ウィキ
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大抵のウィキはそれぞれ独自のマークアップ構文を持ち、ウィキの文書はその構文に従って記述され、そして文書ファイルとして保存される。また文書が閲覧されるときには、マークアップはウィキエンジンによって適切なHTMLに変換されて、ウェブブラウザはそのHTMLを表示することになる。簡単なウィキでは基本的なテキストのフォーマットのみが用意され、もっと複雑なウィキでは、画像テンプレートによる定型文など、さらには投票ゲームまで実現するものもある。ただ、あまりに多様なので、標準化しようという動きがある。[要出典]
マークアップ構文とHTMLへの変換例

MediaWikiの構文変換後のHTML表示例
[[文部科学省|文科省]]<a href="/wiki/文部科学省" title="文部科学省">文科省</a>
文科省

*国語辞典
*漢和辞典
*類義語辞典
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国語辞典

漢和辞典

類義語辞典

鳴かぬなら、''鳴くまで待とう''、ホトトギス鳴かぬなら、<i>鳴くまで待とう</i>、ホトトギス鳴かぬなら、鳴くまで待とう、ホトトギス
鳴かぬなら、'''鳴くまで待とう'''、ホトトギス鳴かぬなら、<strong>鳴くまで待とう</strong>、ホトトギス鳴かぬなら、鳴くまで待とう、ホトトギス

(参考:国語辞典漢和辞典類義語辞典三英傑#ホトトギスの喩え

上の例では、HTMLでは <strong>?</strong> タグを使って強調するところをウィキ構文では '''?''' を使っていたり、ウィキ構文の二重角括弧で文部科学省|文科省という文字列を囲ったりすることで同じウィキ内の別の文書へのリンクに変換されているのが見て取れる。

HTML自体は高機能で、豊富な種類の要素を複雑に入れ子にしたり、見栄えを調整するスタイルシートなどを埋め込んだりすることもできる。一般的なウィキにおいては、これらの機能を制限することによって、個々のユーザーがスタイルを埋め込み、全体としての一貫性が崩れる可能性を回避している。また同時に、文書の見栄えではなく内容にフォーカスして投稿することができる。

さらに、発展的なウィキエンジンでは記事の編集に Ajax などで作られた WYSIWYG エディタを内蔵しているものもある。これにより、クライアントサイドでの編集を容易にすることができる。ブラウザ外部のフロントエンドツールを用いて編集を簡素化するツールも存在する。
リンクとページ作成

ウィキは真のハイパーテキストメディアで、その読者を関係するページへと容易にナビゲーションをする構造を持つ。各ページは通常、他のページへの多数のリンクを含んでいる。より大きなウィキには、階層的なナビゲーションページがしばしば存在するが、必ずしも使われる必要はない。リンクは特定の構文、いわゆるリンクパターンを用いて作られる。

当初はほとんどのウィキがキャメルケースと呼ばれるリンクパターンを用いていた。キャメルケースはフレーズ内の単語の頭文字を大文字にし、それらの間のスペースを除いて生成される(キャメルケース("CamelCase")という単語自体がキャメルケースの例である)キャメルケースによりリンクが非常に容易になったが、それはまた標準的な綴りとかけ離れた形のリンクが書かれる結果を招いた。キャメルケースベースのWikiは "TableOfContents" や "BeginnerQuestions" などの名前のリンクが多いことで即座にそれとわかる。

キャメルケースはさまざまな欠点をもっていたため、MediaWikiではフリーリンクと呼ばれる、[[二重スクウェア・ブラケット]] (二重角括弧)で囲ってその代わりとした。このようなキャメルケースを使わないリンク方法はウィキの開発者に代替の解決策を探すよう促した。様々なウィキエンジンは []、{}、_ または / など他の文字をリンクパターンとして用いている。

ウィキで新しいページを作るには、厳密には他のページからリンクされることによって作られなければならない。リンクはトピックと関係のあるページ上に作成される。そのリンクが存在しないならば、それは何らかの方法で「壊れた」リンクとして強調されることが多い。そのリンクをたどるとページを編集する画面が開き、ユーザはその新しいページにテキストを入力することができる。この仕組みによって全くリンクされていないページが作られる割合は格段に落ち、高い関連性を持ったページ群が保持されることとなる。

また、ある一定のサイズより少ない量しか内容のない記事(スタブと呼ばれる)や、ある記事にリンクする全てのページを表示するようにすることもできる。
変更の管理

ウィキは、一般に「間違いを犯しにくくするのではなく、間違いを直しやすくする」という哲学に従っている。そのため、ウィキは、非常にオープンである一方で、ページの内容に関する最近の変更の妥当性を検証するための手段を備えている。

ほとんどすべてのウィキにある最も優れた機能は、直近に更新されたページのリスティングである。これは、最近の編集に番号を付けた詳細なリストか、あるいは決まった期間に行われた全ての編集のリストである。一部のウィキでは、些細な編集や自動インポートスクリプト (bots) による編集を、フィルタして表示しないようにすることも可能である。

大半のウィキでは、更新のログから二つの機能を利用することができる。一つは「改訂履歴」で、そのページの以前の版を見ることができる。もう一つは「差分」機能で、二つの版の差異を強調表示できるものである。改訂履歴を使うと、以前の版を開いたり保存したりすることができて、それによって、変更される前の内容へと復元することも可能である。差分機能は、ウィキの利用者が最近の更新ページにリストされた差分を見て、許容できない編集だった場合、それを昔のものに戻す必要があるか判断するのに使うことができる。この手順は、使っているウィキエンジンにも拠るが、多かれ少なかれ自動化されている。改版履歴を保存し、過去の任意の版へ戻す機能を提供するウィキエンジンも多い。

もし許容できない他人の編集が最近の更新のページから消えてしまっても、それをさらに追いかける機能を持っているウィキ・ソフトウェアもある。ウィキペディアで使われているMediaWikiははじめて「ウォッチリスト 」を備えたウィキで、自分が選択したページの最近の更新を見ることができる。
ユーザ管理

多くのウィキはユーザ登録を義務化することは避けているが、事実上すべての大きなウィキエンジンは、コミュニティのルールを常習的に破るユーザを制限するためのいくつかの方法を備えている。その最も一般的な方法は、ある特定のユーザの編集を禁止することである。これは特定のIPアドレスからのアクセスを禁止することで果たされる。しかしながら、多くのインターネットサービスプロバイダは、接続のたびに新たなIPアドレスを割り振るので、IPアドレスを用いたアクセス制限は比較的簡単にすり抜けられてしまう。また、無関係なユーザのアクセスを制限する結果になってしまうこともある。

小さなウィキでは、単に彼らにページを好きなだけ壊させて、破壊者が去った後にそのページをすぐに復旧することが戦術として採用されることが多い。この戦術は、大きなコミュニティの状況ではしばしば受け入れられないことがある。時限式の編集禁止措置が行われ、特定の範囲のIPアドレスから編集することを禁止する措置へと拡げられる場合もある。これを抑止力として破壊者がある期間内に編集が出来なくすることが可能となる。

さらに、いくつかのウィキはデータベースを読み出ししかできないモードに切り替えることができる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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