ウルトラマンオーブ
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登場人物
SSP
クレナイ ガイ
本作品の主人公。
ハーモニカに似た楽器・オーブニカを奏でながら世界中を旅している。具体的な時期は不明だが、少なくとも100年以上前から地球に滞在しており、シンの調査によってガイと同一人物と思われる人物が映った19世紀の写真が見つかっている。第5話以降、ふとしたきっかけでSSPのオフィスに居候する。普段はぶっきらぼうに振る舞っているが、カッコつけつつも決まらない場面もあったり、細かいところでお茶目な面を覗かせることも多い[注釈 1]。また、奔放に見えて実はルールを守る性格で、魔王獣を封印している先輩のウルトラ戦士には「さん」付けで呼び[注釈 2]、敬意を示す律儀さを持つ[注釈 3][注釈 4]。「保冷車の零下20度の保冷庫に普段着のまま5時間忍び込み、長距離の移動に使う[注釈 5]」「マガバッサーが起こした竜巻に飲み込まれたナオミを救出するため、自らも竜巻に飛び込んで彼女を助け出す」「常人には視認できない超高速で走行する」など並外れた身体能力を持つほか、この姿でも高い格闘能力を発揮する。しかし、前述の保冷車の件に加えて証明写真の取り出し方を知らないなど、一般常識に疎いところがある。銭湯には強い愛着があるらしく、一番風呂を最高の贅沢と考えており、入浴前のかけ湯や湯船への飛び込み禁止などマナーにもうるさい。怪獣や宇宙人に対してはすべてを敵だと認識してはおらず、悪意があったり侵略者の手先であったりしない限り、倒すことを極力避ける。それどころか、たとえ侵略者でも実際に破壊活動などの害ある行動に移さない限り、積極的に敵対しないという姿勢を貫いている。108年前にルサールカでマガゼットンと戦った時にウルトラマンのウルトラフュージョンカードを入手したが、戦いによってルサールカ大爆発を引き起こしてしまい、近くにいたナターシャを助けられなかったことに罪悪感を持つ。また、その一件が原因で本来の力を失ってしまっており、それでもなお人間を守り抜く意志を貫くが、ジャグラーには「人間を傷付けることを恐れている」と指摘されている。このため、第12話で玉響姫がマガオロチの攻撃で消滅するのを目の当たりにした際は、激情を露わにした。オーブニカのメロディをなぜか知っているナオミの存在を次第に意識するようになるが、第15話でオーブ(サンダーブレスター)へ変身した際には闇の力の制御に失敗してナオミを救出できず、重傷を負わせてしまう。その結果、自己嫌悪に陥って一時はベリアルのカードを手放すが、コフネが「自分の闇は力尽くで消すのではなく、逆に抱きしめて自分自身が光る」と語ったのを聞いてベリアルのカードを回収し、傷心のまま「闇の力を制御できる強さ」を求めてかつて自身が過ちを犯した地であるルサールカに旅立った。ルサールカにてジャグラーが出現させたゼッパンドンから逃れた後、ナオミがジャグラーに狙われたことをきっかけに、再び彼女のもとに戻る。その際にナターシャの生存[注釈 6]とナオミとの宿縁、そして自分を信じる勇気を知って本来の自分を取り戻すと、地球の生命を守り抜く決意を新たにした。マガタノオロチを倒した後、世界に残る脅威に対処するため、ナオミに別れを告げて夕日に向かって旅立っていった。

メイン監督の田口清隆とメインライターの中野貴雄による「エピソード10構想」によれば、「クレナイ」は地球に来た第5章で夕焼けの美しさに感銘を受けて名乗るようになったものである[14]。また、ガイが着用しているペンダントは第2章でガイと共に旅をして第3章で死亡した少年ショーティーの形見、ジャケットは第5章で出会ったマイク・スカダー大尉から譲り受けたものだとされる[14]。「ガイ」という名前は、日活映画の「○○ガイ」が由来となっている[15]。なお、2017年6月11日に劇場版のグランドフィナーレ舞台挨拶が丸の内ピカデリーで開催された際には、同じジャケットがガイ役の石黒英雄から次作『ウルトラマンジード』で主役を務める濱田龍臣へ贈られている[16]

大食いという設定は、石黒のアドリブで加えられたものである[17]

『THE ORIGIN SAGA』
クレナイという名は地球に来てから名乗ったものであるため、同作品では単にガイと呼ばれる[18][19]。はるか昔、宇宙の果てにある惑星O-50の戦士の頂で神秘の光に選ばれ、ウルトラマンオーブに変身する能力を得る。それまでは宇宙のバランスを守る救助隊の一員で、遠く離れた人々の悲鳴(本人曰く「心が発する救難信号」)を感じ取る力を持っていた。「誰も犠牲を出さず、誰も悲しませない」という理想を抱いていたが、当初は戦いにおいて未熟さが際立ち、後先考えない直感的な行動や無鉄砲な戦いを経ての敗北で、相棒であったジャグラーを苛立たせてしまうことも多かった。実力で勝るジャグラーではなく自分が選ばれたことに戸惑い、自身の理想とほど遠い戦いの現実に苦悩しながらも、ファーストミッションに身を投じていく。ジャグラーが自身のもとから離れた際は少なからず衝撃を受けたものの、先輩ウルトラ戦士たちやアマテとの交流、命の木の真実を知ることで次第に迷いを振り解き、final episodeでサイキに犠牲ばかり強いる宇宙を救う意味を問われた際には、「命の木に果実が輝く限り、救う価値はある」と自分なりの答えを出した。

衣裳はジャグラーと共に袖なしのロングベストを着用しており、同じ星系の出身であることを表現している[20]ストールの着用は石黒からの提案によるもので、テレビシリーズと同様の風来坊感を演出している[21]

夢野 ナオミ(ゆめの ナオミ)
SSPの発起人兼代表(キャップ)。名前の漢字表記は奈緒美[22]。23歳[22]。SSPを取り仕切る立場ではあるが、現場では使い走りをやらされたりからかわれたりと威厳はなく、意欲だけが空回りしてしまっている。一方、その豪胆かつ向こう見ずな行動力でジェッタやシンを振り回すことも多く、それが仇となって災難に遭ってしまうことも少なくない。ガイ曰く「いるべきじゃない時に居合わせる不注意の塊みたいな女」。財政的に苦しい組織を何とか存続させるため、複数のアルバイトを兼任している。夢野家は高祖母の代からの女系一家で酒造を家業とし、好きなことをやりたければ跡取りを確保しなければならないしきたりが存在する。この高祖母というのが後述のナターシャ・ロマノワであり、ナオミは彼女の玄孫にあたる。SSPを結成した目的も、幼少期から見ていた「オーブオリジンとマガゼットンの戦い」の夢に影響されたためで、ガイが吹くオーブニカのメロディに心当たりがあるなど、ナターシャの記憶がガイとの交流に深く関わっている。ギャラクトロンに取り込まれた際はコミュニケーションの媒体として利用され、オーブ(サンダーブレスター)のゼットシウム光線の余波を受けて瀕死の重傷を負って危篤状態に陥るが、奇跡的に意識が回復した。その後もオーブについては、自身がギャラクトロン内で置かれていた状況と重ね合わせて「何か巨大な力に支配されていたのかも」と理解を示し、何があってもオーブを信じることを決意する。その心が、オーブが本当の自分を取り戻す鍵となった。最終章ではビートル隊から脱走したジャグラーに斬られてしまうがそれは見せかけで、闇こそが永遠であることをガイに知らしめるために拉致されていた。しかし、ジャグラーによってゼットビートルの墜落から庇われたことで彼の心にも光が残っていることを証明することとなり、意気消沈するジャグラーを叱咤激励してオーブの助太刀に向かわせる。マガタノオロチが倒された後、オーブニカのメロディを口ずさみながらガイの旅立ちを見送った。

演じる松浦雅は、演技力のほか、オーディションの際につまずいて持っていた紙をばらまいたことが天然なナオミのキャラクターにふさわしいとして起用された[7]

ナターシャとの関係性は、ガイの挫折とそこからの復活を描くために設定された[9]。企画当初は単に同じシチュエーションを重ね合わせるだけの予定であったが、メイン監督の田口清隆はそれだけではつながりが弱いと考え、ナターシャが実は生きていたということがガイの復活するきっかけになるとして、ナオミがナターシャの子孫という設定となった[9]。オーブニカのメロディを知っているという設定は、第8話でラゴンに音楽を絡めるために設定された[13]

早見 ジェッタ(はやみ ジェッタ)
SSP撮影、サイト更新担当[23]。ナオミとは大学の超常現象研究サークル時代からの友人で、「ジェッタ」は仲間内から呼ばれているあだ名であり、本名は早見 善太(はやみ ぜんた)。23歳[22]。UMAや超常現象に詳しい情報通を自認しており、スクープ撮影に余念がない。やがてはそのスクープをきっかけとして、世界的な有名人になることを夢見ている。自ら撮影する動画に実況を入れる自己主張を忘れない一方、少年時代からヒーローに憧れており、自分の配信する情報を怪獣から避難する人々の役に立てたいという熱い志も秘めている。そのため、オーブの正体を何度か突き止めようとしたが、いずれも外している[注釈 7]。妹の人形を直すために裁縫を習得しているという意外な一面もある。第15話では暴走したオーブ(サンダーブレスター)がナオミを救おうとせずにギャラクトロンを倒したせいでナオミが重傷を負ったことから、オーブに失望感を抱いた。しかし、第17話にて「正義にも光と闇の面がある」ことに気付き、サンダーブレスターが自分たちを庇った様子を中継したことから、世間のオーブへの信頼を取り戻すことに成功している。最終章にて太平風土記の原本を託され、マガタノオロチを倒すヒントを得ようとするが、マガタノオロチの攻撃によってシンと共に瓦礫に閉じ込められてしまう。死を覚悟しデジタルカメラで未来への記録を残そうとするが、それが図らずも太平風土記の秘密を解き明かしマガタノオロチを打倒するヒントとなった。
松戸 シン(まつど シン)
SSP調査分析担当要員。名前の漢字表記は森[22]。23歳[22]。小学校時代にカオス理論の高次元定理を発見し、飛び級で大学を卒業し、わずか23歳で博士号を取得しており、最先端の物理化学から超古代文明の伝説、果ては医学まで幅広い知識を持つチーム1の博識ではあるが、一般常識に欠けた一面も併せ持つ[23]。また、潔癖症で神経質だが、事務所の床で寝泊まりしている[23]
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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