ウッチャンナンチャン
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「短いネタを連発する」という意味でショートコントの源流は上記のジャドーズや、パート2の『4コマ漫才』に見られるという評価もある[6]が、渡辺正行は「ショートコント」というフォーマットを名称と共に一般的に認知させたのはウンナンであると評している[2](p67)[7][8]。また、デビュー当時に「ラ・ママ新人コント大会」で共演していた太田光爆笑問題)は「ウッチャンナンチャンがショートコントをやって流行らせて、そうしたら他の芸人がみんなウッチャンナンチャンの真似(ショートコント)をやり始めた」と語っている[9]

「M-1グランプリ2010」において南原が審査員を務めた際には、デビュー当時の映像と共に「『ショートコント』というスタイルを確立し、落語や狂言など芸の真髄を追い求める…」と紹介された。
役割

他のコンビに比べて、ネタにおけるボケとツッコミのような役割がハッキリしていない。『気分は上々。』内でインターネット投票により「どちらがボケか?」をファンに決めてもらい、当時は「南原がボケ」という結果になった。しかし、本音は2人ともツッコミになりたい様子だった。自称ではそれぞれ内村が「天然」、南原が「ハプニング」。よってボケとツッコミはケースバイケースとされている[注 5]。逆説的に考察すると、2人ともフリートークやネタでボケ・ツッコミをこなせる高い技量を持ったオールラウンダーとも言える。南原は『ウンナンタイム』にて2人のスタイルを「スイッチ型」であると表現している。

立ち位置に独特のこだわりを持っている。フリートークやネタの際には、「内村が上手(かみて、客から見て右側)、南原が下手(しもて、客から見て左側)」。しかし、番組などでMCを担当する際は「南原が上手、内村が下手」となっている。内村曰く「(テロップが)『ウッチャンナンチャン』と出るので、それに合わせた」とのこと[10]。従ってネタをほとんどやらない現在ではほとんど後者の立ち位置になっており、その印象が強くなっている。
エピソード
コンビ名

「ウッチャンナンチャン」というコンビ名は、南原の思い付きから命名。デビュー当初は「ウッちゃんナンちゃん」表記だった(『森田一義アワー 笑っていいとも!』で発言)。まだコンビ名で迷っていた頃にお笑いスター誕生の収録時、番組スタッフへコンビ名を変更したい旨を告げると「もう『ウッチャンナンチャン』で作ったから(変更できない)」と断られ、そのまま定着してしまった。デビュー前は「ちょうなんず(2人とも長男だったため)」や「かんなビール(南原の家が大工、内村の家が酒店だったため)」、「気合い&楽しく(『ウリナリ』内で候補として内村が出してきたと南原が暴露)」などの候補も考えられていた。

1987年10月28日放送『ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』では南原が持参してきたコンビ結成直後のネタ帳に2人が考えた芸名が書かれてあり、内村案の「信用金庫(非常階段に対抗)」「新撰組」「ハングリー」。南原案の「おてもやん(内村が熊本出身だったため)」「UN(ウン)」「NAU(ナウ)」「ニキビブラザーズ」「貧乏&貧相」「赤尾さんの犬達」「おあいこポン」「WA・HA・HA・HA・HA」「てる坊&きよ坊」が候補に挙げられていた。

母校の日本映画学校に2人とも講師として赴いた際、当時俳優科の生徒だった狩野英孝に「なぜナンチャンウッチャンではなくウッチャンナンチャンなんですか?」と尋ねられ、南原は「あいうえお順です」と答えた。
その他

直接の師弟関係に当たる、所謂「師匠」がいるわけではないが内海桂子・好江は、2人の師匠的な存在。好江からは「何があっても仕事に穴を開けるな」と教えられていたが、好江の葬儀には2人とも仕事の合間を縫って駆け付けた。

専門学校時代に2人が仲良くなったきっかけは互いに
大林宣彦の映画が好きということで、これが後のコンビ結成に繋がる[11]。『気分は上々。』の第1回では2人の原点の再発見という内容で、大林映画の舞台である尾道への2人旅の模様を放送した[12]

同じ『気分は上々。』内のタイムカプセルを埋めようという企画で、2人が1年後の自分と相方へのビデオレターを撮って1年後にタイムカプセルが掘り起こされるはずだったものの、埋めた場所が更地と化したことで掘り起こせなかった(お互い何を託したのか永遠の謎となってしまう)。

専門学校時代は内村は南原を「南原」、南原は内村を「ウッチャン」と呼んでいたがコンビを組む以上立場は対等だと考えた南原は「内村」と呼ぶよう改めた。

同じお笑い第三世代であるとんねるずとは、『オールナイトフジ』『夕やけニャンニャン』といった番組で同じレギュラーとして一時期共演していた。

夢で逢えたら』で共演し、ほぼ同期にあたるダウンタウン(ただしダウンタウンは1982年デビューのため先輩)とは、松本人志曰く「戦友」及び「同じ釜の飯を食った仲」と呼ばれる関係。松本曰く「ウンナンが売れて嬉しいことはないが、かといって売れなくなるのは嫌」と語っている。さらに、内村もダウンタウンを「戦友」と語っている。

デビュー当時は内村が(人見知りで)フリートーク等が苦手であったため、南原が率先して前へ出ることが多かった。そのため、内村は「ウッチャンナンチャンが売れたのは南原のおかげ」と発言している[13]。なお、内村は(デビュー当時の)自分達と似たような関係性のあるコンビの例としてオードリーを挙げている[注 6]。また、勝俣州和も「世間では内Pなどの影響で『ウッチャン=プロデューサー』というイメージかもしれないが、ウッチャンナンチャンの本当のプロデューサーはナンチャン。ウッチャンが今でもテレビの中でプレイヤーとしていられるのはナンチャンのおかげ」と語っている[2](pp68-72)。

解散はしていないが、現在はコンビとしての共演はほとんど無く、2人とも「お互いの電話番号を知らない」(当時)、「楽屋は別じゃないと嫌」などと語るため一部では不仲説も流れているが、2人は「本当に仲が悪かったらとっくに解散してる」と否定しており、お互いの出演番組などは常にチェックし、トークライブではお互いに感想を述べたりしている。また、南原の携帯電話に(電話番号を知らないはずの)内村から直接電話がかかってきた際には「(長女が生まれる時期の)嫁さんに緊急事態が起きて相方である俺に連絡してきたと思った。(直後に始まる)生放送をドタキャンしてでも駆けつけるつもりだった」と語っている。なお、内村が電話をかけたのは「松ちゃんが結婚するんだって!」と伝えるためで、番号はマネージャーに教えてもらったという[14]。2019年10月6日放送のスペシャル番組『日テレ系人気番組No.1決定戦』にて共演した際は内村が「南原におやすみのLINEスタンプを送った」と発言しており、現在は連絡先を双方が知っている状態である[15]

デビューした年(1984年)は持ちネタが少なく、夏祭りの営業で30分間のステージのうちの最後の5分間の尺が余ったため、サザンオールスターズの「ミス・ブランニュー・デイ」をものまねもせず普通に歌って乗り切った逸話が存在する[16]

評価

ダウンタウンの構成作家である
高須光聖は、ダウンタウンの世界は「濃い一色」に対してウンナンの世界は「無色透明」と評している。また、「ダウンタウンは企画が彼ららしくないと全然ハマらないけど、ウンナンはどんな企画をふっても上手にさばいてくれるし、ちゃんとハマるから視聴者も安心して観られる。どんな色にも染まる」と分析している。

お笑い評論家のラリー遠田は「ウッチャンナンチャンとはどういう芸人なのか? この問いに答えるのは意外と難しい。ウンナンがどういう芸人に見えているかは、受け手の世代によっても大きく変わってくるからだ。(中略)彼らは、自分たちのキャラクターを前面に押し出すよりも、番組の企画に自分たちを合わせていくような形で活動していたため、彼ら自身のイメージをつかむことは難しい。彼らは、時代ごとのニーズに対応しながら、キャリアを積み重ねてきたタイプの芸人なのである」と分析している[17]

笑福亭鶴瓶は「ウンナンの笑いって優しいんですよ。攻撃的な笑いが多い中で、優しい笑いを作ってきた2人が中心に出て、今も一線でいるのは必然だと思う」と評している。また、「僕は誰かとつるむことはあまりないけど、唯一つるむとしたらウンナンの2人」とも語っている[2](p64)。

笑いの殿堂』で共演していた爆笑問題は、自身のラジオ番組で「ウッチャンナンチャンほど人間が綺麗な人たちはいない」と語った。若い頃の太田は嫉妬からウンナンの悪口を吐いていたが、「悪口を言ってるのをわかっていても、ウッチャンナンチャンの2人は変わらない接し方をしてくれた。自分が嫌になる。人の悪口言ってるところを見たことない。俺たちは人の悪口や不幸をネタにするが、ウッチャンナンチャンのネタは綺麗」などと語った。また、デビュー当時の爆笑問題はコントをメインに演じていたが、漫才に転向するきっかけはウンナンであり「ウッチャンナンチャンがショートコントをやって流行らせて、そうしたら他の芸人がみんなウッチャンナンチャンの真似(ショートコント)をやり始めたから、自分たちはあえて漫才の方に行った」とのこと[18]

「お笑い第三世代」の先輩にあたる石橋貴明(とんねるず)は、自身がMCを務める『うたばん』にネプチューンが出演した際に「ウッチャンナンチャンは(後輩の育成もちゃんとやって)偉い」と発言している。


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