ウォッチメン
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

また、同じくディッコによって創造された「クエスチョン(Question)」も、ロールシャッハのモデルとして使用されている[6]。コミック史研究家のブラッドフォード・W・ライトは、ロールシャッハの世界観とは「彼の名の由来となったインクの染みを用いた心理学テストの様に、黒と白は様々な形を取っても、決して灰色に交じり合う事がない」物だと述べている。ロールシャッハにとって世界は偶然に支配された場所であり、ライトによればこの世界観がロールシャッハに「『モラルの欠落した世界』へ思うがままに『自らデザインした模様を書き殴らせて』いる」理由だという[20]
Dr.マンハッタン/ジョナサン・“ジョン”・オスターマン(Doctor Manhattan/Jonathan "Jon" Osterman)
イントリンジック・フィールドの実験室で起きた事故により超人的能力を得た、本作における唯一の超人。あらゆる原子を思うがままに操作できる能力を持つ。また、時間を超越しているため自分の体験した過去・現在・未来の事象を全て同時に認識している。その一方で、超人的な能力の影響を受けて徐々に人間性を喪失しているが、その事を周りの人間に理解されていないため、以前の恋人ともすれ違いの後に別れ、現在の恋人であるローリー(二代目シルクスペクター)との仲も悪化しつつあり孤立を深めている。全身が水色で、体毛が一切ない。額に水素原子をモチーフにしたマークを描いている。デビュー当初は黒いボディスーツを着用していたが、年月を経るにつれて面積が減少し、レオタード状、パンツ、ビキニパンツとなり、最終的には全裸となる[注 6]。キーン条例制定後もベトナム戦争を勝利に導いた功績に加え、ソビエトに対する抑止力、国防の要として活動が許可された。その技術によってアメリカの文明は大きく発展しており、現代を凌ぐほどの数々の新技術が存在する。これは他のスーパーヒーローの装備品にも影響を及ぼしている[注 7]。モデルは「キャプテン・アトム(Captain Atom)」である。キャプテン・アトムはロケットの爆発事故で原子分解された事からスーパーパワーを手に入れたヒーローで、自分の持つ核エネルギーを周囲の人間に警告する原子マークのコスチュームを着用している。ムーアの原案上では、キャプテン・アトムは核戦争の恐怖を体現するキャラクターであったが[6]、ムーアはDr.マンハッタンに対しては、彼がキャプテン・アトムで考えていた時以上の「量子力学的スーパーヒーロー」の要素を付け加えている。また、当時のスーパーヒーローが彼らのオリジンに対して科学考証を欠いていたのに対し、ムーアはDr.マンハッタンの構築に当たって原子核物理学量子力学に関する考証を試みた。ムーアは、量子力学的宇宙に生きる人物は遠近法的な視点で時間を知覚せず、それは彼の人間関係の受け取り方に影響を及ぼすであろうと考えたが、『スタートレック』のスポックの様な無感情なキャラクターを創造するのは避けたいと望み、Dr.マンハッタンにある程度の「人間的な習慣」を残すことで、そこからストーリーが進むにつれ徐々に人間性を失っていく様を描いた[1]。ギボンズはムーアに対し、かつて自身が創造した全身青色のキャラクター「ローグ・トルーパー(Rogue Trooper)」を基に、Dr.マンハッタンの皮膚の色調にはそのモチーフを再利用しようと提案、ムーアはその提案を採用した。それにより、ギボンズはコミックの色彩設計の中でDr.マンハッタンが取り分けユニークなキャラクターになったと語っている[21]。一方のムーアは、DCが全裸の登場人物を許可するかどうか確信が持てず、Dr.マンハッタンの描写には苦心した事を回想している[22]。ギボンズはマンハッタンの全裸を上品に作画する事を試み、正面を描くタイミングを慎重に選択し、読者がすぐにはそれと気付かないような、ギリシャ彫刻風の、「慎み深い」男性器を彼に与えたとしている[23]。1989年にサム・ハムが執筆した未採用の映画脚本では、ヴェイトの最終目的を「過去のオスターマンを殺害しDr.マンハッタンの出現を防ぐこと」としており、Dr.マンハッタンがヴェイトを殺害した時に歴史は変更され、オスターマンはDr.マンハッタンに変貌しない事になる、というストーリーであった[24][25]
コメディアン/エドワード・モーガン・ブレイク(The Comedian/Edward Morgan Blake)
キーン条約の制定後に活動している政府公認のヒーロー。「ミニッツメン」の発足当時からヒーローとして活動しており、当初はギャングと戦っていたが、太平洋戦争ベトナム戦争に従軍して政府にコネを作り、イランアメリカ大使館人質事件を解決するなど工作員として活動していた。また、ウォーターゲート事件を追跡していた記者を殺害し、ジョン・F・ケネディを暗殺した張本人であることが示唆されている。失踪したフーデッド・ジャスティスの行方を追う任務にもついており、公式には失敗したと記録されているが、発見し殺害した上で成果を偽ったとも推察されている。自らの暴力衝動を満たす為にヒーローとなるような過激で粗暴な人物だが、それ故に「20世紀という時代のパロディ」となることを選んだ。かつてサリーをレイプしようとした事があり、ホリス・メイソン(初代ナイトオウル)の自伝でそれが暴露された。そのためローリーから敵視されているが、その事件後合意の下で性行為を行っており、その際にできた子供が後のローリーであることが明かされる。ミニッツメン時代のコスチュームは顔をドミノマスクで隠した薄い布の黄色いコスチュームだった。任務中に負傷した後、革製のフルフェイスマスクと星条旗をアレンジした革製のボディアーマーに変更している。また、スマイリーフェイスマークのバッジを愛用しており、コメディアンの血に汚れたバッジは本作のシンボルである。死亡する約1週間前、任務からの帰還途中地図上に記載されていない島を発見し、反政府組織の拠点であると疑い島に降り立つも、そこで進められるオジマンディアスの計画の全貌を目撃してしまう。オジマンディアスによる「史上最大の悪質なジョーク」を目の当たりにしたコメディアンは精神のバランスを崩し、モーロックのもとを訪れ怒り涙する。
次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:176 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef