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1989年にサム・ハムが執筆した未採用の映画脚本では、ヴェイトの最終目的を「過去のオスターマンを殺害しDr.マンハッタンの出現を防ぐこと」としており、Dr.マンハッタンがヴェイトを殺害した時に歴史は変更され、オスターマンはDr.マンハッタンに変貌しない事になる、というストーリーであった[24][25]
コメディアン/エドワード・モーガン・ブレイク(The Comedian/Edward Morgan Blake)
キーン条約の制定後に活動している政府公認のヒーロー。「ミニッツメン」の発足当時からヒーローとして活動しており、当初はギャングと戦っていたが、太平洋戦争ベトナム戦争に従軍して政府にコネを作り、イランアメリカ大使館人質事件を解決するなど工作員として活動していた。また、ウォーターゲート事件を追跡していた記者を殺害し、ジョン・F・ケネディを暗殺した張本人であることが示唆されている。失踪したフーデッド・ジャスティスの行方を追う任務にもついており、公式には失敗したと記録されているが、発見し殺害した上で成果を偽ったとも推察されている。自らの暴力衝動を満たす為にヒーローとなるような過激で粗暴な人物だが、それ故に「20世紀という時代のパロディ」となることを選んだ。かつてサリーをレイプしようとした事があり、ホリス・メイソン(初代ナイトオウル)の自伝でそれが暴露された。そのためローリーから敵視されているが、その事件後合意の下で性行為を行っており、その際にできた子供が後のローリーであることが明かされる。ミニッツメン時代のコスチュームは顔をドミノマスクで隠した薄い布の黄色いコスチュームだった。任務中に負傷した後、革製のフルフェイスマスクと星条旗をアレンジした革製のボディアーマーに変更している。また、スマイリーフェイスマークのバッジを愛用しており、コメディアンの血に汚れたバッジは本作のシンボルである。死亡する約1週間前、任務からの帰還途中地図上に記載されていない島を発見し、反政府組織の拠点であると疑い島に降り立つも、そこで進められるオジマンディアスの計画の全貌を目撃してしまう。オジマンディアスによる「史上最大の悪質なジョーク」を目の当たりにしたコメディアンは精神のバランスを崩し、モーロックのもとを訪れ怒り涙する。そして、その一部始終を監視していたオジマンディアスに殺害されてしまう。コメディアンの原型となっているのは、チャールトン・コミックに登場する平和の為なら暴力も厭わないという主義を持つスーパーヒーロー「ピースメーカー(Peacemaker)」であり、更にマーベル・コミックのCIA諜報員ヒーロー「ニック・フューリー(Nick Fury)」の要素が加えられている。ムーアとギボンズは、コメディアンを「巨体と怪力を与えられたジョージ・ゴードン・リディ的なキャラクター」と考えていた[6]
二代目ナイトオウル/ダニエル・“ダン”・ドライバーグ(Nite Owl II/Daniel "Dan" Dreiberg)
フクロウをモチーフにしたコスチュームを身に纏うヒーロー。かつてはロールシャッハの相棒として活躍していたが、キーン条例の制定と共に引退していた。引退後は鳥類に関する論文を科学誌に寄稿している。また、先代のホリス・メイソンやロールシャッハとの間には友人関係が続いている。子供の頃から騎士物語やヒーローに憧れており、銀行家であった父の遺産で装備を整え、メイソンが引退すると許可を取り名前を襲名してデビューした。ステルス機能に加えて火炎放射器やミサイル、機関砲を搭載した飛行船オウルシップ・アーチー[注 8]、小型レーザーホバーバイク、各種防護服、暗視ゴーグルを使用する。また、ベルトには様々な装備品が収納されたポーチが備わっており、リモコンを使ってアーチーを遠隔操作することなども可能。自ら引退の道を選んだものの、未だ情熱を抱き押さえ込んでいたためインポテンツであったが、ローリーとの再会などを経てヒーロー活動を再開するにつれてかつての輝きを取り戻す。モデルは「二代目ブルービートル/テッド・コード(Blue Beetle II/Ted Kord)」。コードは先代であるダン・ギャレット(Dan Garrett)の遺志を受け継ぎ、二代目ブルービートルとして、昆虫型の飛行船を乗り回し、自ら発明した武器を手に戦うヒーローだった。正体が新人警官である先代のギャレットは、初代ナイトオウルであるホリス・メイソンのモデルにもなっている[6]。リチャード・レイノルズは自著『Super Heroes: A Modern Mythology』において、ナイトオウルの行動様式にはDCの「バットマン」とより大きな共通点が見られると述べている[26]。ジェフ・クロックによれば、ドライバーグの普段の姿は「中年に達した性的不能のクラーク・ケントを連想させる」[27]。ギボンズはドライバーグを「自分の趣味に過度に没頭する、漫画マニアの少年」だと考えていた[28]
オジマンディアス/エイドリアン・ヴェイト(Ozymandias/Adrian Veidt)
卓越した頭脳を持ち、世界で最も賢い男と呼ばれる。優れたアスリートでもあり、その身体能力は至近距離で発射された銃弾を素手で受け止められるほど高い。金色のヘッドバンド、マント、胸飾りのついたチュニックというコスチュームを着用。現役時代はドミノマスクで顔を隠していたが、引退後にコスチュームを着る際には素顔のままである。かつてはアレキサンダー大王に憧れてユーラシア大陸を放浪したが、彼が失敗した事を悟ると今度はラムセス2世に学んだ。名前の「オジマンディアス」は、ラムセス2世のギリシャ語名にちなんだものである。キーン条約の制定以前に人気を保ったまま引退したため市民から賞賛されている人物でもあり、その知名度を活かしてヴェイト社を世界的企業にまで成長させた。南極に巨大な秘密基地「カルナック」を保有しており、Dr.マンハッタンの発明品を実用化して様々な研究へと投資することでアメリカを発展させている。この成果でもある遺伝子操作で生み出された猫科の動物ブバスティスを伴っており、これは現役時代には存在していなかったが、オジマンディアスのアニメなどでは共に活躍しているなど、彼のトレードマークとして認識されている。その頭脳により世界を滅亡させかねない核戦争の勃発が間近に迫っているという結論を導き出したオジマンディアスは、これを阻止するため「人類にとっての共通の敵」を作る事で敵対する国家同士を結びつけるということを画策する。まず、ヒーローとしての絶頂期に自ら引退することでその後の事業を優位に進め、莫大な富と名声を築き最先端の技術を手にした。さらに計画を進めるための拠点として島を買い上げ、そこへ世界中の優れた科学者や芸術家、超能力者などを結集させ、超能力者の脳髄から培養し膨大な量の情報を組み込んだ強大な脳を移植した巨大なエイリアンを創造しそれをニューヨークへ転送。テレポートされた生物は転送中に死ぬか転送先で爆発するという問題点を活かしてニューヨークを襲い、爆発によって死ななかった者をその爆発によって発生した精神波動の衝撃波によって死に至らせ、衝撃波でも死ななかった者には奇怪な幻覚により精神異常を起こさせる。そしてそれを「エイリアンの侵略によりニューヨーク市民の半分が殺された」と偽装するという計画であった。モデルは「サンダーボルト(Thunderbolt)」。ヒマラヤのラマ僧院で育てられ古代の賢者の秘術を授けられたキャラクターであり、ムーアは「脳の全領域を使用することで肉体と精神を完全に活用できるようになった」という設定に感銘を受けていた[6]。ギボンズは「ヴェイトの最悪の罪の一つは、ある意味で残りの人類を見下し嘲笑していることなんだ」と述べている[29]。2008年にヴェイトは『フォーブス』誌が選ぶ「架空の大富豪ベスト15」の第10位にランクインした[30]
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