ウォーレン・ベイティ
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1981年、ロシア革命を克明に記録した『世界をゆるがした十日間』の著者ジョン・リードの生涯を描いた歴史大作『レッズ』で、アカデミー監督賞を受賞。実際にジョン・リードを知る在米有識者を取材、この時の回想コメントをドキュメンタリー式に劇中に織り込みながら、資本主義国家に戦いを挑む共産主義者の立場を詳細に描写。こうした画期的な手法を見せたほか、この作品では脚本、製作を兼ね、自らもリードになりきった演技を披露している。

かねて1970年代より政治的な発言が公式に増えたベイティだが、この作品を契機に完全な「リベラル派」(もしくは左派)として広く認知されてゆくことになる。

ほか1990年『ディック・トレイシー』でのコミックヒーロー、1991年の『バグジー』で世界有数の歓楽街ラスベガスの礎を築いた実在人物ベンジャミン・シーゲル役、1994年の名作同名作品のリメイク『めぐり逢い』なども、すべて主演を務めながら自ら製作を兼ねた作品でありヒット作となった。

なお、2002年にはテレビシリーズ『刑事コロンボ』の新作でのゲスト犯人役として、翌年にはクエンティン・タランティーノ監督の異色アクション映画『キル・ビル』への主演が決まりかけていたが結局いずれも実現しなかった。『キル・ビル』は、続編も含め彼の替わりにデビッド・キャラダインがキャスティングされた。
私生活
政治活動

作品でも政治的、社会的な思想の影響が反映されているが、ベイティの名を広く知らしめたのは政治的な活動である。民主党を支持しており、公でもリベラル派を意識した発言が目立つ一方で、ビル・クリントン大統領の後任候補を決める大統領選挙に民主党候補として出馬を模索するなど、話題となる行動を常に繰り返した。映画において、そうした合衆国の政治情勢を痛烈に皮肉った1998年の監督・主演作『ブルワース』が、彼の意識を物語っている。カリフォルニア州知事選の民主党候補との噂もあった。
プレイボーイ

映画でのヒットの陰で、彼の女性遍歴もまた華やかさを極めた。その相手のほとんどが共演した女優たちであり、デビュー作で悲恋を演じたナタリー・ウッドとプライベートで交際したり、『ギャンブラー』で共演したジュリー・クリスティ、『レッズ』で共演したダイアン・キートン[5]らと相次いで浮名を流したりするなどの噂も絶えなかったが、いずれも交際のみで、婚約までには至らなかった。他にも噂となった相手はフランス映画界の有名女優であるイザベル・アジャーニからマドンナまで、そうそうたる顔ぶれでゴシップの材料にされた(他にはレスリー・キャロンキャリー・フィッシャーカトリーヌ・ドヌーヴフェイ・ダナウェイダリル・ハンナメラニー・グリフィスバーバラ・ハーシージョーン・コリンズウルスラ・アンドレスマリア・カラスジャクリーン・ケネディ)。

姉のシャーリー・マクレーンは、こうしたベイティの私生活に対して諌める発言をしたといわれている。これが功を奏したか否か、1992年、交際中の女優アネット・ベニングとの間に女児ができ、同年に結婚。2年後には男児が誕生。2児の父となった後はスキャンダラスな話題は浮上していない。いまでは4人の子供がいる。
その他

1968年(昭和43年)3月に来日している。また1980年代にも『レッズ』の前宣伝で1982年(昭和57年)4月に、空港で記者団に1981年度アカデミー賞最優秀監督賞の感想を聞かれると「ベリーナイス」とのみ答えた。当時の恋人と噂されたダイアン・キートンに話が及ぶと沈黙。テレビ、雑誌、新聞の各単独記者会見でもノーコメントが多かった。

主な出演作品

公開年邦題
原題役名備考
1961
草原の輝き
Splendor in the Grassバッド・スタンパー
ローマの哀愁
The Roman Spring of Mrs.Stoneパオロ・ディ・レオ
1964リリス
Lilithヴィンセント・ブルース
1965ミッキー・ワン
Mickey Oneミッキー・ワン
のぞき
Promise Her Anythingハーレイ・ルメル
1966カレードマン/大胆不敵
Kaleidoscopeバーニー・リンカーン
1967俺たちに明日はない
Bonnie and Clydeクライド・バロウ兼製作
1970この愛にすべてを
The Only Game in Townジョー・グレイディ
1971バンクジャック
$[Dollars]ジョー・コリンズ
ギャンブラー
McCabe & Mrs. Millerジョン・マッケイブ
1974パララックス・ビュー


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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