イ・モーディ
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男性の過剰なほど筋肉のついた胴体と背中[16]ラオコオンとその息子たち、ベルヴェデーレのトルソ (Belvedere Torso) 、そしてファルネーゼのヘラクレス  (Farnese Hercules)  といった彫像に基づいて描いた)。[17]

小さな乳房であっても明らかに女性を定義した(メディチ家のヴィーナス(英語版) およびクニドスのアプロディーテーのような例から描かれた)[18]

たとえばウェヌスユーノーもしくはクレオパトラといった、女性の数名の手の込んだ髪型 (これらのような、ローマ帝国時代の上半身の姿に由来する)。


古代ギリシアの聖域あるいは寺院のような古典的な「舞台装置」において性行為を描写する

プリアポスの崇拝』が彫られたputeal(井戸周りの彫刻)の上部の、プリアーポスあるいはパーンの像に着いた、大きく勃起したファロスは、この時点で考古学的に発見され始めていた古典的な彫刻と絵画(このフレスコ画のような)の例に由来している。[19]

古くからの美術との違い

作品は、古典的な学問が軽視されていることを示すように、古典的な文学、性愛文学、神話、美術からさまざまな点で逸脱し、明らかに製作時点での現代的な舞台設定に変更されている。

男性 (sexual partner
) の大きなペニス(プリアーポスではないが)は古典文学から借りてきた造形というよりむしろ芸術家によって創案されている。古典的な芸術において理想とされたペニスは大きくはなく、小さかった(先に示したように、プリアーポスの例に関しては、大きなペニスは滑稽な男性あるいは豊穣神のシンボルとして認知されている)。

題名『Polyenus とクリュセイス』にあっては、実際に神話に登場する人物クリューセーイスに、架空の人物 Polyenus をペアにしている。

題名『アルキビアデスとグリュケラ』では、異なる時代の歴史的な2人の人物 - 紀元前5世紀アルキビアデス紀元前4世紀のグリュケラ  (Glycera (courtesan))  - をペアにしている。

女性のサテュロスは古典的な神話には登場しないが、この作品では2回登場している(『サテュロスとその妻』および『プリアポスの崇拝』)。[20]

この作品でのすべての女性と女神(もっともはっきりしているのが『ウェヌス・ゲネトリクス』)は股間に陰毛がない(古典的な裸婦の彫像と同様である)が、女性器ははっきりと現れている(古典的な彫像と異なる)。[21]

現代的な家具の例

さまざまなスツールとクッションが、絵に描かれた人物が体を支えるため、それ以外の場合は適切な位置に彼らの体を持ち上げるために使われる(たとえばこの例

他の性具(例えば右下の

16世紀ふうの、飾りのついたカーテン、彫刻、タッセルを施したクッション、ベッドの柱、などが備えられたベッド


内容の一覧

註:これらの版画は、18世紀後半にオリジナル作品を再現したものである。(この後にも、影響を与えられた性愛を扱う芸術が次々に現れた。たとえばポール・アヴリル[1] などである。)

絵No.題名 (日本語訳)男性側女性側性交体位備考
1ウェヌス・ゲネトリクス-ウェヌス・ゲネトリクス--
2パリスとオイノーネーパリスオイノーネー臥位、男性が上
3アンジェリーク と MedorMedorアンジェリーク騎乗位ロラン(リュリの歌劇)の登場人物
4サテュロスとニュンペーサテュロスニュンペー正常位(男性が上位で立っており、女性が横になっている)
5ユリアと競技者ある競技者大ユリア騎乗位(女性が立っている)女性がペニスを導いている
6ヘーラクレースとデーイアネイラヘーラクレースデーイアネイラ対面立位(女性は男性によって支えられている)
7マールスとウェヌスマールスウェヌス対面(騎乗位[22]
8プリアーポス崇拝パーンもしくは男性の サテュロス女性の サテュロス対面(男性は立ち、女性は座っている)
9アントニウスとクレオパトラマルクス・アントニウスクレオパトラ側位(男性が右に)もしくは並んで向かい合う姿勢


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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