ウッドストック・フェスティバル
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アメリカの音楽史に残るコンサートであり[1]、1960年代のカウンターカルチャーを象徴する歴史的なイベントとして語り継がれている[2]
概要

このロック・フェスティバルは、アルスター郡ウッドストックにおけるアート・ムーブメントに関連して名付けられた。主催者となった若者達は、ボブ・ディランなど往年の歌手やアーティストたちが暮らすウッドストックに自分達のレコーディング・スタジオを設立する資金集めの目的で、このロック・コンサートを企画した[2]

会場は、近郊のサリバン郡ベセルのロシア系ユダヤ人個人農場主マックス・ヤスガーが所有する酪農農場になった。この一帯は、「キャッツキルバレー」と呼ばれるアメリカインディアンの共同居住区(保留地ではない)である。町の住民からは「ヒッピーが集まるヤスガー祭」と警戒され、場所を提供したヤスガーは、反対派の住民によって開催前から牛乳の購入打ち切りなどの嫌がらせを受けた。

主催者側は当初、1万人から2万人程度の入場者を見込んでいた。多くの人気ミュージシャンから出演の承諾が得られたことから、事前に18万6000枚のチケットが売れ、入場者は20万人を超えると予想された。当日は予想をはるかに上回る40万人以上が詰めかけ[1]、その半数以上がチケットを買っていなかった為に、フェスティバルは事実上無料イベントの様相を呈した[2]開催地周辺の地図マックス・ヤスガーの農場

収支は赤字になったが、ドキュメンタリー映画とライブ・レコードが発表されて最終的には収益に結びついた[2]。マイケル・ウォドレー(英語版)が監督を務めマーティン・スコセッシが編集を担当した映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間[3]1970年に公開され、第43回アカデミー賞アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。また、同年にアルバムWoodstock: Music from the Original Soundtrack and More(3枚組)、翌1971年にはWoodstock Two(2枚組)が発表された。

ウッドストック・フェスティバルは、カウンターカルチャーを集大成した、1960年代のヒューマン・ビーインと呼ばれる人間性回復のための集会でもあり、音楽イベントとしてのみならず、ヒッピー時代の頂点を示す象徴と捉えられている。ヒッピー・スタイルの入場者達
詳細当時の風景

フェスティバルは1969年8月15日(金)から17日(日)までの予定だったが、悪天候による度重なる中断のためプログラムの進行が遅れてしまい、最終日のトリを務めたジミ・ヘンドリックスが登場したのは18日月曜日の朝8時30分だった[4]。観客の中には、ヘンドリックスの演奏の前に帰ってしまった人もいた。

会場には愛と平和、反戦を主張するヒッピーや若者ら約40万人が集まった。初の大規模な野外コンサートであったため、運営には現代の観点で捉えれば至らない点が多かった。混雑の対策は殆んど取られておらず、会場への高速道路は会場に向かう人々で混み合い、悪天候の会場は人々でごった返し、緊急用のテントなど必要な施設も多くなかった。計画段階ではこれだけ多くの人が集まるとは想定されておらず、そのための準備が全くできていなかったのである。ヒッピーの中にはドラッグを使用する者もいた。

だが、出演者が30組以上で観客が40万人という膨大な規模を考えると、驚くほど平和的な祭典だったと言えよう[3]。参加者は食べ物などを分け合っていた。会場では2件の出産があった[注釈 1]。暴力事件などは報告されていない。終了後のゴミ処理も大きな問題だったが、観客の中にはゴミを片付けて帰る者もいた。

ウッドストック・フェスティバルは、同年12月6日に開かれ死者まで出したローリング・ストーンズによるフリー・コンサート(オルタモントの悲劇)とは対照的に、1960年代を体験した同世代アメリカ人の「輝かしい記憶の余韻」として生き続けたとされている。
出演者リッチー・ヘブンス初日の風景
8月15日(金) 午後から深夜

リッチー・ヘブンスゲット・トゥゲザー」「Handsome Johnny」「Freedom」など

スワミ・サチダナンダ(インドの聖者)による祈祷

スィートウォーター 「Motherless Child」「What's Wrong」「Why Oh Why」

バート・ソマー 「Jennifer」「She's Gone」「Things Are Going My Way」「Smile」

ティム・ハーディン 「If I Were a Carpenter」「自由の広場


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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