ウィリアム・S・バロウズ
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このため、1997年に83歳で亡くなった時にはメサドンによる維持療法を受けていた。

友人のブライオン・ガイシンとともに、文章をバラバラに刻んでランダムに繋げる「カットアップ」という実験的な手法の発明者であり、この手法を駆使した作品を何作か発表しているが、1980年代に入ってからはストーリー性を重視したスタイルに移行している。『裸のランチ』は、1992年カナダの映画監督デヴィッド・クローネンバーグにより映画化された。ただ、作品は原作を忠実になぞったような性格のものではなく、あくまでバロウズの作品を元に、クローネンバーグによって新たに再構成された、オリジナル作品というべき内容になっている。

1960年代?1970年代以降、バロウズの作品はSF界でも注目され、J・G・バラードジュディス・メリルはバロウズ作品を「理想的なSF」と呼んだ。山野浩一がセレクションした「サンリオSF文庫」にも作品が収録されている。また安田均大野万紀らが結成した「関西海外SF研究会(KSFA)」というファングループは、バロウズの作品から名前をとって、『ノヴァ・エクスプレス』という同人誌を発行していた。

フィリップ・K・ディックの作品『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』が映画化される際、関係者がたまたま手にとったバロウズの著作『ブレードランナー』の語感が良かったので、映画の題名は『ブレードランナー』となった(内容は全く無関係)。
主な著作
小説および長編

『ジャンキー
(英語版)』 Junkie: Confessions of an Unredeemed Drug Addict 1953年

鮎川信夫思潮社 1969年 のち新装版 1980年 のち河出書房新社河出文庫)2003年


『おかま』 Queer 1951 - 1953年(出版 1985年)

山形浩生柳下毅一郎ペヨトル工房 1988年


裸のランチ』 The Naked Lunch 1959年

鮎川信夫訳 河出書房新社(人間の文学19)1965年 のち同社(モダン・クラシックス)1971年 のち同社(河出海外小説選16)1978年 のち同社新装版 1987年 のち同社完全版 1992年 のち同社(河出文庫)2003年


『ソフト・マシーン』 The Soft Machine 1961年

『やわらかい機械』世界文学翻訳研究所訳 浪速書房 1965年

山形浩生、曲守彦訳 ペヨトル工房 1989年

山形浩生、柳下毅一郎訳 河出書房新社(河出文庫)2004年


『爆発した切符』 The Ticket That Exploded 1962年

飯田隆昭サンリオサンリオSF文庫)1979年


『ノヴァ急報』 Nova Express 1964年

諏訪優訳 サンリオ(サンリオSF文庫)1978年

山形浩生訳 ペヨトル工房 1995年


ダッチ・シュルツ 最期のことば』 The Last Words of Dutch Schultz 1970年

山形浩生訳 白水社 1992年


『猛者(ワイルド・ボーイズ)―死者の書』 The Wild Boys A Book of Dead 1971年

山形浩生訳 ペヨトル工房 1990年


ブレードランナー』Blade Runner, a movie 1979年

山形浩生訳 リブロポート 1990年


『シティーズ・オブ・ザ・レッド・ナイト』 Cities of the Red Night 1981年

飯田隆昭訳 思潮社 1988年


『デッド・ロード』 The Place of Dead Roads 1983年

飯田隆昭訳 思潮社 1990年


『内なるネコ』 The Cat Inside 1986年

山形浩生訳 河出書房新社 1994年


『ウエスタン・ランド』 The Western Lands 1987年

飯田隆昭訳 思潮社 1991年


『トルネイド・アレイ』 Tornado Alley 1989年

清水アリカ訳 思潮社 1992年


『ゴースト』 Ghost of Chance 1991年

山形浩生訳 河出書房新社 1996年


『夢の書 わが教育』 My Education: A Book of Dreams 1995年

山形浩生訳 河出書房新社 1998年


短編集

『おぼえていないときもある』 Exterminator!
1973年

浅倉久志ペヨトル工房 1993年


『ア・プーク イズ ヒア』 Ah Pook is Here, Nova Express, Cities of the Red Night 1981年

飯田隆昭訳 ファラオ企画 1992年


『バロウズという名の男』 The Adding Machine: Collected Essays 1985年

山形浩生訳 ペヨトル工房 1992年


共著

『そしてカバたちはタンクで茹で死に』 And the Hippos Were Boiled in Their Tanks 1945年(出版 2008年)
[5]

山形浩生河出書房新社 2010年


麻薬書簡』 The Yage Letters 1963年[6]

『麻薬書簡』飯田隆昭諏訪優思潮社(現代の芸術双書19)1966年 のち同社新装版 1973年 のち同社再版 1986年

『麻薬書簡 : 再現版』山形浩生訳 河出書房新社(河出文庫)2007年


ディスコグラフィ

『ザ・プリースト ゼイ・コールド・ヒム』 the "Priest" they called him
バロウズの大ファンだった
ニルヴァーナカート・コバーンとの共演作品。



フィルモグラフィ
出演(劇映画)

チャパクア』Chappaqua (1966年)

『デコーダー (映画)』Decorder (1983年)

『映画を探して』It Don't Pay To Be An Honest Citizen (1984年)

『ワンナイト・オブ・ブロードウェイ』Bloodhounds Of Broadway (1988年)

ドラッグストア・カウボーイ』Drugstore Cowboy (1989年)(トム・マーフィ神父役)

『ツイスター/大富豪といかれた家族たち』Twister (1990年)

『WAX 蜜蜂テレビの発見』Wax or the discovery of television among the bees (1991年)

出演(ドキュメンタリー映画)

『バロウズ
』Burroughs: The Movie (1984年)

『ケルアックに何が起こったのか?』What Happened To Keruac? (1985年)

ローリー・アンダーソン 0&1 トップ』Home of the Brave (1986年)

ヘビー・ペッティング』Heavy Petting (1988年)

アインシュタインの脳』Einstein's Brain (1994年)

『SEPTEMBER Songs 9月のクルト・ヴァイル』September Songs (1995年)

『シェルタリング・スカイを書いた男 ポール・ボウルズの告白』Let It Come Down: The Life Of Paul Bowles (1998年)

『ビートニク』The Source (1999年)

DVD


『ザ・ファイナル・アカデミー・ドキュメンツ』 (2007年)

『路上の司祭』 (2007年)

Video


William S. Burroughs American writers and visual artists

関連映画

バロウズの妻』(2000年)

参考文献

山形浩生『たかがバロウズ本。』(大村書店・2003年2月) - 日本でバロウズ本の翻訳をほぼすべて手掛けてきた訳者・山形浩生によるバロウズ研究の決定版。構想10年、執筆4年、450頁の大著。現在は絶版だが、全文のPDFが無料公開されている(山形の著作権保有部分については、全体・部分を問わずクリエイティブ・コモンズ・ライセンスとして自由な複製・改変・再配布が可能)。

関連項目

ジャック・ケルアック

アレン・ギンズバーグ

ヒッピー

キャシー・アッカー - 女版バロウズと呼ばれた、アメリカの作家。

脚注^ Chandarlapaty、R。


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