ウィキメディア財団
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キャサリン・メイハー(英語版) 2016年 - 2021年[27]

マリアナ・イスカンデル (Maryana Iskander) [28] 2022年 - [29][30]

歴史サン・フランシスコ事務所の一隅 (2008年)

ウィキペディアを初めとするプロジェクトは、当初ジミー・ウェールズの個人プロジェクトとして開始された。諸プロジェクトのサーバドメイン名およびデータは、ジミー・ウェールズが当時、最高経営責任者であったインターネット会社 Bomis によって所有されてきた[3]。2003年6月にウェールズがウィキメディア財団の設立を発表すると同時に、これらの所有権は財団に寄付された[3]

財団設立後も、プロジェクトの消費電力ネットワーク費用は、Bomisの寄付によって賄われてきた。非営利団体の設立によって、寄付金や米国連邦政府からの研究資金などを獲得しやすくすることで、これらのプロジェクトの安定した発展が保証されるとの見方が大勢を占めた。財団設立後、2004年から2005年初頭には他の団体からの寄付や助成の申し出があり、2005年3月現在、Bomis の寄付は、プロジェクトの使用する全帯域の2/3に相当する。

当初、財団の定款では理事会の定員は5人とされ、うち2人がユーザ代表であるとされた(2019年現在では定員10名)。しかしほぼ1年間ユーザ代表理事は置かれず、その間、財団のガバナンスのあり方、理事会などについての詳細が関連プロジェクトのメンバーによって議論された。2004年6月、最初のユーザ代表理事が選ばれた。このときの任期は1年であったが、のち2005年にはユーザ代表理事の任期は2年に延長された。

財団の活動をより強化し、また財団運営へのユーザの参加を促すことがしばしば課題として指摘される。これに対し、地方支部理事の財団理事会へのオブザーバーとしての招聘、および各種テクノロジー法務広報などの分野にユーザから選ばれた委員をおくなどの措置が2005年に取られた。また2006年には、これら委員が個人で分掌していた仕事をさらに効率的にすすめるべく、ユーザーからなる委員会がいくつかの分野に設置された。

委員会はすべて理事会決議によって設置され、設置と同時に委員長を含む原初構成員が指名される。構成員には、議決権をもつメンバーと議決権をもたないアドバイザーの二種があり、理事、地方支部理事、一般ユーザ、外部のエキスパートなどが構成員となりうる。構成員は理事の指名または委員会メンバーからの推薦および承認によって決定される。

ただしこのような委員職や委員会の設置は、その職にない一般ユーザが自分の裁量で行動することをさまたげるものではない。ユーザの裁量による行動は、サイト上のコンテンツ制作にとどまらず、外部資金の獲得や、企業との提携などにも及んでいる。財団は法的な権利を保持しつつ、ユーザの自主的な活動を積極的に奨励している。したがって、ユーザーはアグレッシブに参加でき、その点においてユーザー主導の立体的な辞典の構築が可能である。ただ、この点については逆にデメリットであるという指摘もあることを見落とすべきではないだろう。

なお、2007年10月9日には、財団の本部をフロリダ州セントピーターズバーグからカリフォルニア州サンフランシスコのテクノロジーハブへ移転することが発表され[25]、2008年1月末に移転を実施した。財団は、サンフランシスコへ移転する理由として、アメリカのハイテクの中心地であること、展開しているプロジェクトに関連した優秀な人材やサポートを確保できること、地理的にアジアでの事業パートナー候補との結び付きを深めることができること、などを挙げている[31]
交流の支援

ウィキメディア財団の事業のなかには、ユーザ同士の交流の促進も含まれる。ウィキメディア財団は、2005年以降、毎年国際会議・通称ウィキマニアを開催している[32][33]。開催地は次の通り。

2005年8月 ドイツ・フランクフルト・アム・マイン

2006年8月 アメリカ合衆国・ケンブリッジ

2007年8月 台湾(中華民国)・台北市

2008年7月 エジプト・アレクサンドリア

2009年8月 アルゼンチン・ブエノスアイレス

2010年7月 ポーランド・グダニスク

2011年8月 イスラエル・ハイファ[34]

2012年7月 アメリカ合衆国・ワシントンD.C.[35]

2013年8月 香港[36]

2014年8月 イギリス・ロンドン[37]

2015年7月 メキシコ・メキシコシティ[38]

2016年6月 イタリア・エージノ・ラーリオ[39]

2017年8月 カナダ・ケベック州・モントリオール[40]

2018年7月 南アフリカ・ケープタウン[41]

2019年8月 スウェーデン・ストックホルム[42]

2020年は新型コロナウィルス感染症の世界的流行により、ウィキマニアは開催されなかった。

2021年8月 オンライン[43]

2022年8月 オンライン[44]

2023年8月 シンガポールとオンライン[45]

毎年 380人から2,000人程度、国・地域別では80ヶ国前後から出席者がある[32]

2004年ごろから、ユーザ主体によるミーティングが主にヨーロッパで催される中、多言語プロジェクトゆえの国際的な交流の要望が高まり、ウィキメディア財団主催による国際的会議の構想につながった。

ウィキマニアはユーザの交流と同時にウィキメディア・プロジェクト全般に対する研究の促進を目標にしており、外部から優れた招待講演者を招くことにも力をいれている。これまでの招待講演者には、リチャード・ストールマンウォード・カニンガムローレンス・レッシグブリュースター・カール伊藤穰一などがいる。

この試みは他の同種の非営利団体からも好感がもたれており、Open Source Initiativeからは発展途上国からのウィキマニア参加希望者に3年連続で旅費の援助がなされている。



財務
全般ウィキメディア財団の財政の成長(単位:US$)。2003?2018。
黒:純資産緑:歳入 赤:支出

ウィキメディア財団は、目的のために必要な資金として、公共の寄付と助成金に頼っている[46]。そのため、連邦所得税[4][47]および州の所得税が免除されている[46][48]。私有の財団ではないため、アメリカ合衆国では、ウィキメディア財団への寄付金は税金の控除対象となる慈善寄付とみなされる[46][47]

技術的・経済的な継続した成長のほとんどは寄付金に依存しているが、ウィキメディア財団でも、連邦助成金(英語版)、スポンサー、サービスの提供、ブランドのマーチャンダイスなどの代替手段による歳入源を増加させている。検索エンジンや同様の一括分析・再出版を主なターゲットとしたWikimedia OAI-PMHの更新フィードサービスは、何年間も歳入源となってきたが[46]、現在では新規の顧客は受け付けていない[49]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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