ウィリアム・モリス
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1878年ハマースミスに転居し、別荘のあったケルムスコットに因んで「ケルムスコット・ハウス」と名付けた。

1883年、民主連盟に参加し、マルクスの『資本論』を読んだ。

1885年、社会主義同盟を結成。

1891年、ケルムスコットプレスを設立、美しい装丁の書物を出版した(後に『チョーサー著作集』などを刊行)。

1892年、詩人アルフレッド・テニスンが死去し、モリスは桂冠詩人に推薦されたが辞退した。

1896年、病気のため死去。

モリスの活動

ヴィクトリア朝のイギリスでは産業革命の成果により工場で大量生産された商品があふれるようになった。反面、かつての職人はプロレタリアートになり、労働の喜びや手仕事の美しさも失われてしまった。モリスは中世に憧れて、モリス商会(Morris & Co.)を設立し、インテリア製品や美しい書籍を作り出した(植物の模様の壁紙やステンドグラスが有名)。生活と芸術を一致させようとするモリスのデザイン思想とその実践(アーツ・アンド・クラフツ運動)は各国に大きな影響を与え、20世紀のモダンデザインの源流にもなったといわれる。

プロレタリアートを解放し、生活を芸術化するために、根本的に社会を変えることが不可欠だと考えたモリスはマルクス主義を熱烈に信奉し、E. B. バックスやエリノア・マルクスカール・マルクスの娘)らと行動をともにした。エリノアらとヘンリー・ハインドマンの社会民主連盟を脱退し、1885年、社会主義同盟を結成、その後、再びエリノアらと脱退し、エリノアらとハマスミス社会主義協会を結成した。

絵画 "La Belle Iseult"(1858)

エドワード・バーン=ジョーンズと共作のステンドグラス、『The Worship of the Magi』、トリニティー教会

壁紙 (1875)

タペストリー(1885)

主な著作

「民衆の芸術」(1879年の講演)、
中橋一夫訳、岩波文庫(復刊2020年ほか)。グーテンベルク21電子出版、2021年。他に芸術論はkindle版あり(電子出版のみ)

内藤史朗訳「民衆のための芸術教育」明治図書


「ジョン・ボールの夢」(1888年)、生地竹郎訳、未來社。ワット・タイラーの乱を題材にした小説

「ユートピアだより」(1890年)、川端康雄訳、岩波文庫、2013年(電子書籍・2015年)。旧版は松村達雄訳/五島茂飯塚一郎訳、中公クラシックス(電子書籍・2014年)

「サンダリング・フラッド 若き戦士のロマンス」(遺作)、中桐雅夫訳、新編:平凡社ライブラリー。電子書籍・2014年

「理想の書物」(晩年の講演・エセー集)、ウィリアム・S・ピータースン編、川端康雄訳、晶文社、1992年/新編:ちくま学芸文庫、2006年

『ウィリアム・モリス・コレクション』全9巻、晶文社、2000-2003年。

「世界のかなたの森」(新版)小野二郎訳

「ジョン・ボールの夢」 横山千晶訳

「輝く平原の物語」 小野悦子訳

「ユートピアだより もしくはやすらぎの一時代」 川端康雄訳

「世界のはての泉」(上下) 川端康雄・兼松誠一訳

「不思議なみずうみの島々」(上下) 斎藤兆史

「アイスランドへの旅」 大塚光子訳


『地上の楽園 春から夏へ』 、『秋から冬へ』、森松健介訳、音羽書房鶴見書店、2016-2017年。長編物語詩

『社会主義 その成長と帰結』 E・B・バックス共著、川端康雄監訳、晶文社、2014年。大内秀明監修

『素朴で平等な社会のために』 城下真知子訳、せせらぎ出版、2019年

『小さな芸術 社会・芸術論集T』 川端康雄編訳、月曜社、2022年。講演集8篇

続巻『U 有用な仕事と無用な労苦』、『V 楡の木陰で』、2024年予定


伝記・紹介

加田哲二 『ウヰリアム・モリス』 岩波書店、1924年

壽岳文章ほか 『モリス記念論集』 沖積舎、1996年(復刻)、原版はモリス生誕百年記念協会、川瀬日進堂書店、1934年


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