イースタン航空401便墜落事故
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客室乗務員は10名、乗客は163名(前述の整備技術者を含む)が搭乗していた[12][13]
事故の経過
表示灯の不具合

東部標準時21時20分にニューヨークジョン・F・ケネディ国際空港を離陸したEA401便は、順調に飛行して目的地のマイアミ国際空港への進入を開始した[1]。副操縦士が操縦桿を操作し、機長は交信や降着装置等の操作を担当していた[14][15]。マイアミ空港付近は晴れており視程は10マイル(約16キロメートル)と良好だったが、月はなく暗闇の中の飛行だった[16][17]

着陸のため機長が降着装置を下ろす操作をしたところ、前脚が下げ位置でロックされたことを示す表示灯が点灯しなかった[16][18]。表示灯が点かない原因として考えられるのは、脚が正常に下りていないか、表示灯が故障したかのいずれかである[19]。機長は脚下げ操作をやり直したが、表示灯はつかなかった[18]

23時34分05秒、機長はマイアミ空港の管制塔(タワー)を呼び出し、前脚の表示灯が点かないため旋回する必要がある旨を伝えた[20][21][2]。タワーは了解し、高度2,000フィート(約610メートル)に上昇して進入管制(アプローチ・コントロール)に無線周波数を合わせるようEA401便に指示した[20]。EA401便はこれを了承し、上昇して空港上空を通過した[22][23]
周回コースへ進入を中断してから墜落に至るまでのEA401便の飛行経路。NTSBの事故調査報告書より転載。中央下にある白抜きの領域がマイアミ空港の滑走路。

23時35分09秒、EA401便は進入管制に無線をつなぎ、高度2,000フィートに達したことと、前脚の表示灯を確認する必要があることを伝えた[21][22]。これに対し進入管制は、左に90度旋回するよう返信した[21]。空港付近の決められたコースを周回して再度進入コースへ戻るためであった[21]。EA401便はこれを了承して左旋回を開始した[21]

23時36分04秒、操縦を担当していた副操縦士にオートパイロット(自動操縦装置)を作動させるよう機長が指示した[22][24]。トライスターは当時最新鋭のオートパイロットを備えており、方位や高度、速度などをセットすると、それに沿って自動で飛行できた[24]。副操縦士はオートパイロットを作動させると、管制から指示された飛行方位をセットした[22][24]

続いて副操縦士が前脚の表示灯を取り外して調べたところ、ランプが切れていた[25]。問題はその後だった。副操縦士が表示灯を元に戻そうとして誤った向きに差し込んでしまった[25]。表示灯は中途半端に嵌って動かなくなった[25]

23時37分08秒、機長は航空機関士に対して、操縦室の床下にある電子機器室(エレクトロニクス・ベイ)に入って前脚の状態を目視確認するよう指示した[26][25][27]。電子機器室には前脚の機構の一部が見える「のぞき窓」があり、脚が正しく降りたか確認できるようになっていた[26][25]
不自然な降下

23時37分24秒、EA401便は緩やかに降下を始めた[26]。その24秒後、西に変針するように進入管制から連絡が入る[26]。EA401便はこれを了承して旋回し、同時に降下も止まった[26]。この間の降下量は100フィート(約30メートル)だった[26]

機長と副操縦士は表示灯を直そうとしていたが成功しなかった[26][25]。23時38分46秒、機長は進入管制官を呼び出し、ランプを取り付けられるか確認するため、もう少し西へ飛びたいと要請した[28][29][27]。進入管制はこの要求を許可した[28]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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