インペリアル・イースター・エッグ
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この美術館はアメリカ屈指のロシア文物のコレクション[10]#リリアン・プラットから遺贈され[11]、皇帝の卵5点を収蔵している[注釈 8]

ペリカン(1898年、M) ペリカン(1898年、M

ツァレーヴィチ (1912年、A)

皇族の肖像と赤十字(1915年、M

ロシアに戻った黄金の卵

9点を数えた故マルコム・フォーブスのコレクションは、その死後、2004年2月に遺族からサザビーズのオークションに出された。ところが競売が始まる前にロシアの新興財閥社長ヴィクトル・ヴェクセリベルクが代理人として全点買い取った。購入者アレクサンドル・イワノフ (美術蒐集家)は、ソビエト崩壊後の大富豪で美術品コレクターである[16]。それまで、ファベルジェが作った卵の最高額は2002年に付いた「冬」の960万ドルだったが、フォーブス・コレクションの落札は9点で1億ドルに達したといわれ記録を塗り替えたのである。イヴァノフとヴェクセリベルクたちが計画したファベルジェ美術館はサンクトペテルブルクに開館した[注釈 9]

2013年、イギリスのテレビ局が組んだドキュメンタリー番組 BBC Four の取材に応じたヴェクセリベルクは、インペリアル・イースター・エッグ 9 点の収集に 1 億アメリカドル以上をつぎ込んだと明かしている[18]。ロシア国民として国の歴史と文化を伝える貴重な品、世界最高の宝飾品を守ろうと収集したのであって、自宅に飾り独占するためではないと強調すると、番組内で美術館を建てて所有するファベルジェの卵を公開するつもり[19] だと語った (美術館は2013年11月19日にサンクトペテルブルクに開館。サンクトペテルブルクのファベルジェ美術館も参照)[注釈 10]
ロスチャイルドのエッグ

2007年11月、競売会社クリスティーズが「ファベルジェの時計」と題して[20]ロスチャイルドのエッグ (英語) をオークションにかけると、8900万ポンドで競り落とされた (手数料込み)。この「時計」は以前、1964年発行の L'Objet 1900 ( Maurice Rheims 著) に図版 29として載ったことがあるものの、ファベルジェが納めて以来、実物が公開されたことはなく競売に先立って2007年10月にクリスティーズが開いたモスクワの内覧会で初めてその姿を現したのだ。製作は1902年、エドゥアール・ド・ロチルド 男爵の婚約祝いの品で、時計を組み込み、正時に卵の頂点が開くとおんどりが現われて翼をひろげる仕かけを施してある。クリスティーズでロシアの美術工芸品部門をまとめるアレクシス・デ・ティーゼンハウセンによると、このときの競売は当時の史上最高の落札額を付け、世界一高価な時計であり、ロシアからの出品で初めてこれほどの高額を呼んだ、これら3つの点で意義深いという[21][22]。それ以前、ファベルジェの卵についた最高の落札額は9600万アメリカドル。2002年に取引された「冬」 (1913年製) である[23][24]

ロスチャイルドのエッグは2014年12月8日、エルミタージュ美術館創設250年記念[25] の祝いの席でロシア政府より移管された[26][27]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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