ウグイ
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ウケクチウグイ - 学名 Tribolodon nakamurai。淡水型。絶滅危惧種長野県新潟県信濃川水系の河川などに生息する。

マルタ - 学名 Tribolodon brandti maruta。汽水域や内湾、沿岸域に生息し、産卵のために河川を遡上する遡河回遊魚。ウグイとマルタとは交雑しやすい。

ジュウサンウグイ - 学名 Tribolodon brandtii brandtii

人間とのかかわり
料理

春から夏にかけては川魚独特の泥臭さがあるが、冬季の脂が乗った身は美味であり、「寒(かん)バヤ(バエ)」と呼ばれる。小骨が多いが、古くから日本各地でコイフナなどと共に貴重な動物性の蛋白源として利用されて[10]甘露煮塩焼き天ぷら燻製いずしなどで食用にされる。しかし、横川吸虫などの寄生虫[11]の問題が有るため生食は推奨されない。

東北地方の各地には、いずし(はやのいずし)にして食べる風習がある。しかし、いずしはウグイの腸管に生育するボツリヌス菌により、致死率が高い食中毒を引き起こす事例が多く報告された[12]。また、滋賀県の鮒寿司なれずしの一種)では、希少種である本来のニゴロブナの代わりに安価なウグイを用いることもある[要出典]。

小矢部川のサクラウグイは郷土料理として親しまれている[要出典]。
漁獲ウグイのつけば漁のために人為的に整えた流れ。つけばでのウグイ漁獲風景
専門の漁


つけ場漁:専門の漁は4月から6月の産卵期に行われ事が多く、福岡県[13]や長野県の信濃川流域の一部地域では、流れの中に人工の産卵場所を作って網で捕獲し[14]川に隣接した小屋で料理を提供する[15]

せつき漁(瀬付漁):山形県最上川流域など。産卵のために浅瀬に集まった魚を投網で捕獲する。

アイソ漁:茨城県、群馬県などでは、アイソ漁と呼ばれる梁漁が行われている。

釣り

釣りでは、ほとんどの餌に食いついてくるため、水遊びの相手として古来なじみ深い魚である。泳がせ釣り用の活き餌として釣られることもある。は、ミミズや、カワゲラ類などの水棲生物以外に、魚肉ソーセージかまぼこなどの魚肉練り製品イカ塩辛レバーカステラ羊羹干しぶどう油揚げ米粒毛針練り餌食パン、干しエビ、昆虫類など様々なもので釣れる。河川では冬場の低水温期は水深のある流れの弱い場所に集まるため、集まったウグイを「寒バヤ」と呼び、釣りが行われる。しかし、河口部では生息域がハゼ等の食用魚と重なるため、ハゼを専門としている釣り人からは餌盗りの外道として嫌われている。

スピナー、スプーン等の小型ルアーを使うルアーフィッシングフライフィッシングでも釣れる。引きは小さなサイズでもヤマメイワナと区別できないくらい強力である。渓流釣りの外道として有名であるが、マス類の禁漁期のターゲットともされている。専
文化

福島県河沼郡柳津町に所在する国の天然記念物「柳津ウグイ生息地」は古来「魚渕(うおぶち)」と呼ばれているが、古代からウグイに纏わる伝説に彩られている[16][17][18]

宮城県北上川上流域に位置する登米市津山町横山(旧・本吉郡津山町横山江戸幕藩体制下の陸奥国本吉郡横山代官所)の横山不動尊では、不動尊の使いと扱われる(cf. 横山不動尊#横山のウグイ生息地)。
参考文献
書籍、ムック


本山荻舟『飲食事典 上巻』平凡社平凡社ライブラリー 777〉、2012年12月25日、52頁。https://www.heibonsha.co.jp/book/b160968.html。 .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-582-76777-XISBN 978-4-582-76777-3OCLC 840071356 。

魚類文化研究会、雅麗 編『 ⇒図説 魚と貝の事典』望月賢二 監修、柏書房〈図説 魚と貝の大事典〉、2005年4月1日、75頁。 ⇒http://www.kashiwashobo.co.jp/book/b227785.html。 ISBN 4-7601-2657-0ISBN 978-4-7601-2657-6OCLC 676676833 。

論文


内田明彦、川上泰、加藤茂、村田義彦「天然および養殖淡水魚からの横川吸虫Metagonimus yokogawaiメタセルカリアの検出」『日本獣医師会雑誌』第52巻第2号、日本獣医師会、1999年、115-119頁、doi:10.12935/jvma1951.52.115。 

大友良光、豊川安延「1991年青森県内で発生した2事例のE型ボツリヌス食中毒」『食品と微生物』第9巻第3号、日本食品微生物学会、1992年、177-181頁、doi:10.14840/jsfm1984.9.177。 

片野修、坂野博之「ウグイによるブルーギル卵の捕食効果についての実験的解析」『日本水産学会誌』第72巻第3号、日本水産学会、2006年、424-429頁、doi:10.2331/suisan.72.424。 

川尻稔「千曲川に於ける石塚漁業に就て」『日本水産学会誌』第17巻第7号、日本水産学会、1952年、206-210_2、CRID 1390282681392554112、doi:10.2331/suisan.17.206。 

多部田修、塚原博「北九州における海産ウグイの産卵習性とその漁法」『九州大學農學部學藝雜誌』第21巻第2,3号、九州大學農學部、1964年12月、215-225頁、CRID 1390853649767794688、doi:10.15017/22931。 

広瀬茂久、平田拓、江嵜正浩「酸性湖とアルカリ湖にすむ魚の適応戦略」『極限環境微生物学会誌』第5巻第2号、極限環境微生物学会、2006年、69-73頁、doi:10.3118/jjse.5.69。 

福田靖「 ⇒幼児と育てる飼育動物 : 魚類、両生類、甲殻類、昆虫類を中心にした事例」『紀要』第35巻、九州ルーテル学院大学、2006年12月25日、89-95頁、doi:10.15005/00000114。


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