」とFAXが送られてきたこともあったのだという[7]

本作品の2クール目までシリーズ構成を担当した[8]小中は後年、「複数のライターが参加したことによってサブプロットが豊かなドラマになったと思います。ベテランであれ新人であれ、うねりあるものにしてほしいと伝えました」「『ティガ』で自分が描きたいウルトラマンは書き終えたと思っていたところでプロデューサーに口説かれた。そこで今作は「空想特撮シリーズ」の原点に戻るのにこだわった。そして、これを見た子供たちが一生ウルトラファンでいられるよう頑張りました」と語っている[9]

ストーリーは、当時の時事であった京都議定書から連想し、環境問題を取り込み[10]、環境を破壊し、野生生物を絶滅させ、地球自身を破滅に追いやるかもしれない現代の人類が描かれている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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