ウルトラシリーズ
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円谷プロ版「ウルトラシリーズ」横浜マリタイムミュージアム前に設置された4.5メートルの初代ウルトラマンの巨大立像。

「TBSのウルトラシリーズ」とは別に、円谷プロダクションが制作した作品のみに対する呼称として「ウルトラシリーズ」が使用されており、現在はこちらが一般的である[注 2]。「仮面ライダーシリーズ」「スーパー戦隊シリーズ」などと並ぶ、日本の代表的な特撮作品シリーズである。

以降、円谷プロ「ウルトラシリーズ」の主要作品を記す。特に断りがないものはテレビシリーズ。本項目にて記す各作品群の概要・特徴はあくまでも、そのグループを全体的に見た上での特徴であり、作品ごとの細かい差異・特色などについては、各作品の項目を参照。テレビ番組から派生した他メディア上の作品も含むため、円谷プロ「ウルトラシリーズ」全体の分類は複雑なものになるが、おおよそ以下のような内訳になる。
初期の空想特撮シリーズ(『Q』『マン』『セブン』)

『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』と共通の世界観を持ち、M78星雲・光の国から地球を守るためにやってくるウルトラ戦士達の活躍を描いた『帰ってきたウルトラマン』以降のテレビ番組(→宇宙警備隊、光の国またはウルトラの星、M78星雲

設定を一新して、異なる世界観の中でのウルトラマンを描いた作品(『ザ☆ウルトラマン』、『ウルトラマンティガ』以降の平成ウルトラマンなど)

上記の作品から派生してつくられた映画やオリジナルビデオ作品

5分番組やテレビスペシャルなど

諸般の事情により、他社作品でありながらウルトラシリーズの範疇で語られることもある作品。

これらの作品群は、一部の例外を除き、「主人公がウルトラ○○という巨大な超人に変身して怪獣と戦うこと」を骨子としている。これより、円谷プロ版「ウルトラシリーズ」について解説する。
昭和第1期ウルトラシリーズ(空想特撮シリーズ)

キャプテンウルトラ』は、正式な「TBSウルトラシリーズ」の番組の一つであるが、これは東映制作作品であるので、「円谷プロ(円谷特技プロ)の制作番組群としてのウルトラシリーズ」には含まれない。また、同じく正式な「TBSウルトラシリーズ」の番組のひとつである『怪奇大作戦』は、円谷特技プロの作品であるが、現在は円谷プロ自身がシリーズに加えていないようである。

したがって、円谷プロに限って「昭和第1期ウルトラシリーズ」という呼称を用いるなら、以下の3作品がこれに当たる。
ウルトラQ
1966年1月2日 - 7月3日。全28話。
ウルトラマン
1966年7月17日 - 1967年4月9日放送。全39話。
ウルトラセブン
1967年10月1日 - 1968年9月8日放送。全49話。

円谷プロが制作し、日本で初めて大がかりな特撮を導入したテレビドラマ『ウルトラQ』が大ヒットとなり、その後継作として制作された『ウルトラマン』が最高視聴率42%の特大ヒットとなったため、「空想特撮シリーズ」、または「ウルトラQ空想特撮シリーズ」と銘打たれる最初の番組シリーズとなった。

この円谷プロ「ウルトラシリーズ」(空想科学シリーズ)は、朝日ソノラマの「ファンタスティック・コレクション」シリーズなど、1978年以降の商業出版物によって再評価が始められた。これらの出版物では、『Q』から『セブン』までの3作品を「第1期ウルトラシリーズ」と総称し、以後定着したが、これはあくまで現在の呼称であり、放映当時のものではない。
昭和第2期ウルトラシリーズ
帰ってきたウルトラマン
1971年4月2日- 1972年3月31日放送。全51話。
ウルトラマンA
1972年4月7日 - 1973年3月30日放送。全52話。
ウルトラマンタロウ
1973年4月6日 - 1974年4月5日放送。全53話。
ウルトラマンレオ
1974年4月12日 - 1975年3月28日放送。全51話。

「TBSのウルトラシリーズ」は『セブン』をもって終了するが、円谷プロとしての「ウルトラシリーズ」は、以後も断続的に制作された。まず、『帰ってきたウルトラマン(以下、帰マン)』が『セブン』放送終了から2年半の歳月を経て、同じTBSの番組枠で1971年4月をもって放映開始され、ここに円谷プロの「ウルトラシリーズ」が再開されることとなった。関西圏では、第1期ウルトラシリーズに続き、当時のネット局である朝日放送で放映。

第二次怪獣ブームや変身ヒーローブームの中核となった本シリーズは、TBSプロデューサー・橋本洋二(当時)の意向が強く打ち出され、スポ根ブームの影響を強く受けて「人間とウルトラマンの成長」というテーマを重視し、青春ドラマやホームドラマの色彩が強くなっている。

いずれの作品も、主人公は成長途上の青年として描かれている。ウルトラマンと一心同体となった彼らが、ウルトラマンの力ゆえに苦悩したり仲間との軋轢を抱える、怪獣や宇宙人との戦いの中で大切なものを失う、変身後のウルトラマンも時には敵に苦戦する、といった数々の困難を乗り越えて成長する様が、ドラマの主軸に据えられていた。

主人公の私生活、主人公を兄のように慕う少年を中心に主人公を取り巻く市井の人々との交流も多く描かれていた。少年も家族との死別を乗り越え、そして主人公に教え導かれながら成長していった。

本シリーズの最大の特徴は、『帰マン』での初代ウルトラマンとウルトラセブンの客演から始まり、『A』で「ウルトラ兄弟」の設定が確立し、『タロウ』でそれを発展させて「ウルトラファミリー路線」が打ち出されたことである。この試みによって本シリーズは4年間も続くロングランとなり、仮面ライダーシリーズとともにブームの中核を担っていた。


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