ウズベキスタン
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2011年8月アジア開発銀行が公表した資料によると、1日2.0ドル未満で暮らす貧困層2010年で1,248万人と推定されており、国民の44.42%を占めている[18]。近年は豊富な天然ガス関連の投資を多く受け入れており、比較的好調な経済成長を遂げている。通貨はスム

多くのCIS諸国の同じく、ウズベキスタンの経済はソビエト連邦時代の社会主義経済から資本主義経済への移行期であった初期に一旦減少し、政策の影響が出始めた1995年より徐々に回復している。ウズベキスタンの経済は力強い成長を示しており、1998年から2003年までの間は平均4%の経済成長率を記録、以降は毎年7?8%の経済成長率を記録している。ただし2017年は、通貨スムの複数為替レートの一本化などのミルジヨエフ大統領の改革の影響により5.3%である。IMFの概算によると[19]、2018年のウズベキスタンのGDPは1995年時点の約4.8倍であり、購買力平価(PPP)換算で約5.9倍である。

ウズベキスタンにおいて、一人あたりの国民総所得(GNI)は低く、2017年時点で2,000USドル、PPPは7,130USドルとなっている[20]。PPPと比較した一人あたりのGNIの数字は世界187カ国中123位と低く、12のCIS諸国の中でウズベキスタンより下の値であるのはキルギスとタジキスタンだけである。経済的な生産は加工品ではなく生産品に集中している。

ウズベキスタンは独立後の1992年から1994年にかけて、年間1000%もの急激なインフレを体験している。IMFの助けを借りた経済安定化の努力が行われ[21]、インフレ率は1997年に50%に減少、さらに2002年には22%にまで減少した。2003年以降、年間インフレ率は平均15%未満となっている[19]。2004年の緊縮財政政策は結果としてインフレ率の大幅な減少につながり、インフレ率は3.8%に減少した(しかし、代わりにマーケットバスケット方式(英語版)による価格の上昇は約15%と概算されている[22]。)2017年は、同年11月のガソリン価格、同年12月の法定月額最低賃金の引き上げを受け、約18.9%のインフレ率となっている[19][23]

ウズベキスタンの主要金属資源は、ウランモリブデンタングステン亜鉛セレンである。金埋蔵量1,700tで世界第12位、年間生産量102tで第10位、ウランの埋蔵量では世界トップ10に入り生産量2,400トンであり、世界第7位である[24][25][26][27]。更に、ウズベキスタンの国営ガス会社ウズベクネフテガスは世界第15位の天然ガス生産量を誇り、年間450億m3を産出している[28]

ウズベキスタン国内においてエネルギー関連事業に大きな投資をしている企業としては中国石油天然気集団 (CNPC)、ペトロナス韓国石油公社 (KNOC)、ガスプロムルクオイル、ウズベクネフテガスがある。

2018年時点において、ウズベキスタンは世界で第7位の綿花生産国であり、世界第9位の綿花輸出国であり[29]、同時に世界第11位の金採掘国でもある。他に生産量の多い製品としては、天然ガス、石炭、銅、、タングステン、石油、ウランなどがある[24][30]

農業労働者はでウズベキスタン総労働人口の19.25%(2014年時点)にあたり、農業はGDP全体の約19.8%(2012年時点)を占め、そのなかでも綿花の輸出が産業の中心のひとつとなっている。[30]。ウズベキスタンでは旧ソ連時代は60%の国民が農村部に居住していた。ソ連崩壊直後は農業従事者の割合は、全労働者数の30%前後で維持されていたが、人口増に対して農業従事者数は減少傾向にあり、2013年以降は20%を割っている。これはロシアやカザフスタンなどへの移民として農村の労働人口が流出していることが大きな要因として考えられる[30]。また、公式発表によると就業率は高いとされているものの、特に地方で就業率は低く、少なくとも20%以上が失職中であると推定されている[31]。綿花収穫期には、政府による綿花収穫の強制労働が依然として存在している。18歳未満の強制労働を禁止する法令があるにもかかわらず、一部地域では地方の役人によって子供たちが綿を収穫するために動員された。更には、綿花作業だけでなく建設、農業、及び公園清掃の強制労働を教師、学生、民間企業の従業員などに行わせた[31][32]ウズベキスタンの児童労働の使用はテスコ[33]やC&A[34]マークス&スペンサーGapH&Mなどにより報告されており、これらの企業は綿花の収穫作業をボイコットしている[35]

独立達成後に多くの経済問題に直面したことで、政府は国による管理、輸入量の減少、エネルギー自給率の増加を軸とした進化のための改革戦略を採択した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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