ウィキペディア
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既存の百科事典や他の類似のプロジェクトと比較した場合、ウィキペディアには次のような特徴がある。

従来、専門家によって監修、編集される百科事典を一般のインターネット利用者が匿名で編集できるようにしていること。参加者の資格制限などを行っていないため、年齢、職業、国籍などの点で多様な執筆者がボランティアで編集に関わるが、これは百科事典の開発プロジェクトとしては革命的なことであった。

コピーレフト用のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを採ったオープンコンテント方式を採用し参加者によって投稿された内容を、複製・配布・改変することが容易にできること。

ウィキシステムを採用しているため、パソコンブラウザを使い誰もがいつでも簡単に執筆、編集できるプロジェクトであること。

投稿履歴が公開されており、いつ誰がどのような編集をしたかが把握できるようになっていること。

利用者間の議論はなされるが、その全ては百科事典の作成を目的にしていること。この点で、例えば議論や情報交換を行う場である掲示板ネットニュースなどと異なっている。

立候補や推薦で選ばれた管理者は一般ユーザーに行使できない機能を使えるが、一般ユーザーの意見よりも管理者の意見の方が重要だとはみなされないこと。

広告などによる商業的収入を持たず、寄付により運営されていること。

ウィキメディア財団のスタッフなどの一部の者を除き、編集から運営・管理に至る人々の大部分がボランティアであること。

既存の百科事典では対象外であった大衆文化に関する項目が数多く扱われていること[19]

活動の規模

2001年1月15日に英語版が発足、その後多くの言語へ展開し、2021年12月29日時点では325言語で執筆が行われている[20]。100万記事以上に達しているものは18言語、10万記事以上に達しているものは71言語となっている[20]。ウィキペディアは多言語展開に力を入れており、各言語プロジェクト間の格差を少しでも埋めるためのソフトウェアの開発をスタンフォード大学と共同で行うこともあった[21]。また多言語展開の一環として、ウィキペディア設立当初は次々と新しい言語プロジェクトが立ち上げられていったものの、初期には比較的簡単にそれが行われていたために、参加者が集まらない、いなくなった、などの理由で閉鎖されたり凍結されたプロジェクトもある。現在では、新たな言語でウィキペディアを設立する前にウィキメディア・インキュベーターというサイト内で試験運用を行うことになっており、2015年7月現在で約340の「試験版ウィキペディア」がある。

2020年7月時点で310の言語版の記事数の総計は5400万以上に上り、最も多い英語版が約610万件となっている[1]。またアレクサ・インターネットによる全ウェブサイトを対象とするアクセスランキングでは、13位にランクインしている[1]

活動規模が最も大きい英語版では4275万を超えるアカウントが登録されている[20]。しかしながら、アカウント登録なしで編集に参加できることと、作成されたアカウントの数割が実際には使用されないことから、正確な利用者数は把握できない。すべての言語版を併せると6000万を越えるアカウントが作成されているものの、言語版ごとに重複してカウントされているため、こちらも正確な利用者数とは直結しない。データベース・ファイルを分析したエーリック・ザクテ (Erik Zachte) の統計によれば、5回以上編集・投稿に携わったユーザーの総数はプロジェクト発足以来2004年12月30日までで3万2000人強とされるが、この統計でも未登録ユーザーの活動量が未集計のほか、古いバージョンのソフトウェアを用いて活動しているウィキペディアについては分析の対象外としている。

参加者が何らかの編集・投稿を行い、データベースへ保存した回数を参考にすると、プロジェクト発足以来、21億回以上の編集・投稿が行われてきたことになる(これは未登録ユーザーによるものも含まれるが、ソフトウェアのバージョンの差から来るデータの欠落がある)。このことはありとあらゆる情報を集め、データベースにすることを重視する21世紀という時代を象徴している。
統計英語版ウィキペディアの統計
青:月に5回以上の編集を行う利用者数。
赤:12か月後も編集を1回以上行っている利用者の割合。

ウィキペディアに関する統計については、Wikipedia:全言語版の統計を参照。当該記事は随時更新されている。一部の統計については Wikistats にて公表されており、日本語版の 統計グラフ も参照できる。

またアレクサ・インターネットの統計によれば、wikipedia.orgの閲覧数のうち、約60%が英語版へのアクセスである。日本語版スペイン語版ロシア語版ドイツ語版へのアクセスがこれに次ぐ。英語版の項目数と、2位以下の言語版の項目数合計を比較すると、2016年2月時点では2位から8位までの7プロジェクト合計とほぼ同数となっている。ただしこの中にはセブアノ語版のように、プログラム (bot) を使って作成した記事が多数を占めるものも存在する。

ウィキペディアの参考文献は、その質の高さを監視し維持するための重要な仕組みであり、2020年3月、ウィキペディアには日本語版870万件を含む2億件以上の文献が掲載されていた[22]
公開性

既存の百科事典と異なり、ウィキペディアは当初ほぼ完全にオープンな百科事典としてスタートしており、アカウントを取得していない利用者を含む全ての利用者が記事を立項でき、全ての記事を編集することが可能で、それらの編集は即座に記事に反映されていた。 その結果、あらゆる記事にいたずらやイデオロギー的偏向(英語版)などの不正確な内容が含まれてしまうおそれがあった[23][24][25]
制限

深刻な荒らしや編集合戦などを含むウィキペディアの目的外利用を防ぐ目的で、英語版や日本語版を含む一部の言語版では、特定の場合における編集への制限が設けられている[23][24][25]。例えば、英語版やスペイン語版などでは登録済みのユーザーのみが新しい記事を作成することができる[26][27]。特に論争のある、あるいは荒らされやすい傾向のある記事は特定の利用者のみ編集可能な「保護」という設定がされている[23][28]。英語版や日本語版では、頻繁に荒らされた記事は半保護または拡張半保護に設定することができ、前者は自動承認された利用者、後者は拡張承認された利用者のみ編集できる。また全保護(あるいは単に保護)は特に編集合戦が発生した記事において設定され、管理者のみが編集できる[28][29]

場合によって、全ての利用者が編集可能だが別の利用者によるレビューを経ないと公開されない設定が設けられている場合もある。たとえば、 ドイツ語版ウィキペディアなどの24言語版では、レビューを経た記事を「stable versions」として公開する「Flagged Revisions」機能を実装している[30]。長期にわたる試験運用とコミュニティでの議論の後、英語版ウィキペディアでも2012年12月に同様の「Pending Change」機能が正式に導入された[31]。この機能の導入により、問題のある編集や荒らし行為が発生しやすい特定の記事において、IP利用者や新規利用者の編集は公開前に承認された利用者によってレビューを受けなければ表示されないよう設定できるようになった[32]。この機能についてジミー・ウェールズは、数年に渡り保護または半保護が設定されている記事において、再度全ての利用者による編集を可能にする機能であると歓迎するコメントを寄せている[32]
変更の検証

全ての編集は体系的な査読は受けないが、誰でも編集を検証できる機能が提供されている。各記事の「履歴」ページで全ての変更履歴へのリンクが一覧でき[† 3]、ほとんどの記事では誰でも履歴ページのリンクをクリックすることで、他の利用者の変更を取り消すことができる[34][35]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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