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ジェフ・クロックによれば、ドライバーグの普段の姿は「中年に達した性的不能のクラーク・ケントを連想させる」[27]。ギボンズはドライバーグを「自分の趣味に過度に没頭する、漫画マニアの少年」だと考えていた[28]
オジマンディアス/エイドリアン・ヴェイト(Ozymandias/Adrian Veidt)
卓越した頭脳を持ち、世界で最も賢い男と呼ばれる。優れたアスリートでもあり、その身体能力は至近距離で発射された銃弾を素手で受け止められるほど高い。金色のヘッドバンド、マント、胸飾りのついたチュニックというコスチュームを着用。現役時代はドミノマスクで顔を隠していたが、引退後にコスチュームを着る際には素顔のままである。かつてはアレキサンダー大王に憧れてユーラシア大陸を放浪したが、彼が失敗した事を悟ると今度はラムセス2世に学んだ。名前の「オジマンディアス」は、ラムセス2世のギリシャ語名にちなんだものである。キーン条約の制定以前に人気を保ったまま引退したため市民から賞賛されている人物でもあり、その知名度を活かしてヴェイト社を世界的企業にまで成長させた。南極に巨大な秘密基地「カルナック」を保有しており、Dr.マンハッタンの発明品を実用化して様々な研究へと投資することでアメリカを発展させている。この成果でもある遺伝子操作で生み出された猫科の動物ブバスティスを伴っており、これは現役時代には存在していなかったが、オジマンディアスのアニメなどでは共に活躍しているなど、彼のトレードマークとして認識されている。その頭脳により世界を滅亡させかねない核戦争の勃発が間近に迫っているという結論を導き出したオジマンディアスは、これを阻止するため「人類にとっての共通の敵」を作る事で敵対する国家同士を結びつけるということを画策する。まず、ヒーローとしての絶頂期に自ら引退することでその後の事業を優位に進め、莫大な富と名声を築き最先端の技術を手にした。さらに計画を進めるための拠点として島を買い上げ、そこへ世界中の優れた科学者や芸術家、超能力者などを結集させ、超能力者の脳髄から培養し膨大な量の情報を組み込んだ強大な脳を移植した巨大なエイリアンを創造しそれをニューヨークへ転送。テレポートされた生物は転送中に死ぬか転送先で爆発するという問題点を活かしてニューヨークを襲い、爆発によって死ななかった者をその爆発によって発生した精神波動の衝撃波によって死に至らせ、衝撃波でも死ななかった者には奇怪な幻覚により精神異常を起こさせる。そしてそれを「エイリアンの侵略によりニューヨーク市民の半分が殺された」と偽装するという計画であった。モデルは「サンダーボルト(Thunderbolt)」。ヒマラヤのラマ僧院で育てられ古代の賢者の秘術を授けられたキャラクターであり、ムーアは「脳の全領域を使用することで肉体と精神を完全に活用できるようになった」という設定に感銘を受けていた[6]。ギボンズは「ヴェイトの最悪の罪の一つは、ある意味で残りの人類を見下し嘲笑していることなんだ」と述べている[29]。2008年にヴェイトは『フォーブス』誌が選ぶ「架空の大富豪ベスト15」の第10位にランクインした[30]
二代目シルクスペクター/ローレル・ジェーン・“ローリー”・ジュスペクツィク(Silk Spectre II/Laurel Jane "Laurie" Juspeczyk)
初代シルクスペクターことサリーの娘であり、彼女によってスーパーヒーローとしての英才教育を施されて成長するとシルクスペクターの名を継いだ。しかし、ローリーは「親に押し付けられた」と反発している。また、母親がブレイクを憎んでいない事に対して怒りを抱き続けている。現在は引退してDr.マンハッタンの恋人として同棲しているが、彼の価値観を受け入れる事ができず、関係は悪化している。黒色のボンデージのようなコスチュームに、透き通った黄色の上着、ハイヒールを着用する。映画版においてはコスチュームが大きく異なり、黄色と黒のボンデージ風スーツに、長手袋、ロングブーツ。現役時代は、髪型もポニーテールに変えている。彼女とDr.マンハッタンの関係は、キャプテン・アトムとその恋人「ナイトシェイド(Nightshade)」の関係に似ているが、他の主要人物とは異なり、シルクスペクターはチャールトンに特定のモデルキャラクターを持っていない。登場人物の中に女性ヒーローの必要性を感じたムーアは、「ブラックキャナリー(Black Canary)」や「ファントムレディ(Phantom Lady)」の様なアメコミヒロインから着想を得てシルクスペクターを描いた[6]IGNで紹介されている2003年に書かれたデビッド・ヘイターによる映画『ウォッチメン』草稿では、ローリーの姓はジュピターであり、コードネームはスリングショットであった[31]
ミニッツメン
フーデッド・ジャスティス(The Hooded Justice

1930年代、コミックブック『スーパーマン』の第一号発売とほぼ同時期に登場した世界最初のコスチュームヒーロー。1938年10月、カップルを襲った暴漢を撃退したことで新聞に取り上げられると、更にその翌週スーパーマーケットを襲った強盗団をたった一人で鎮圧し「フードを被った正義(The Hooded Justice)」として一躍有名人となり、その時に身につけていた黒いフルフェイスフード、ロープ、赤いケープをコスチュームとしてヒーロー活動を始める。1940 - 1950年代のヒーローブームを生み出し、自身のデビューを機に相次いで活動を始めたヒーローたちと「ミニッツメン」を結成しその一員としても活躍した。1950年代の共産主義者狩りの際、政府からの身分開示要請を拒否して失踪した。ゲイで極度のサディストでもあり、キャプテン・メトロポリスとは恋人同士だった。しかし、彼の暴力的傾向から倦怠期に陥り破局した。第二次世界大戦以前にはナチスを賞賛する発言もしていたという。フーデッド・ジャスティスの失踪の調査をオジマンディアスが行った際、それを妨害する形でコメディアンが接触、初の敗北を喫した事でオジマンディアスがコメディアンに恨みを抱くきっかけとなった。正体は、フーデッド・ジャスティスの失踪と同時期に失踪し後に死亡が確認されたサーカスの怪力男ロルフ・ミュラーと推察されるが真偽は不明。ミュラーは移民系の東ドイツ人であり、共産主義者であった。コメディアンのレイプ未遂を阻止した事から、恨みを抱いていた彼に射殺されたとも推察されている。ドラマ版ではその正体は黒人警官ウィル・リーブスであり、人種差別主義者からその素性を隠すために白人ヒーローのふりをしていたが、KKKとの戦いにミニッツメンが協力してくれなかったために引退したと設定された。しかし妻を妊娠させた既婚者であるにも関わらずキャプテン・メトロポリスとも恋人となる両性愛者であるという点や、黒人警官であるウィルが人種差別政策を行うナチスを絶賛すると思えない点、同僚の警官であるナイトオウル1世がまったく正体に気づかなかった点、原作で報復を行ったと思われるコメディアンおよび調査を行った人類最高の天才であるオジマンディアスらも正体を掴めなかった事になる点など、数々の矛盾が生じている。
ナイトオウル/ホリス・メイソン(Nite Owl/Hollis T. Mason)
1930年代に登場した最初期のヒーロー。正義感から警察官となり、コミックブック『スーパーマン』に憧れ、フーデッド・ジャスティスの活躍に影響を受けて自らもヒーローとなった。後にフーデッド・ジャスティス、初代シルクスペクター、コメディアン、キャプテン・メトロポリス、ダラー・ビル、モスマン、シルエットらと共にチーム「ミニッツメン」の創立メンバーとなる。1960年代に自身を時代遅れだと悟って引退し、現在は自動車修理工場を経営している。彼の自伝『仮面の下で(UNDER THE HOOD)』は作中世界におけるヒーローについての重要な資料となっている。現役時代は手足を自由にした革鎧と鎖帷子のコスチュームを着用。顔はドミノマスクで隠していた。コスチュームを作成する過程で様々な試行錯誤を繰り返しており、端的に『ウォッチメン』のヒーローが如何に現実的で滑稽な存在かを象徴する人物でもある。
シルクスペクター/サリー・ジュピター(Silk Spectre/Sally Jupiter)
マネージャーのローレンス・シュクスナイダーと共にヒーローの商業的価値を見出し、往年の名女優らと並ぶセックスシンボルとしても活躍。ブレイク(コメディアン)によるレイプ未遂やシュクスナイダーとの結婚を機に引退した。娘にヒーローとしての英才教育を施して二代目シルクスペクターとしてデビューさせた。現在はシュクスナイダーと離婚し、カリフォルニアに移住して静養中である。当初はローリーと同じ黄色と黒を基調としたコスチュームを着用していた。
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