ウクライナ
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東はロシア連邦、北はベラルーシ、西はポーランドスロバキアハンガリー、西南はルーマニアモルドバ国境を接しており、南は黒海に面し、トルコなどと向かい合う。

人口は、2021年時点で約4159万人(ロシア支配下クリミア半島を除く)[4]で、ヨーロッパで7番目に人口の多い国である。
概要

現在、ウクライナが位置している地域には紀元前3万2千年から人が住んでいたとされる。中世にはキエフ大公国キエフ・ルーシ)によって統治され、東スラブ文化の中心地としてウクライナおよびロシアのアイデンティティの基礎が形成された。

12世紀以降、モンゴルのルーシ侵攻により領土が破壊され、ポーランド・リトアニア共和国オーストリア?ハンガリー帝国オスマン帝国モスクワ大公国などに分離した(キエフ大公国の分裂)。キエフ大公国の故地のうち、現在のウクライナにあたる地域の一部は14世紀以後、小ロシアと呼ばれるようになる。

1649年、現在のウクライナにヘーチマン国家が成立し、1654年以後はモスクワ大公国(ロシア帝国)の保護を受ける。1667年ロシア・ポーランド戦争の結果ポーランドに割譲されたドニプロ川右岸地域では1699年にコサック隊は廃止される。ドニプロ川左岸地域のヘーチマン国家はロシアの防衛に貢献するコサック国家として繁栄したが、1764年にロシアのエカチェリーナ2世がヘーチマン制を廃止、翌1765年に国土はロシアの小ロシア県に編成され、1786年コサック連隊制が廃止となった。

第一次世界大戦では中央同盟国ドイツ帝国、オーストリア=ハンガリー帝国など)とロシア帝国の戦場になった(東部戦線 (第一次世界大戦))。大戦中のロシア革命でロシア帝国が崩壊するとウクライナの民族自決運動が起こった。1917年6月23日、国際的に認められたウクライナ人民共和国が宣言されたが、ロシア内戦などを経て、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国ソビエト連邦の一部となった。第二次世界大戦では独ソ戦の激戦地となった。第二次世界大戦後、ソ連は占領したポーランド東部を併合する代わりにポーランドとドイツの国境をオーデル・ナイセ線へ移動させた。旧ポーランド東部はソ連へ併合され、ウクライナ人が多く住むガリツィア地方はウクライナ西部となった。

その後、ソビエト連邦の崩壊に伴い、1991年にウクライナは独立国となった[7]

独立後、ウクライナは中立国を宣言し[8]、旧ソ連のロシアや他の独立国家共同体(CIS)諸国と限定的な軍事提携を結びつつ、1994年には北大西洋条約機構(NATO)とも平和のためのパートナーシップを結んだ。

2013年、ヤヌコビッチ政権がウクライナ・EU連合協定の停止とロシアとの経済関係の緊密化を決定した後、ユーロマイダンと呼ばれる数か月にわたるデモや抗議運動が始まり、後に尊厳革命に発展し、ヤヌコビッチの打倒と新政府の樹立につながった。これらの出来事を受け、旧ソ連圏への影響力回復を目指すロシアのウラジーミル・プーチン政権はウクライナ国内の親ロシア派を通じた内政干渉や領土蚕食を進め、2014年3月のロシアによるクリミアの併合、2014年4月からのドンバス戦争の背景となった。

2016年1月1日、ウクライナは欧州連合(EU)との深層・包括的自由貿易圏の経済コンポーネントを申請した。

2021年3月からロシアとの間で緊張が高まり、2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻が開始された[9]

ウクライナは、人間開発指数で74位の発展途上国である。加えて、ヨーロッパで2番目に貧しい国であり、非常に高い貧困率と深刻な汚職に悩まされている[10][11]。一方、肥沃な農地が広がっているため、ウクライナは世界有数の穀物輸出国である[12][13]

また、ロシア、フランスに次いで兵員数ではヨーロッパで3番目に大きな軍隊を保有している[14]国連欧州評議会欧州安全保障協力機構GUAMルブリントライアングルに加盟しており、独立国家共同体の創設国の一つであるが、独立国家共同体に加盟することはなかった。

国際指標である「腐敗認識指数」の国別ランキングでは、2021年度の時点において122位と、政治、軍事組織による長年の汚職と腐敗問題が続いている(腐敗認識指数は順位が低いほど腐敗認識される)[15][16]。詳細は「ウクライナの政治」および「 ウクライナにおける「ネオナチ問題」 」を参照
国名詳細は「ウクライナの国名(ウクライナ語版、英語版)」を参照

ウクライナドイツポーランドロシアトルコジョージアルーマニアハンガリーオーストリアイタリアギリシャチェコスウェーデンフィンランドリトアニアベラルーシセルビア黒海地中海バルト海

ウクライナの最高法規であるウクライナ憲法によると、当国の正式国号は「Укра?на」である[17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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